停電や災害時の備えとして、またアウトドアや日常のちょっとした不便解消にも活躍する「ポータブル電源」。以前は業務用で利用されることが多かったが、利便性やデザイン性が向上し、家庭でも備える人が急増している印象だ。実際、WeChoiceによるアンケート調査によれば、20代から60代以上まで幅広い世代のうち、約75%がすでにポータブル電源を所有しているとの結果が出ており、今や家族を守る家電としての地位を確立しつつある。ポータブル電源の魅力や選び方、利用者のリアルな声など、早速調査結果の詳細を見ていこう。
ポータブル電源所有者は75%!災害時やキャンプに活用

調査は2025年3月26日~28日、20代〜60代以上の男女100人を対象に実施。その結果、ポータブル電源所有者のうち42%が「自分自身のため」、32%が「家族全体での災害対策」、18%が「家族のため」に購入したと回答し、ペットのために購入したケースも4%あった。用途としては「災害時の非常用電源」が32%と最も多く、「キャンプやアウトドア」27%、「自宅での電力バックアップ」16%など、幅広いシーンで活用されている。

実際に購入した人の満足度は非常に高く、「とても満足」「概ね満足」を合わせると約74%に達する。一方で「容量が足りなかった」「思ったより使いにくい」といった不満も一部で見られ、実際の使用シーンに合った容量や出力、充電時間、安全性などをしっかり確認した方が良さそうだ。適正価格がいくらだと思うかについては「1万~3万円」(37%)とする声が最も多く、次いで「3万~5万円」(34%)。だが、ポータブル電源の価格相場は約2万円〜50万円と幅広く、主に容量と定格出力によって価格が決まる。安全性やバッテリーの寿命、ソーラーパネルの有無も価格に影響するため、安ければよいわけではない点に注意が必要と言えるだろう。
購入時は容量と出力、安全性、価格を重視

では、どんなポータブル電源を選べばよいのだろうか。ポータブル電源を選ぶ際に重視するポイントとして、「容量(Wh)・出力(W)の大きさ」(33.0%)、「バッテリーの安全性・信頼性」(26.0%)、「価格・コスパ」(22.0%)が挙げられている。また、災害時やアウトドアでの使用を想定する場合、持ち運びやすさや充電方法の多さも重要な判断材料となるだろう。購入前には、用途に合った容量や定格出力、安全認証の有無、AC出力が純正弦波かどうか、信頼できるメーカーかどうかなどを総合的にチェックすることをおすすめしたい。
さらに、バッテリー寿命(サイクル数)やソーラーパネル併用機能、アプリ連携機能の有無も注目されている。バッテリー寿命については「とても気になる」「ある程度気にしている」との回答が9割以上を占め、長く使いたい人にはサイクル数やバッテリーの種類(三元系・リン酸鉄系)の確認が欠かせない。ソーラーパネル併用機能は「多少重視する」「非常に重視する」との声が8割以上を占め、停電時やアウトドアでの活用範囲を広げる大きなメリットに感じているようだ。レンタルやシェアサービスへの関心も高く、「試せるなら検討したい」「一時的なら便利そう」と前向きな意見が多数を占めた。
利用者からは「軽量で持ち運びしやすいこと」「複数機器への同時充電」「充電の速さ」など実用性への要望が多い。今後、ポータブル電源は軽量化・高出力化・低価格化が加速すると同時に、災害対策だけでなく、日常やレジャーでも頼れる“新しい当たり前”の家電として、普及が進みそうだ。
出典:【WeChoice】
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