毎年、各地域で大雨や台風などの風水害が起こっているが、これらは住まいに直接影響が出るものだ。そのため家探しをする際に、こういった災害リスクを気に留める人も多いだろう。いえらぶGROUPは、不動産会社・エンドユーザーに対して「災害リスク情報に関するアンケート調査」を実施し、災害リスクに対する意識や備えの実態を明らかにした。

災害リスクを重要視するエンドユーザーは約8割

不動産業界特化のDX支援サービスを展開する株式会社いえらぶGROUPは、2025年8月28日~9月8日、不動産会社186件、エンドユーザー1,325件を対象に、「災害リスクに関するアンケート調査」を実施。
エンドユーザーに物件を探すときに災害リスク情報(水害ハザードマップ)はどの程度重視するかを尋ねると、「非常に重視する」31.2%、「ある程度気になる」44.2%と全体の約8割が水害ハザードマップを重要視していることが分かりました。

続いて災害リスクについてどのような情報が知りたいのかを尋ねると、「洪水や浸水のリスク」76.9%が最も多く、水害への関心の高さが浮き彫りになりました。次いで「地盤の揺れやすさ」57.1%、「土砂災害の危険度」44.0%という結果でした。
また、多くの人が物件を探す最初のタイミングでこういった災害リスクの情報を知りたいと回答しており、早い段階から具体的な説明を求めていることが明らかになりました。
災害リスクの情報掲載は「必ず掲載している」はわずか13.4%にとどまる

一方、不動産会社では災害リスク情報に関して広告にどの程度掲載しているかを尋ねると、「必ず掲載している」13.4%、「一部の物件のみ掲載している」8.1%にとどまる。「問い合わせがあった場合のみ伝えている」38.7%、「基本的には掲載していない」39.8%と、積極的に開示していない実態が明らかとなった。エンドユーザーは災害リスク情報を早い段階で求めているが、不動産会社側の情報提示とは温度差があることが浮き彫りとなっています。

不動産会社の約半数が災害リスクの情報開示で「信頼性や安心感が高まる」と回答した一方で、災害リスク情報を提供する際に感じる課題では、36.0%が「契約への影響を懸念する」という声が挙がった。次いで「担当者による説明内容の差」30.6%、「説明が難しい」24.7%、「情報更新の手間」17.7%と続きました。
不動産会社側にとって情報を提供することで得られるメリットと、掲載によって生じる不安の両方が存在していることが見て取れる。しかし、エンドユーザーにとって住まいの決定は今後の生活を安定して営めるかどうかを左右する大きな選択となります。エンドユーザーの需要に応えられるよう、より真摯な対応が求められるでしょう。
出典:【いえらぶCLOUD】
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