現行iPhoneを安く買おうと思ったら、iPhone 16と16eが候補になるでしょう。16は新モデルのスタンダード版で、16eは14ベースの廉価版なので、どちらにすればいいか悩んでいる人も多いと思います。そこで今回は、この2台の性能を比較して、結局どちらにすればいいのか検証してみましょう。
iPhone 16と16eの価格差は2万5,000円!
iPhone 16eは2025年2月末に発売されましたが、発売前は「iPhone SE3」の後継モデル“SE4”として大きな注目を集めていました。しかし、いざ蓋を開けてみれば本体は6.1インチとSE3よりかなり大きく、ホームボタンも廃止。価格も3万円以上高くなってしまったため、がっかりした人も多かったのではないでしょうか。

一方、iPhone 16は2024年9月に発売された16シリーズのスタンダードモデル。カメラはデュアルでカメラコントロールボタンを搭載。画面にはDynamic Islandが採用されています。

気になる価格は、16eの128GBモデルが9万9,800円、16の128GBモデルが12万4,800円なので、16のほうが2万5,000円ほど高くなっています。
ただし、中古市場(イオシス価格)では16eの未使用品が9万7,800円なのに対し、11万9,800円なので、価格差は2万2,000円ほどになりますが、中古ランクAでいいなら、さらに5,000円ほど安くなるので、その差は1万7,000円まで縮まります。
つまり、この2台のスペックの差が2万2,000~2万5,000円分の価値があるかどうかで判断すればいいことになるんですね。
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まずはiPhone 16と16eの共通点をチェック!
最初にiPhone16と16eで共通している部分を確認しておきましょう。
チップ(SoC)は両方とも「A18」です。GPUのコア数が少し違いますが、これは重いゲームをするとき以外はさほど気にするほどの差ではありません。
もちろん、A18を採用しているので、どちらもAppleのAI機能「Apple Intelligence」に対応しています。また、メモリ(RAM)容量はいずれも8GBを搭載しています。
ディスプレイは両モデルとも6.1インチの「Super Retina XDRディスプレイ」(有機EL)で、本体サイズもほとんど同じ。重量は16が170gで16eが167gなので、気にするほどの差はないでしょう。
また、以前のモデルにあった本体左サイドの消音ボタンはどちらも「アクションボタン」に変わっています。ここにはさまざまな機能を割り当てられるのが便利です。
もちろん、充電端子はUSB-Cを採用しており、データ転送速度はUSB 2.0規格になります。ただし、16が「DisplayPort」に対応しているのに対し16eは非対応なのは要注意ですね。
生体認証も16eではホームボタンが廃止されたので、いずれも「Face ID(顔認証)」。防水・防塵もIP68(水深6mで最大30分)と共通しています。
データ通信は当然5G対応で緊急時に衛星経由で連絡できます。SIMに関しても、どちらもデュアルSIM(nano SIM+eSIM)に対応しています。
■iPhone 16と16eの共通点
【チップ】A18
※16eはGPUコアが16よりひとつ少ない
【Apple Intelligence】対応
【メモリ】8GB
【本体サイズ】71.6×147.6×7.8mm(16)/71.5×146.7×7.8mm(16e)
【本体重量】170g(16)/167g(16e)
【ディスプレイ】6.1インチ(有機EL)
【アクションボタン】〇
【端子】USB-C(USB 2.0規格)
【生体認証】Face ID(顔認証)
【防水・防塵】IP68(水深6mで最大30分)
【データ通信】5G
【SIM】デュアルSIM(nano SIM+eSIM)
iPhone 16と16eの機能はどこが違うの?
共通点を確認したところで、iPhone16と16eの違いを確認しましょう。
まず、バッテリーの持ちに関してはビデオ再生時間で確認できますが、16が最大22時間なのに対し、16eは最大26時間となっています。バッテリーの持ちが気になる人にとっては、ここが重要なポイントになるでしょう。
表面のディスプレイは大きく違います。16eは何の機能もないノッチになっていますが、16ではDynamic Islandが採用されています。
Dynamic Islandでは再生中の音楽やタイマーなどで、サブディスプレイのように使えるため、あればかなり便利になります。もちろん、パッと見ですぐに新しいiPhoneだと分かりますので、少し気になる部分でもありますよね。

アウトカメラはどちらも48MPで、インカメラは12MPとなっていますが、16はデュアルカメラなので超広角にも対応します(12MP)。もし、写真をよく撮る人は少し気にしたほうがいいかもしれません。
また、16に搭載されている「カメラコントロールボタン」はカメラを素早く起動して撮影できますが、正直言ってそんなに使う場面はないので、あれば便利ですがなくても困るほどではないでしょう。

ワイヤレス充電に関しては16eがMagSafeに非対応なのに対し、16はMagSafeに対応しています。MagSafeは最大25Wの高速充電ですしQi2でも最大15Wで充電可能ですが、16eは最大7.5WのQiしか対応していませんので、普段ワイヤレス充電を利用している人は要注意です。

そして、意外なのが16シリーズのなかで16eだけが唯一、DisplayPortに非対応であること。16ならUSB→HDMI変換ケーブル1本で簡単に大画面テレビで写真や動画を表示できますので、16eを買ってこれができないのは、意外とがっかりすると思います。

細かいところでは、ディスプレイの最大輝度が16eは1,200ニトなのに対し、16は最大2,000ニトとなっています。当然、日の当たる明るい場所では16のほうが画面を見やすいので、屋外での使用が多い人や、HDRコンテンツの再生が多い人は少し気になる部分でしょう。
Wi-Fi規格に関しては16が最新の「Wi-Fi 7」なのに対し、16eは「Wi-Fi 6」までしか対応しません。ただ、現状ではWi-Fi 7にまで対応できているところは少なく、一般的にはWi-Fi 6に対応できていれば十分な速度が出ます。
通信関連では、16は第2世代の超広帯域チップ(UWB(超広域無線)に対応しています。これは、AirTagなどで正確な位置情報を知りたいときに有効で、数センチ単位の精度を持っていますが、日常使いではあまり関係ないでしょう。
また、16のカラバリはブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリンの5色ありますが、16eはブラックとホワイトのみです。もし、カラフルなiPhoneが欲しいと思っている人にはここも重要なポイントになるかもしれません。
■iPhone 16と16eの主な機能の違い

どのような人がどちらのiPhoneを買えばいいか?
まず、細かい機能はどうでもいいので、少しでも安くiPhoneを買いたい人には、やはり16eがオススメ!
電話やLINE、ネット閲覧といった基本機能は16eでも十分な性能がありますし、2万円以上の価格差があればAirPodsやケースなどのアクセサリー代が捻出できますよね。
次に、バッテリーの持ちを重要視している人も16eのほうがいいでしょう。16eのほうがビデオ再生時間が4時間も長いので、日常生活ではその差をかなり感じると思います。
ただし、いちいちケーブルを接続して充電するのがイヤな人は、最大25Wの高速ワイヤレス充電「MagSafe」が利用できる16のほうがストレスがないでしょう。
もし、周りの目が気になる人は16がオススメです。16のディスプレイはDynamic Islandになっているので、画面を見る限りはノッチを採用している16eのような古臭さを感じません。
また、カラバリも16eはホワイトとブラックの2色なので、カラフルなiPhoneがいいと思うなら、カラバリが豊富な16になりますね。

まとめ
いかがでしょうか? 今回は安価なiPhone 16と16eはどちらがいいのか検討してみました。筆者の個人的な考えとしては、2万5,000円の差ならやはりiPhone 16がオススメ。
とくに、16eだけがDisplayPortに非対応で、大画面テレビでiPhoneの写真や動画を表示できないのはとてもがっかりしました。しかし、機能よりも価格とバッテリーの持ちを優先するなら、断然16eのコスパが光ります。
なお、背面カメラの見た目が気になる人は、iPhone 15 Proという選択肢もアリです。たとえば、イオシスでは15 Pro(128GB)の中古Aランクが12万9,800円で買えますので、16の中古Aランクとの価格差は1万5,000円しかありません。
15 Proも16や16eと同じ6.1インチ。チップはA17 ProなのでApple Intelligenceにも対応しますし、Dynamic Islandやアクションボタンを搭載。最大輝度は2,000ニトで、USBは最大10Gbpsの通信速度とDisplayPortに対応します。
また、15 Proはチタンボディで非常に高級感がありますし、トリプルカメラで光学3倍ズームも利用できます。写真をたくさん撮る人には見逃せないところですね。唯一の欠点は187gあってズッシリ重いことくらいでしょう。
