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「カメラなしiPhone」って何だ!? SEモデルで22万円の激レア端末の正体とは

──「当たり前」の穴が見えるとき

2025年7月、X(旧Twitter)に投稿された一枚の写真が静かな注目を集めた。投稿主はガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さん。添えられたのは、次のような一文である。

「ガチでカメラなしiPhone届いた。」

文章だけでは状況が飲み込めないが、写真を見ればすぐに理解できる。背面カメラがあるはずの場所に、何もない。あるべきものが完璧に消失した“iPhoneらしきもの”が、そこに写っていた。

「カメラなしiPhone」って何だ!? SEモデルで22万円の激レア端末の正体とはの画像1
(画像は「ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さん」提供)
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しかもこの端末、ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんによれば22万円で手に入れたという。そして投稿の続報によれば、このカメラなしiPhoneはシンガポールの企業「NonCom(ノンコム)」が制作・提供している特注モデルであることも明かされている。一般流通していない“業務用のiPhone”という希少な存在だ。

本稿ではこの投稿を起点に、「カメラのないiPhoneとは何か」、そしてそれが映し出す“スマホの当たり前”の揺らぎについて考察する。

実在する「カメラなしiPhone」

ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿は、ネタでも加工でもない。実際に存在する“カメラのないiPhone”である。その制作元は、シンガポールに本社を置くNonComという企業だ。

NonComは、政府機関、防衛関連施設、金融システム、製薬工場など、カメラ付きデバイスの持ち込みが禁じられている特殊な環境に向けて、iPhoneから前後のカメラを物理的に除去した専用モデルを提供している。

外見はApple純正のiPhoneそのものだが、レンズ部分は完全に埋められており、撮影機能は一切存在しない。つまりこれは、セキュリティ要件を満たすために構造そのものが変更されたスマートフォンなのだ。

「ないこと」が発する強烈なメッセージ

われわれはiPhoneに“カメラがあるのが当たり前”だと思っている。毎年のモデルチェンジではカメラ性能が話題になり、SNS投稿や日常記録にも欠かせない存在だ。

だからこそ、背面カメラが存在しないiPhoneを見たとき、人は直感的に「何かがおかしい」と感じる。まるで、顔のパーツが一つだけ欠けているかのような違和感である。

この違和感こそが、ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿が拡散された理由でもある。

「見慣れたものが、見慣れた姿をしていない」──そんな異常性が一瞬で認識され、共有されたのだ。

スマホ=カメラ、という幻想

現代のスマートフォンにおいて、カメラは単なる写真撮影機能ではない。QRコードの読み取り、ビデオ通話、AR、バーコード決済、身分証の読み込みなど、多機能の入り口として活躍するパーツである。

しかしその一方で、「カメラがあっては困る」現場も少なくない。情報漏洩リスク、内部機密保護、撮影禁止エリアなどの制約がある場所では、むしろ“カメラがない”ことが求められる。

「カメラなしiPhone」って何だ!? SEモデルで22万円の激レア端末の正体とはの画像2
(Image:Arnaoutis Christos / Shutterstock.com)

つまり「カメラはあって当然」という認識は、われわれの日常的な使用前提にすぎない。ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿は、その前提の外にある現実を、鮮やかに可視化してみせた。

22万円で手に入れる理由

「カメラがないだけのiPhoneに、なぜ22万円も払うのか」と思う人もいるかもしれない。だがこれは、単なるカメラ除去ではない。**安全性と信頼性が要求される業務環境に適した“完全な仕様変更”**なのである。

たとえば、カメラが物理的に存在しているだけでセキュリティ審査を通過できない環境もある。

iPhoneのソフトウェアではカメラ機能を完全に無効化することができないため、構造から除去された“ガチ仕様”が必要になる。NonComの提供するモデルはまさにそのニーズを満たすための製品であり、価格にはその希少性と技術コストが反映されている。

それを個人で入手し、公開したガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿は、まさに異例中の異例だ。

SNSが暴いた「前提の脆さ」

iPhoneは“万人が知るガジェット”であるがゆえに、「常識のズレ」が見えやすい。ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿は、そのわずかな“違和感”を通じて、社会の多様な価値観や設計思想を浮き彫りにした。

SNSが優れているのは、こうした「当たり前からの逸脱」を素早く共有できる点である。そして見る側は、それを通じて自分の常識や感覚を相対化することができる。

スマホとは何か? 完成されたデバイスとはどうあるべきか?

その答えは一つではない。使用者、環境、目的によって、求められる仕様は大きく変わります。

それでもiPhoneはiPhoneか?

背面カメラがないiPhoneを、私たちは果たして“iPhone”と呼べるのだろうか?

おそらく答えはイエスである。通信ができて、アプリが動き、日常的な業務に支障がない限り、それはスマートフォンとしての役割を果たしている。カメラは機能の一部であって、“本質”ではないのかもしれない。

ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さんの投稿は、そんな問いをわれわれに静かに突きつけてくる。そして、その問いに対する答えを考える時間こそが、テクノロジーとのより健全な付き合い方を再考する機会なのかもしれない。

※サムネイル画像(Image:「ガジェットモ(@Gadgetomo_0615)さん」さん提供)

スマホライフPLUS編集部

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