ソニー「WF-1000XM5」は非常に人気の高い高性能ワイヤレスイヤホンですが、混雑した場所では音が途切れることがありました。しかし、最新のアップデートを適用すればBluetoothの接続性などが大幅に改善されるそうです。そこで今回は、WF-1000XM5ユーザーの筆者が実際にアップデートして、本当に音飛びが改善されたのか検証してみます。

【目次】
1.実は「WF-1000XM5」はBluetoothの接続性に難アリ?!
2.専用アプリ「Sound Connect」と本体のバージョンを確認しよう!
3.Bluetoothの接続性の鍵はコーデックにアリ!
4.実際に「接続優先」で音飛びは改善されたのか?
5.まとめ
実は「WF-1000XM5」はBluetoothの接続性に難アリ?!
2023年9月に発売されたワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」は、価格は4万1,800円(Amazon価格:2万9,200円)と高額なソニーのフラッグシップモデル。
隅々までしっかり聴こえる解像度の高さはもちろんのこと、高性能なANC(アクティブノイズキャンセル)に定評があります。
またイヤホンは、装着者の動きを感知して自動的に設定を変更する「アクティブサウンドコントロール」、2台の機器と同時にBluetooth接続可能な「マルチポインティング」など、ユーザーが快適に使える機能が満載されています。
ただし、Bluetoothの接続性はそこまで高くなく、電波状況が悪い交差点や混雑している駅などでは、音が途切れてしまう現象が見られました。
そのようなWF-1000XM5ですが、24年4月3日のアップデートでは、Bluetoothの接続性が大幅に改善され、今なおアップデートが重ねられています。
そこで今回は、実際に筆者のWF-1000XM5を最新版にアップデートし、実際にどのように改善されたのか確認してみましょう。
●ソニー「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM5」本体ソフトウェアアップデートのお知らせ」は→こちら

専用アプリ「Sound Connect」と本体のバージョンを確認しよう!
ソニー「WF-1000XM5」には専用アプリ「Sound Connect」が用意されています。以前は「Headphones Connect」という名称でしたが、アプリ名が変更されました(2025年7月現在)。
ANCのオン&オフ、イコライザー調整など、WF-1000XM5を使いこなすには必須のアプリであり、イヤホン本体のアップデートもこのアプリから行うことになります。
2025年7月の時点でWF-1000XM5本体のバージョンは「5.0.2」、Sound Connectアプリは「12.1.0」が最新版となっていますので、まずはそれぞれのバージョンを確認しておきましょう。
●Google Play「Sony | Sound Connect」は→こちら
●App Store「Sony | Sound Connect」は→こちら
WF-1000XM5本体のバージョンを確認する手順


Sound Connectアプリのバージョンを確認する手順


もし、イヤホン本体やアプリのバージョンが古かった場合は、まず、Sound Connectアプリを最新版にアップデートして、そのあとでWF-1000XM5本体のアップデートを行いましょう。
アップデート方法は、最初にSound Connectの「システム」から歯車アイコン(設定)をタップし、「アップデート状況」を開きます。
アップデートがある場合は自動的にソフトウェアのダウンロードが開始されるので、「開始」ボタンを押せばOKです。
ちなみに、アップデートのデータ転送中でも音楽は聴けますが、本体を充電ケースに挿入したり電源をオフにしてはいけません。ご注意ください。
なお、WF-1000XM5のアップデート方法はソニー公式サイトに詳しく紹介されていますが、筆者の場合は自動的に最新版にアップデートされていました。

●SONY「WF-1000XM5 アップデート手順(Android)」は→こちら
●SONY「WF-1000XM5 アップデート手順(iOS)」は→こちら
Bluetoothの接続性のカギはコーデックにアリ!
WF-1000XM5の音飛びを改善するには、まず使用するコーデックの違いを覚えておく必要があります。
現在、WF-1000XM5が対応するコーデックは「SBC」「AAC」「LDAC」「LC3」の4種類があります。
Sound Connectアプリでは「AAC」か「SBC」で接続されますが、LDAC(エルダック)対応のデバイスの場合はCDより高音質なハイレゾ対応の「LDAC」で接続されます。
もちろん、使用するコーデックによって送信されるデータ量も違ってきます。高音質なLDACのようなコーデックは転送データ量が大きくなるので、どうしても音飛びがしやすくなるのです。
逆に低音質のSBCやAACなら、転送データ量も少なくなるため音飛びしにくくなります。
■WF-1000XM5の対応コーデック
SBC/AAC/LC3/LDAC
【高音質】データ量多い→音が飛びやすい
【低音質】データ量少ない→音が飛びにくい
なお、Sound Connectアプリには「Bluetoothの接続品質」という項目があり、「接続優先」と「音質優先」のどちらかを選ぶことが可能です。
音質優先にすると、接続されているデバイスから自動的に最高音質のコーデックが選択され、接続優先にするとSBCやAACが優先され、音飛びしにくくなるのです。
Bluetoothの接続品質を変更する手順

ちなみに、現在はベータ版ですが、WF-1000XM5では最新コーデック「LC3」に対応する「LE Audio」が使用可能です。
LE Audioを利用するには、Sound Connectアプリから「デバイス設定」の「Bluetooth接続品質」で変更することが可能となっています。
Bluetooth接続品質では「低遅延」を選び、イヤホンとスマホを接続し直すと「LE Audio」が利用できます。
LE Audioを利用する手順

実際に「接続優先」で音飛びは改善されたのか?
筆者は普段、Androidスマホの「Xperia 5」と音楽プレイヤーIBASSO「DX160」の2つのデバイスを使用しています。
以前は、設定を「音質優先」にしても「接続優先」にしても、音飛びの頻度は同じぐらいあって、特に交通量の多い交差点で頻繁に途切れていました。
そこで、今回のアップデートでBluetooth接続性がどのように変わったのか、実際に試してみます。
最初にXperia 5で試してみると、確かにBluetoothの接続性は改善されているようです。
以前はXperia 5をズボンのポケットに入れてWF-1000XM5と接続していたとき、交通量の多い交差点ではしばしば音飛びが発生していましたが、アップデート後は音飛びがなくなり、とても快適に音楽を聴くことができました。
次に、音楽プレイヤーDX160で試してみると、こちらはBluetooth 5.0での接続のためか、以前と同じような状況で、やはり交通量の多い交差点では音飛びが発生しました。

以上の結果から、今回のアップデートではBluetooth 5.1以降の接続性が向上されたデバイスでないと、効果がハッキリ出ないのではないかと思われます。
まとめ
いかがでしょうか? 「WF-1000XM5」はソニーの技術が結集された最上位の高性能ワイヤレスイヤホンなのに、頻繁に音飛びが発生するのは残念なことでした。
しかし、今回のアップデートでBluetoothの接続性が改善され、音飛びしなくなったのは嬉しい限りです。
もし、筆者のようにWF-1000XM5を利用しているなら、今すぐBluetoothの接続性を改善するためにアップデートしておきましょう。