長時間配信を阻むカメラの熱問題
近年、動画配信や長時間撮影の需要が高まり、ミラーレス一眼カメラを配信用として使うユーザーも増えている。しかし小型化と高画質化が進んだ現行モデルには、どうしても「熱停止」という弱点がつきまとう。内部の処理が続くことで熱がこもり、一定温度を超えると警告が表示され、最悪の場合、強制停止する。
PanasonicのLUMIX S9も高性能で人気のあるカメラだが、長時間の配信となると熱問題が避けられない場面がある。冷却ファンを追加したり、外部電源を併用するといった方法が知られているが、どれもコストや取り回しに課題が残る。そんななか、Akiraxe(@akiraxe)さんが実践した「常温の保冷剤を利用する方法」が注目を集めている。

常温保冷剤をゴムで固定するだけのシンプルな工夫
Akiraxe(@akiraxe)さんが紹介した写真では、LUMIX S9の背面に保冷剤をあて、輪ゴムで固定している様子が映っている。ここでのポイントは「冷凍したものではなく、常温のままの保冷剤を使っている」点にある。
実際にこの状態で配信を行ったところ、2時間以上連続して使用しても熱警告が出ることはなかったという。保冷剤自体はほんのり温かくなる程度で、安定して放熱できた。電源を必要とせず、手軽に利用できるのは大きな魅力である。Akiraxe(@akiraxe)さんも「電源フリーで最も手軽な冷却装置。これは常備品になりそう」とコメントしている。
さらにAkiraxe(@akiraxe)さんからは重要な注意点として「冷やした保冷剤や凍らせた保冷剤を絶対に使わないように」との要望が寄せられている。冷却効果を高めようとして冷凍タイプを利用すると、結露や急激な温度変化によって機器を壊す恐れがあるからだ。あくまで「常温での使用」が前提であることを徹底する必要がある。
他社製カメラにも応用可能か?
この方法はLUMIX S9に限らず、他社の小型ミラーレス一眼やコンパクトデジタルカメラでも応用できる可能性が高い。Canon、Sony、Nikonといったメーカーの最新モデルも、筐体の小型化と高性能化によって発熱が大きくなり、長時間撮影時には熱停止に悩まされるケースがある。
特に4K以上の動画撮影や高フレームレートでの収録では、発熱は避けられない。メーカー純正の外付けファンや冷却ユニットを購入する選択肢もあるが、まずは「常温保冷剤を活用した簡易的な冷却」を試す価値は大いにあるだろう。
もちろん機種ごとにボディ形状や放熱口の位置が異なるため、設置場所には工夫が必要だ。放熱口を塞がないようにし、なおかつ結露リスクを避けるために常温のまま使用すること、この二つを守れば多くのカメラで効果を発揮できると考えられる。
コストパフォーマンスと活用可能性

常温保冷剤は通販や百円ショップでも容易に入手でき、導入コストはほとんどかからない。冷凍不要で繰り返し使えるため、予備を持てば長時間の配信にも対応できる。
ただし安全に使うためには、Akiraxe(@akiraxe)さんの言葉通り「冷凍・冷蔵した保冷剤は絶対に使わない」ことが大前提である。湿度の高い環境では、念のためカメラと保冷剤の間に薄手の布を挟んでおくと安心感が増すだろう。
特に夏場の屋外撮影や、結婚式・舞台・イベント配信のように「絶対に止められない現場」では、大きな助けとなる可能性が高い。複数の常温保冷剤を交互に使う運用をすれば、より長時間安定した撮影環境を維持できる。
まとめ
Akiraxe(@akiraxe)さんが紹介した「LUMIX S9を常温の保冷剤で冷却する方法」は、コストをかけずに効果を得られる実用的なアイデアである。電源不要で取り回しやすく、二時間を超える配信でも熱警告を回避できたという実績は、多くのユーザーにとって参考になるだろう。
ただし最も重要なのは「冷やしたり凍らせたりした保冷剤は絶対に使わないこと」。結露による故障を避けるため、必ず常温で使用することを守る必要がある。LUMIX S9ユーザーだけでなく、他社カメラ利用者にとっても試してみる価値のあるシンプルかつ安全な冷却法といえる。
SUMIZOONさん家でのLUMIX S9配信リベンジ。
— Akiraxe (@akiraxe) September 7, 2025
噂の常温保冷剤すごい。2時間超えでも警告出ず。保冷剤はほんのり暖かくなってた。電源フリーで最も手軽な冷却装置。これは常備品になりそう pic.twitter.com/dSE1Nvq6d5
※サムネイル画像(Image:「Akiraxe(@akiraxe)」さん提供)