近年、若者のテレビ離れが進んでいると言われ、スマホの普及や、SNSの発達により若者とテレビの関わり方が変化してきている。確かにYouTubeやNetflixなどテレビ以外のコンテンツも多く登場しているが、本当にZ世代はテレビを見ていないのだろうか。テテマーチが運営するサキダチラボによる「テレビ視聴に関するアンケート調査」を詳しく見てみよう。
約7割の大学生のテレビ視聴時間は週5時間未満

アンケートは2025年3月14日から15日に、全国の現役大学生・大学院生350人を対象にインターネット調査で実施された。1週間のうち、テレビを視聴している時間はどのくらいかと尋ねたところ、最も多かった回答は「5時間未満」(64.0%)だった。次に「5〜10時間未満」(18.6%)、「10~20時間未満」(8.6%)と続いた。また、「テレビをまったく見ない」という回答は5.1%のみで9割以上が1週間のうちに1度はテレビを見るようだ。
続いて、1週間のうち自由に使える時間はどのくらいかを尋ねたところ、22.0%が「5時間未満」と回答し、「5~10時間未満」(24.9%)、「10~20時間未満」(24.6%)を合わせて約7割が週に20時間未満しか自由時間がないことが分かった。大学生は自由に使える時間が少ないため、スマホで動画を見たり、趣味に使ったりとテレビ視聴以外にも時間を費やすことがあるようだ。また、人によってはテレビ視聴の優先度が低いのかもしれない。

テレビを見る理由を尋ねると、一番多かった回答は「習慣で何となくつけている」(44.9%)だった。次に「好きな番組、面白い番組があるから」(40.3%)、「推しが番組に出演しているから」(18.6%)と続いた。習慣で何となくつけている人が多い理由の1つに、実家暮らしであることが関係していることが考えられる。家庭環境によっては特に見たい番組がなくてもテレビの電源が常にオンになっているのかもしれない。
習慣的な視聴が意識づけられていることがある。一方で、好きな番組を見るためや推しを応援するためなど目的を持って視聴する人もいた。推しを応援するために出演する番組をリアルタイムで視聴、録画や配信をチェックすることもあるようだ。
人気番組の特徴は「独自性のあるバラエティ」

次に、好きなテレビ番組を尋ねると、一番人気は「水曜日のダウンタウン」、2番目は「世界の果てまでイッテQ!」、3番目は「月曜から夜ふかし」という結果だった。これらを選んだ理由に、「企画の面白さや独自性」や「現場の楽しそうな雰囲気や親近感(番組制作スタッフとの絡み)」などが挙げられた。一方で、「テレビよりもYouTubeやNetflixのコンテンツのほうが尖っていて見応えがある」という声もあり、他局のテレビ番組だけでなく、YouTubeなどと比較されているようだ。

テレビ番組の情報をどのように得ているのか尋ねると、最も多かった回答は「SNSで流れてきたり、検索して」(44.9%)と、SNSがきっかけでテレビ視聴することもあるようだ。続いて、SNSでテレビ情報を得るときに多くの人が「番組や放送局の公式アカウントの投稿」(41.7%)、「番組出演者の投稿」(34.9%)などの公式情報を見ている。また、「切り抜き動画」(28.6%)という回答もあった。短い時間に要約されているため続きが気になりテレビを視聴する人もいるようだ。
若者はテレビ離れしていると言われているが、視聴時間が減っただけでテレビを見なくなったわけでないことが分かった。またSNSや推しをきっかけにテレビを視聴する人もいる。今後も若者のテレビ視聴のきっかけ作りとしてSNSと連動したテレビ番組や推し活に特化した新たな番組が登場すると考えられる。
出典:【サキダチラボ】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています