人前でお金の話をすることは、依然としてタブー視されている日本。三井住友銀行の調査によると、20~40代の約7割は、生活をともにする家族やパートナーに貯金額を伝えていないことが判明した。詳しい調査結果を見てみよう。
自身の貯金額を家族に伝えている20~40代はわずか3割、お金に関する相談も半数以下
アンケートは2025年1月15日~16日、20~40代の男女600人を対象にインターネット調査で実施。「家族やパートナーに自身の貯金額を伝えているか」と質問したところ、最も多かった回答は「伝えていない」(67.1%)で7割弱いた。一方、「大まかに伝えている」(20.5%)、「細かく伝えている」(12.4%)と回答した人は合わせても約3割と、“伝える派”は少数であることが判明した。
次に、「貯金額に限らず、銀行口座やお金の話題について普段から家族やパートナーに相談するか」を尋ねたところ、「あまり相談しない」が19.0%、「まったく相談しない」が34.6%と、合わせて半数以上の人が「相談しない」と回答。たとえ身内でも、“お金”に関しては共有や相談をしない人が多数派であることが明らかになった。
しかし、家族の貯蓄状況を把握しないままにしておくと、「計画的に貯金ができない」といったデメリットが考えられる。家族関係にもよるが、少なくともパートナーには、貯蓄やお金の使い方などについて話し合い、擦り合わせておく方が望ましいのではないだろうか。
20~40代の現金貯金、1位「11~50万円」2位「~10万円以下」
では、20~40代はどれくらいの貯蓄をしているのだろうか。「現在の貯金額」(現金貯金のみ、外貨・証券は含まず)を尋ねたところ、最も多かった回答が「11~50万円」(15.5%)で、次いで「~10万円以下」が14.2%、「51~100万円」が12.1%と続いた。
貯蓄額のトップ3はいずれも100万円以下と、少額貯金が多かった。その要因として、働きだしたばかりの20代が回答者に含まれることや、資産を株式や外貨、証券に回し、現金保有をしていない人が一定数いることも考えられるが、やはり物価高などの影響により、厳しい経済状況の人も多いのだろう。
では、20~40代はどのような目的で貯蓄しているのだろうか。「貯金する目的」として、「いざという時の備え」が32.3%と最も多かったほか、「老後の生活費」と回答した人も18.5%いた。このことから、働き盛りにも関わらず、不測の事態や将来を見据え、堅実に貯金をしている人が半数以上いることがわかった。一方で、「特に目的はない」と回答した人が24.4%いたことから、およそ4人に1人は目的がないまま貯金をしていることも明らかに。
貯蓄する目的が明確で、かつ計画性があった方が、お金を効率的に貯めやすくなる。どのくらいの金額をいつまでに貯める必要があるのか、将来想定される出費などを調べ、一度目標を立ててみてはどうだろうか。
出典元:【株式会社三井住友銀行】
※サムネイル画像は(Image:「Olive」公式サイトより引用)