この春、新しく社会人になった人にとって楽しみなのが初給料ではないだろうか。初めてもらう給料をどう使うのか、悩ましいところではあるが、物価高騰の近頃では、生活費諸々を払ったらほとんど手元に残らない…とがっかりすることもあるかもしれない。果たして今の新社会人は、初任給をいくらもらっているのだろうか。また、2025年卒の新社会人とその他の世代とでは、いったいどれほどの違いがあるのか、その実態を見てみよう。
2025年卒の初任給額は「25万~29万円」が最多

Job総研では、2025年4月15日~4月16日、現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者の20代~50代の男女284人を対象に、「2025年 初任給実態調査」をインターネットで実施。初任給額やその額への印象、初任給の使い道を、その他の世代と比較している。
2025年卒の新社会人の男女123人に具体的な初任給額を尋ねると、「25万~29万円」が42.3%と最多だった。次いで「20万~24万円」が25.2%、「30万~34万円」が11.4%となった。一方、社会人2年目以上の161人に当時の初任給額を尋ねてみると、「20万~24万」が50.4%と約半数を占めた。続いて「15万~19万」が24.2%、「25万~29万円」が12.4%となった。2025年卒の新社会人の初任給平均額が26.6万円なのに対し、社会人2年目以上の初任給平均額は20.8万円と、その差は約6万円に及ぶことが分かった。
各世代、初任給額に対してどのような印象を持ったのかを尋ねると、2025年卒の新社会人は「高い印象を持った」という声が大多数であるのに対し、社会人2年目以上の人は「低い印象を持った」という声が大半を占め、感覚の差も見られた。
初任給の使い道は各世代とも1位が「貯金」、2位が「親へのプレゼント」

2025年卒の新社会人123人に初任給の使い道を聞くと、「貯金」が37.4%と最も多く、次いで「親へのプレゼント」が36.6%、「自分へのプレゼント・ご褒美」が25.2%となった。
では、社会人2年目以上の161人に当時の初任給の使い道を尋ねると、ここでも「貯金」が55.9%で最多となり、次いで53.4%で「親へのプレゼント」、22.4%で「自分へのプレゼント・ご褒美」となった。
同調査では、「4月は研修しかしていないのに給料をいただいて申し訳ない気持ちが強かった」という新社会人の謙虚な意見や、「初任給ばかりに目を取られて、その後の昇給率を気にしなかったのは問題だった」という社会人2年目以上の人の現実的な意見もあった。
社会人2年目以上の人の中には、20代~30代だけでなく40代~50代など、世代を超えた意見も含まれていることも念頭に置いておきたい。
時代が変わればお金の価値も変わるが、以前と比べて初任給の平均額が約6万円も上がっているのは喜ばしいことではある。ただし物価の高騰がこのまま続けば、来年度はさらに初任給をアップさせることや既存社員の給与額とのバランスを鑑みて、初任給はアップせずに手当などで補填するなど、今後も企業ごとの対応が求められるのかもしれない。
出典:【Job総研(パーソルキャリア株式会社)】
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