少額からの投資を行う人向けに2014年1月にスタートした少額投資非課税制度「NISA」。広く世間に普及している中、実際に利用している人はどんな目的で、どのぐらいの金額を投資しているのだろうか。アクシス株式会社による「積立NISAに関する意識調査」の結果を見てみよう。
投資目的は「資産形成・資産運用」「老後資金の準備」
アンケートは日本国内の積立NISAの利用経験がある20~60代の男女300人を対象に、2024年11月26日にインターネットで行われた。利用経験がある人の現在の年収については「200~400万円」が最も多く、全体の31%。次いで「200万円未満」26%、「400~600万円」26%が同率であった。投資額については年収200~400万円層が最も広範囲に投資しており、とくに「1万円未満」から「10万円以上」まで幅広く分布。一方で年収1,000万円以上の層では「5~10万円」「10万円以上」の投資が比較的多いことが判明した。年収が低い層では少額投資が多い一方で、年収が高い層では大きな投資が集中しているようだ。ところで、NISAはどんな目的で利用されているのだろうか。
どの年収層でも多かったのが「資産形成・資産運用」と「老後資金の準備」。年収800万円以内では、「子どもの教育資金の準備」「投資経験を積むため」「インフレへの対策」も目立った。年収が低い層では老後の生活を支える準備を目的にする人が多い一方で、年収が高い層では資産の効率的な運用を目的とする傾向があるようだ。
メリットは「税金がかからない」「少額から始められる」
利用している人にとって、NISAのメリットはどんな点だろうか。複数回答可で質問したアンケートで最も多かった回答が「税金がかからないため、利益がそのまま手元に残る」65%、次いで「少額からでも資産運用を始めやすい」63%、「長期運用に向いている」46%、「他の投資より安心感がある」26%、「金融商品を自由に選べる」6%であった。また、利用するうえでの課題や不安を感じる点について複数回答可で質問したアンケートでは「投資の知識が不足している」53%、「投資するための資金が不足している」34%、「どの金融商品を選べば良いかわからない」28%、「制度変更や規制がわかりにくい」25%、「利用している金融機関のサポートが不十分」7%という結果であった。
NISAを始めたきっかけについては「税制優遇が魅力的だったから」35%、「少額から始められると知ったから」31%、「長期運用が可能だと知ったから」17%、「家族や友人からの勧め」12%、「金融機関からの提案」5%であった。また、今後の利用希望を聞いたアンケートでは、89%が「利用を続けたい」と回答した。
少額から始められ、税金がかからないという面でもメリットを感じている人が多いNISA。利用したことのある人の大半が今後も利用を続けたいと回答していることからも、まだまだ伸びていきそうな勢いを感じる。投資知識や資金不足への不安が解消されれば、さらなる利用拡大が期待できそうだ。
出典元:【アクシス株式会社】
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