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Amazon Echo『Alexa』の利用は安全? スマートスピーカーの利用リスクとは

スマートスピーカー「Amazon Echo」に搭載されていることで有名な、Amazonの音声認識サービス『Alexa』。自宅に「Amazon Echo」を設置していれば、『Alexa』に呼びかけるだけでさまざまな回答を得ることができます。

筆者も自宅に「Amazon Echo」を設置しており、その日の気温を聞いたり、家事の際に音楽を流してもらっています。しかしよくよく考えると『Alexa』は「音声認識サービス」であり、Alexaを通じて利用者の日常的な会話データなどを収集している可能性もあります。

今回は『Alexa』の利用は安全なのか、スマートスピーカーの利用リスクについて解説します。

Amazon Echo『Alexa』の基本機能と利便性について

Amazon Echo『Alexa』の利用は安全? スマートスピーカーの利用リスクとはの画像1
Amazon Echo(Image:Jossfoto / Shutterstock.com)
この記事の画像(3枚)

Amazon Echo『Alexa』は、音声認識技術を活用したスマートスピーカーです。たとえば、天気予報の確認、音楽の再生、タイマーの設定、スマートホームデバイスの操作など、多岐にわたる機能を備えています。

ユーザーが「アレクサ」と発声することで、デバイスが音声コマンドを受け付け、ユーザーの指示に従って動作するのが最大の特徴であり、筆者自身もたとえば料理中に手が汚れている際のタイマーのセットなどの用途でよくAlexaを活用しています。

Amazon Echo『Alexa』を利用するリスク

一方、『Alexa』の利便性の裏には、プライバシーやセキュリティに関するリスクがあります。たとえばAlexaはウェイクワード(※スマートスピーカーを起動するための音声コマンド)を検出した際に録音を開始しますが、類似した音に誤反応し、意図しない録音が行われる可能性は否定できないでしょう。

この可能性によるリスクは以下の通りです。
・生成AIとの関係
・過去のプライバシー侵害事例
・音声録音の従業員による利用

Amazon Echo『Alexa』を利用するリスク1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

『Alexa』と生成AIの関係について

まず1つ目のリスクは「生成AIとの関係」です。

Amazonは2025年2月に生成AIを使った「Alexa+」を発表しています。このことは「Alexa+」の能力向上のために生成AIが用いられ、Alexaへの音声指示をAmazonのクラウドに送らないという選択肢がなくなったことを意味します。

つまりユーザーがAlexaに対して行った音声指示が、今後は自動的にAmazonのクラウドに保存されてしまいます。この点についてプライバシー問題を感じ取る方は、筆者に限らず多いでしょう。

自宅で行ったAlexaとの個人的な会話が巨大企業の音声AIの能力向上に使われるのは、気分が悪いと思う方は少なくないのではないでしょうか。生成AIが普及した世におけるスマートスピーカーは、従来のスマートスピーカーとはやや色合いが変わり「会話データを提供する代わりに機能向上したAIを使うか」「スマートスピーカーを使わないか」の選択が必要な存在になりつつあります。

Amazon Echo『Alexa』のプライバシー侵害事例について

Amazon Echo『Alexa』の利用において、プライバシー侵害に関する事例も報告されています。たとえばAmazonは、Alexaを通じて収集した子供の音声データを、保護者が削除した後も数年間保存し、アルゴリズム改良に使用していました。この行為は、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反するとして、2023年、米連邦取引委員会(FTC)から約35億円の罰金が科せられています。

従業員が音声録音を聞いていた事例も

Bloombergは2019年、Amazonの従業員がAlexaとユーザーのやりとりを従業員が聞いていたことを報道。「話せば話すほど語彙が増える」「ユーザーの好みに近づいて使いやすくなっていく」がAlexaの売りのひとつでしたが、実際にはユーザーの音声とAlexaの応答音声を従業員が聞いて、調整や修正を行っていたとのこと。

Bloombergが実際に音声を聞いていたというAmazonの従業員によると、非常にプライベートな音声も混じっていたとのこと。「おもしろい音声」が音声レビューに関わる従業員の間でファイル共有されていたという疑惑も報じられており、プライバシーの懸念が取り沙汰されました。

Amazon Echo『Alexa』のセキュリティ対策

Amazon Echo『Alexa』をユーザー側でできる範囲の工夫の範疇で安全に利用するためには、以下のセキュリティ対策を講じることが重要です。一方でこれらの対策が「AmazonによるAlexaのデータを用いた生成AIの学習に対しても有効かどうか」「従業員が音声録音を聞くことも想定したうえでのプライバシー保護に有効か」というと不十分な側面も否めないかもしれません。

以下の対策で不十分な場合は、スマートスピーカーが生活の必需品でないならば利用を取りやめるのも一案かもしれません。

アクセス管理の強化

複雑なパスワードの設定や二要素認証の有効化により、不正アクセスを防止します。また、使用しないアカウントの削除やパスワードの定期的な変更も有効です。

 Alexaに録音の削除を指示する

『Alexa』の音声を定期的に削除するのもひとつの手です。

まずは『Alexa』アプリから、「その他」→「Alexaプライバシー」→「Alexaデータを管理する」で、音声での削除をオンにしておきましょう。

Alexaに録音の削除を命じる1
(画像は「Amazon」より引用)

上記の設定を行ったあと、定期的に『Alexa』に対し、「いまの発言を削除して」「これまでの音声履歴をすべて削除して」と呼びかければ、音声履歴を削除することができます。

機密性の高い会話の際はマイクをオフにする

機密性の高い会話を行う際は、マイクを物理的に塞ぐようにしましょう。また、カメラ搭載機種(Echo Showなど)を使用している場合は、カメラレンズをカバーで遮蔽してしまうこともおすすめします。

※サムネイル画像(Image:Jossfoto / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

スマホライフPLUS編集部

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