2025年10月14日でサポートが終了される予定だったWindows 10ですが、2025年6月24日にはMicrosoftが個人向けにセキュリティ更新プログラムを1年間無料で提供すると発表しました。これによって、実質1年サポート期間が延長されますが、実はこれ、手放しで喜べない意外な罠が潜んでいるのです……。

Windows 10のサポートを1年間無料で延長するには条件があった!
皆さんご存じのとおり、Windows 10は2025年10月14日でサポートが終了する予定だったのですが、2025年6月24日にMicrosoftが急遽サポートを実質1年間延長すると発表しました。
そもそもMicrosoftでは、Windows 10のサポート終了の救済措置として、個人ユーザー向けに年額30ドル(約4,350円)で「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」を提供すると発表していたのです。
こちらは、最大2028年10月まで利用可能ですが、サポート内容は“重要なセキュリティ更新プログラム”のみであり、機能アップデートなどは提供されません。
今回は、この有料版ESUを2025年10月15日~2026年10月13日まで1年間無料で提供すると発表したというわけです。
このニュースは今でもWindows 10を使い続けているユーザーにとっては朗報と言えるでしょう。しかし、実は、無料版ESUを利用するには条件があり、その内容をよく見ると、必ずしも手放しでは喜べない罠が潜んでいるのです。
●Microsoft「Windows 10の拡張セキュリティ Updates (ESU) プログラム」は→こちら(英語)

無料版ESUの利用にはMicrosoftの「OneDrive」を使うのが条件だった!
Windows 10のサポートを延長できる無料版ESUは、2025年7月から取得可能になる見込みです。
利用方法は、Windows 10に登録ウィザードが追加されるので、オプションを選択すれば、自分のパソコンが自動的に登録されるようです。ただし、この無償ESUを利用するには条件があります。
まず、Microsoftアカウントでパソコンの設定をMicrosoftのクラウドサービス「OneDrive」でバックアップすること。
次に、ローカルアカウントではなく管理者アカウントでサインインしており、パソコンはWindows 10(22H2)にアップデートしている必要があります。
そもそも、OneDriveはMicrosoftアカウントを持っていれば誰でも無料で5GBまで使えますが、バックアップ容量が5GBを超える場合は、容量を追加購入する必要がある点は要注意。
Windows 10ユーザーのなかには、パソコンの動作が重くなるのを避けるために、普段はOneDriveを使っていない、あるいはローカルアカウントのまま使っている人もいるでしょうから、やや面倒に感じる人も多いでしょう。
もちろん、容量が5GBで足りない場合は有料版OneDriveを利用することになります。もっとも安い100GBの「Microsoft 365 Basic」プランは月額260円(年額2,440円)ですので、有料版ESUよりは安くなりますが、結局は、無料ではなくなってしまうのがモヤモヤしますよね。
●Microsoft OneDrive「クラウド ストレージの価格とプランの比較」は→こちら

もうひとつの方法は、Microsoft Rewards1,000ポイントで利用権を引き換えること。
「Microsoft Rewardsって何?」と思った人も多いでしょうが、これはMicrosoftのポイント制度。たとえば、パソコンやモバイルデバイスで「Bing」を使って検索するごとに3ポイント獲得(1日最大30ポイント)できるので、1カ月ちょっとBingを使えば1,000ポイントを貯めることが可能です。
しかし、現状では多くの人がGoogleで検索していると思うので、わざわざBingに切り替えてWeb検索するのは、少し抵抗があるかもしれませんね。
●Microsoft「Rewards」は→こちら

まとめ
いかがでしょうか? 今回はWindows 10のサポートが実質無料で1年間延長されるというニュースをお伝えしました。
しかし、条件をよく見てみるとOneDriveを利用しないといけなかったり、Microsoft Rewardsを1,000ポイントほど貯めるといった条件があって、決して手放しで喜べるものではありません。
これらの条件が面倒だと感じる人は、有料版ESUのサポートを契約するか、この際、素直にWindows 11対応パソコンに乗り換えたほうが無難でしょう。
※サムネイル画像(Image:IB Photography / Shutterstock.com)