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パソコンの「シャットダウン」は不要?電源はスリープ・休止状態だけで本当に大丈夫か

パソコンの「シャットダウン」は不要?電源はスリープ・休止状態だけで本当に大丈夫か1
(画像は「photoAC」より)
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ノートパソコンやタブレットを使っていると、「電源ボタンを押すだけ、カバーを閉じるだけで作業を中断・再開できる手軽さ」が当たり前になっていませんか?

なお筆者自身も普段使っているノートパソコンで作業を終えるとき、画面だけを閉じており、シャットダウンの習慣がいつのまにかなくなってしまいました。

一方で長期間シャットダウンしないことに対して、「何となくパソコンの調子が悪くなりそう」「セキュリティは大丈夫?」といった漠然とした不安を感じる人もいるのでは。

パソコンのシャットダウンはスリープ・休止が定着した現在、「不要」なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

電源の「シャットダウン」「スリープ・休止」の違いとは

パソコンの電源管理には「シャットダウン」「スリープ」「休止状態」という三つの方法があります。

電源の「シャットダウン」「スリープ・休止」の違いとは1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

シャットダウンは、パソコンの全ての動作を停止し、完全に電源を切る操作。作業中のデータは保存され、メモリの内容も消去されます。再び使う際には、電源を入れ直してシステムを最初から起動する必要があります。

一方、スリープは作業中のデータをメモリ上に保持したまま、消費電力を抑えて一時停止する状態です。キーボードやマウスの操作ですぐに作業を再開できるのが特徴ですが、わずかに電力を消費し続けます。

休止状態は、メモリの内容をストレージ(HDDやSSD)に保存し、電源を完全に切る機能です。スリープよりも復帰に時間がかかりますが、停電などで電源が途絶えても作業状態を復元できます。

なぜ「シャットダウン不要論」は危険なのか?

スリープや休止状態の利便性は否定できません。しかし、「シャットダウンはほとんど必要ない」という考え方には、見過ごせないデメリットが潜んでいます。シャットダウンを行わないことで、見えないところでシステムは悲鳴を上げているかもしれません。

メモリ(RAM)のリフレッシュ不足とシステムの不安定化

メモリ(RAM)のリフレッシュ不足とシステムの不安定化1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

スリープや休止状態では、メモリ上のデータは基本的に保持されたままです。シャットダウン時のように完全にクリアされるわけではないため、長期間使用し続けると、不要になったデータやプログラムの断片がメモリ内に蓄積されていくことがあります。

これにより、メモリの空き容量が実質的に減少し、新たなアプリケーションの動作が遅くなったり、ソフトウェア同士が予期せぬ形で競合したりする可能性があります。結果として、パソコン全体の動作が遅延する、特定のアプリケーションが頻繁にフリーズする、あるいは予期せぬエラーメッセージが表示されるなど、システムの不安定化につながる可能性があります。

バックグラウンドプロセスやドライバーの不調にもつながる

バックグラウンドプロセスやドライバーの不調にも繋がる1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

パソコンのOSは、ユーザーが直接操作していない間にも、多くのバックグラウンドプロセス(システム維持、通知、同期など、目に見えないところで動作しているプログラム)を実行しています。長期間シャットダウンせずにいると、これらのプロセスが正常に終了・再開されず、リソース(CPUパワーやメモリ)を無駄に消費し続けたり、予期せぬ動作不良を引き起こしたりすることがあります。同様に、プリンター、外部モニター、マウス、キーボードといった周辺機器を制御するためのデバイスドライバーも、長時間連続稼働することで不安定になることがあります。

これらの問題の多くは、システムを再起動することでドライバーがリセットされ、解消されることが期待できます。

「定期的なシャットダウン」はPCの健康診断

たとえ日常的にスリープや休止状態を多用する場合でも、最低でも週に1回程度はパソコンをシャットダウン(または再起動)することを強く推奨します。これを「PCの定期健康診断」と考えるといいかもしれません。

バックグラウンドプロセスやドライバーの不調にも繋がる1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

長期間蓄積された不要なデータや断片化されたメモリ領域をクリアし、システムの応答性を改善させる効果がまず見込めます。

また再起動を必要とするセキュリティパッチやシステムアップデートを確実に適用し、セキュリティを維持することも可能となります。

「シャットダウン」「スリープ・休止」を使い分けるには?

短時間席を離れるだけならスリープ、数時間から1日程度使わない場合は休止状態、数日以上使用しない場合やシステムの不調を感じたときはシャットダウンを選ぶなど、それぞれを使い分けることをおすすめします。

スリープや休止状態は、パソコンを利用する際に非常に便利で、作業効率を大幅に向上させてくれます。しかし、便利だからといって長期間シャットダウンを怠ると、メモリのリフレッシュ不足によるシステムの不安定化、ソフトウェアアップデートの遅延によるセキュリティリスクの増大、原因不明のパフォーマンス低下など、目に見えないところでさまざまなデメリットが蓄積していく可能性があります。

定期的なシャットダウン(または再起動)は、決して時代遅れの習慣ではなく、パソコンを安定して快適に、そして安全に使い続けるための重要なメンテナンス作業と位置づけるべきです。それは、人間が定期的に健康診断を受けるのと同じように、PCの健康状態を保つための基本的なケアと言えるでしょう。

※サムネイル画像は(Image:​「photoAC」より)

スマホライフPLUS編集部

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