画像や文章など生成AIで手軽に作成できるようになり、最近では企業のホームページやSNSアカウントでも活用される場面が増えてきた。便利さが注目される一方で、果たしてその利用に不安を感じることはないのだろうか。今回は、生成AIに対する不安について行った調査結果を紹介しよう。

若年層や男性の方が生成AIに「不安を感じている」割合が高い傾向

モバイル社会研究所は、2025年2月、全国の15歳~69歳男女7527人を対象に「2025年 生成AI利用意識・行動調査」を実施した。「生成AIに対する不安度」を尋ねたところ、全体で最も多かったのは「やや不安を感じている(22%)」、次いで「あまり不安を感じていない(15%)」、「不安を感じている(7%)」だった。

性別ごとに見ると、男性の方が「不安を感じている」「やや不安を感じている」割合が高い結果に。女性の62%は「名前は聞いたことがあるが、どのようなものか知らない・聞いたことがない」と回答していた。
また、年代別に見ると、若年層や男性の方が「不安を感じている」「やや不安を感じている」割合が高い傾向で、特に10代は半数が不安を感じていた。一方で、不安度の割合が最も低いのは女性60代で、約20%だった。
生成AIへの不安のトップは「フェイクコンテンツが出回りそう」

若年層の方が生成AIに「不安を感じている」割合が高いことがわかったが、具体的にはどのような点に不安を抱いているのだろうか。
生成AIに「不安を感じている」「やや不安を感じている」と回答した人を対象に、その内容を尋ねたところ、最も多かったのは「フェイクコンテンツが出回りそう(61%)」だった。画像や文章が簡単に生成できるようになったことで、誤った情報が拡散されるだけでなく、その被害の対象が自分自身に及ぶ可能性があることへの懸念が背景にあると考えられる。次いで多かったのは、「思考力や学力の低下を招きそう(48%)」、「情報漏洩のリスクがありそう(45%)」だった。
性年代別で見ると、特に男性60代と女性50代では、約7割が「フェイクコンテンツが出回りそう」に対して不安を感じており、高い割合を示している。また、「人間の仕事が奪われるリスク」については、男性20代・50代、女性40代~50代の約4割が懸念を示しており、中でも10代女性では約6割と非常に高い傾向が見られた。
今後、生成AIを使いこなす必要性は若年層を中心に高まると考えられる。そのため企業には、活用時のリスクや注意点について学べる機会を積極的に提供することが求められる。
出典:【モバイル社会研究所】
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