業務の品質向上や生産性向上に役立つ生成AIだが、学生の間でも活用の場が広がっているという。産業能率大学総合研究所は「2025年度 新入社員の会社生活調査(生成AI活用意識編)」を発表。今年の新入社員が、これまで生成AIをどのような目的で活用したか、就職活動での活用経験はあるかといった実態、そして今後の業務での活用意向について調査しました。その結果を見ていきましょう。

生成AIの活用用途、最多は「検索や情報収集」53.9%

産業能率大学総合研究所は、2025年3月26日~4月10日、2025年度の新入社員369人を対象に、生成AIに対する意識についてのアンケートを実施した。
生成AIを活用した経験があるかと尋ねると、「特に活用した経験はない」が21.7%にとどまり、約8割が生成AIの活用経験を持っていました。用途は「検索や情報収集」が最も多く53.9%、次いで「学習や研究」が39.8%、「文章作成」が30.6%、「趣味や創作活動」が18.2%、「プログラミング」が16.0%という結果に。いずれの項目も、前年より割合が増加していることが分かります。入社時点で生成AIの活用経験を持つ人が1年間で大幅に増えたことが明らかになりました。
3人に1人強が就職活動で生成AIを活用

続いて就職活動において生成AIを活用したかと尋ねると、「特に活用しなかった」と回答した人が63.1%で前年の85.6%よりも22.5ポイント減少。活用した人の用途は「エントリーシートや履歴書の作成支援」が22.0%、「面接準備や模擬面接」が12.7%、「企業情報の収集や研究」が12.5%と、いずれの項目も前年より上回り、3人に1人強が就職活動で活用していることが判明した。就職活動における生成AIの活用は広がりつつありますが、一定のハードルが残っており、あくまで補助的な利用に留まっていると推測されます。
業務における生成AIの活用、9割以上が前向き

今後、仕事において生成AIをどのように活用したいかと尋ねると、「業務のサポートとして活用したい」が42.0%で最も多く、前年より11.4ポイント増加した。一方、昨年最も多かった「必要に応じて活用を検討する」は40.5%から29.5%と11.0ポイント減少。また、「積極的に活用して効率化や新しい価値を生み出したい」は20.9%となり、昨年より5.3ポイント増加した。全体的に見ると、9割以上の新入社員が業務で生成AIを活用したいと考えていることがうかがえます。仕事から趣味まで身近になった生成AIは、今後あらゆるシーンでますます活用の場が広がっていくと予測される。生成AIを使いこなす能力が、スキルのひとつとして評価されるようになるかもしれません。
出典:【産業能率大学 総合研究所】
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