ChatGPTやGeminiなどの生成AIが登場し、AI検索の活用が仕事の能率を大きく左右する時代になりました。働く現場において上司とやりとりをするなかで、AIへの認識の違いを感じる場面は増えているのではないでしょうか。長年GoogleやYahoo!などの従来の検索に親しんできた60代は、AI検索をどのように認識し、どれくらい取り入れているのでしょうか。その現状を知ることで、職場でのコミュニケーションのあり方を見直すきっかけにしましょう。

AI検索の利用経験が信頼性への印象を変える

ランクエストは2025年7月、60代男女100名を対象にアンケートを実施。従来型検索とAI検索の使い分け実態を調査した。
情報検索の際に、従来型検索エンジン(GoogleやYahoo!等)とAI検索(ChatGPTやGemini等)をどのように使い分けているか尋ねたところ、76%が『ほぼ従来の検索エンジンのみ』と回答し、最多となりました。従来の検索に対する信頼性の高さが表れる結果となった。一方で、「従来型が主でAI検索は補助的に使う」と答えた人は17%で、2番目に多い結果となりました。変化を柔軟に取り入れようとする層が一定数いることが分かります。

従来型検索エンジンとAI検索、どちらが信頼できるかの調査では、「従来型検索の方が信頼できる」が39%と最も多く、長年親しんだ検索手法への安心感がうかがえた。次いで、「わからない/判断できない」が26%、「どちらも同程度に信頼できる」が24%という結果からは、AI検索の信頼性についてはまだ評価が分かれており、利用経験の有無が印象に大きく影響している可能性がある。「AI検索の方が信頼できる」は4%と少数にとどまったものの、今後の利用拡大や経験の蓄積によって、評価が変わっていくことはあると考えられます。
60代は半数がAI検索を「特に利用していない」

AI検索の活用場面についての調査では、「特に利用しない」が54%と最も多い結果となりました。半数を超える人がAIを検索用途に取り入れていない実態が明らかとなり、まだ普及途上にあるようだ。新しい技術に対する不安感や必要性の実感が乏しいことが理由として挙げられるほか、従来の検索で十分に目的が果たせている層にとっては、わざわざ新しいサービスを使う必然性が低いという事情も考えられます。
一方で、「用語や意味の確認」は25%、「専門分野や複雑な情報の解説」は21%と、知識の補完や理解を深める場面で活用する層が一定数見られた。「アイデアや文章作成支援」と「情報源や信憑性の確認」はいずれも8%、「個人的な相談やアドバイス」は4%にとどまり、創造的な作業や個別性の高い相談、また回答の裏付けを求めるような用途での利用は、まだ限定的のようです。
調査を通し、60代にとってAI検索はまだ身近な存在とは言い難く、特に創造的な内容においては、認識のギャップが生じる可能性が高いでしょう。職場でAI検索を積極的に活用していきたいなら、まずは日々のやりとりのなかで、検索の仕方や活用例を共有する小さなアクションが、世代の壁を越えてAIを活かす第一歩になるかもしれません。
出典元:【4,300社以上のSEO支援実績を誇るランクエスト 1 / 2】
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)