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Googleマップがあればカーナビは不要? それでも専用カーナビが選ばれる理由とは

長く乗っている車や中古車ではカーナビの地図データが古く、新しい道をナビできず「カーナビとしてまともに機能しない」というケースもあるでしょう。カーナビの地図更新は更新料が必要なことも多く「本当にカーナビは必要なのか?」「Googleマップで代用できないのか」疑問を持つ人も少なくありません。

2018年から「3分の2」に販売台数が急減したカーナビ市場1
(画像は「photoAC」より)
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この記事では、カーナビ市場の現状を踏まえつつ、カーナビが必要とされる理由について詳しく解説していきます。

【2018年から50%減】販売台数が急減したカーナビ市場

カーナビの販売台数は2018年以降、大きく減少傾向にあります。この背景には自粛生活を強いられたコロナ禍や、Googleマップなどの無料地図アプリの台頭があります。実際、電子情報技術産業協会(JEITA)の統計を見てみると、2024年のカーナビの出荷台数は約298万台。たとえば2018年には約614万台が出荷されており、約51%の減少です。

Googleマップなどの地図アプリが台頭したことを受け、たとえばパナソニックオートモーティブシステムズでインフォテインメントシステムズ事業部コネクテッドモビリティプロダクツビジネスユニット市販事業統括を務める渡邉洋氏は2024年9月に会見で今後のカーナビ事業について「いたずらに台数を追うのではなく、着実にユーザー価値を高め、単価を維持、または向上させる」と述べました。カーナビ事業が新たなフェーズに入ったと捉えることができます。

「IVI(In-Vehicle Infotainment)」システムへの代替が進む可能性も

市販カーナビは「ナビ」としての機能に加え、ディスプレイオーディオとしての一面もあります。言い換えると、ナビの機能が不要であれば、ディスプレイオーディオ単体で十分といえるでしょう。

たとえば「普段は近所のスーパーに車で買い物に行くだけ」「都市部に出かける際は電車で移動する」といった地方の方の場合、地図が必要な場合はマップアプリを使用すれば十分という面もあるでしょう。

「IVI(In-Vehicle Infotainment)」システムへの代替が進む可能性も1
(画像はスマホライフPLUS編集部撮影)

自動車業界では、従来のカーナビに代わって「IVI(In-Vehicle Infotainment)」システムの導入が急速に進んでいます。IVIは、ナビゲーション機能だけでなく、音楽や動画の再生、インターネット接続など、さまざまな情報・娯楽機能を一体化しており、スマホとの連携も簡単です。

「IVI(In-Vehicle Infotainment)」システムへの代替が進む可能性も2
(画像はスマホライフPLUS編集部撮影)

たとえばGoogleは2017年に車載器向けの「Android Automotive OS」(AAOS)というOSをリリース。ホンダの新型「アコード」に搭載されたほか、ボルボ・カーズ、シボレーなど、主要メーカーがAndroid Automotive OSを相次いで採用しています。

FORTUNEによると、自動車用オペレーティングシステム市場は2022年時点で約61億米ドル、2030年には約106億5,000万米ドルまで成長すると予測されています。

そもそも「Googleマップがあれば、カーナビはもう不要」?

先にも述べた通り、「普段は近所のスーパーに車で買い物に行く程度」という地方の方の場合、カーナビのマップ機能の恩恵をそれほど受けていないと言えるでしょう。少し遠出をする場合は、Googleマップをカーナビ代わりに利用すれば十分という場合も少なくないのでは。

では「Googleマップがあれば、カーナビはもう不要」なのでしょうか? 結論から言えば、Googleマップは「カーナビに特化したアプリではない」という点で、カーナビとして使うには難点もあります。

そもそも「Googleマップがあれば、カーナビはもう不要」?1
moviLinkとGoogleマップを比較

たとえばトヨタのカーナビアプリ「moviLink(モビリンク)」と比べてみると、その差は一目瞭然となります。同じ目的地を設定してもGoogleアプリは「より早い」道を優先的に案内してくれますが、裏道や狭い道がルートに入っていることもしばしば。一方、「moviLink」は「車が通りやすい広い道」を優先して案内してくれる傾向にあります。

また、そもそも目的地の到着点も、「moviLink」は駐車場入り口になっていますが、Googleマップは駐車場ゲートの先になっているため、いざ到着してから迷ってしまう心配もあるでしょう。

マップそのものも見にくく、助手席の人が運転に疎い場合、正確にサポートできない可能性もあります。

そのため、ナビゲーション機能を考えたときにはカーナビに一定の優位性があると言えます。カーナビ代わりにマップアプリを利用したい場合は、トヨタ「movilink」や「Yahoo!カーナビ」のようにカーナビに特化したアプリを利用することも検討すると良いでしょう。

なお、Google マップは2024年11月にGeminiとの連携を開始していますが、日本では2025年10月時点で未対応。一方、そう遠くないうちに日本でも連携が始まると見られており、Googleマップの優位性が上がる可能性もあります。

「カーナビならでは」のマップアプリに対する強み

Googleマップなどのスマホアプリにはないカーナビの独自の強みとして、 安定した自車位置の測定とナビゲーション機能とTVチューナーやCDドライブ・DVDドライブの内蔵が挙げられます。

TVチューナーやCDドライブ・DVDドライブの内蔵も時には便利

多くの機種にはTVチューナーやCDドライブ、DVDドライブが内蔵されており、長距離ドライブ時の娯楽として便利。こうした機能は通信環境に依存せず使用できるという点でもスマホにはないメリットと言えます。

安定した自車位置の測定とナビゲーション機能

何よりカーナビの最大の強みは、安定した自車位置の測定とナビゲーション機能。カーナビは車速パルスやジャイロセンサーを利用し、トンネルや高層ビル街でも正確に自車位置を把握できます。専用機器ならではの大画面表示で見やすく、運転中も操作がしやすいのが利点です。また、車載専用機器であるため、スマートフォンよりも大きな画面で見やすく、運転中の操作も簡単です。さらに、一部のカーナビでは、ETCやVICS(道路交通情報通信システム)との連携も可能で、よりきめ細かな経路案内を受けられるでしょう。

Googleマップや各種カーナビアプリがETC、VICSなどと連携可能となり、なおかつGPSが届きにくい場所でも位置情報の正確さをキープできるようになった場合は、カーナビの存在意義が薄れるでしょう。一方で「安定した自車位置測定」「ETCやVICSとの連携」などの面では、現状のカーナビアプリにはまだ課題が残ります。

マップアプリがカーナビの代わりとして役立つ場面も増えてはいますが、マップアプリが「カーナビの完全な代替となる」にはまだもう少し時間がかかりそうです。

※サムネイル画像は(Image:​「photoAC」より)

スマホライフPLUS編集部

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