「ChatGPT」や「Google Gemini」など、生成AI機能が急速に普及している現代。メールサービスにも生成AI機能が導入されているが、実際にどの程度の人が活用しているのだろうか。株式会社ベンチマークジャパンは、GmailとOutlookに搭載された生成AI機能の認知度や活用状況を明らかにするため、「業務におけるメールソフト(Gmail・Outlook)の生成AI機能利用状況調査 2025年度版」を実施した。メールサービスにおける生成AI利用実態について見ていこう。

Gmailユーザーの方が生成AI利用率が高いことが明らかに

今回の調査によると、GmailとOutlookの利用率はほぼ同程度であることが判明した。一方で、生成AI機能の利用状況を比較すると、Gmailが47.8%と半数近くに上るのに対し、Outlookは27.9%にとどまり、サービスによって利用傾向が大きく異なることがわかった。

逆に、生成AI機能を使わない人の理由を見てみると、「使い方が分からない」「メリットを感じない」「自分の言葉で書きたい」といった回答が多く、セキュリティを心配する声も挙がった。

さらに、生成AI機能の具体的な利用内容を見てみると、Gmailは「メールの要約」「返信文の自動生成」「過去のメールから情報を検索」が多く、Outlookでは「メール下書きの自動生成」「スレッドの要約」が多いことが判明し、要約や文章生成機能が、メール業務において非常に有用であることが明らかになった。メールサービスによって、生成AI機能の活用度に明確な差が見られる結果となった。
メールサービスで生成AIを使うメリットは「確認効率の向上」

生成AIを使うメリットについても回答を見てみると、メールにおいて「確認・返信の効率」が上がったという回答が半数前後にのぼった。メールはビジネスシーンにおいて利用頻度の高いサービスであるため、確認や返信がスムーズになると一気に楽になると言える。

一方、生成AI機能で困った点、不便な点についても回答を見てみると、Gmailユーザーは「セキュリティ面の心配」「正確性に不満」といった声が多く挙がり、Outlookユーザーからは「正確性に不満」「意図と合わない」が多く挙がった。関連し、受信側が生成AIで作成したメールに気づくかについて尋ねたところ、4割弱は気づかれているという。気づいた時の印象に関しては「ネガティブな印象を受ける」という人は3割強ほど存在し、「ポジティブな印象を受ける」という人は3割弱と判明したため、あまり利用を億劫に感じる必要はないと言える
メール確認や作成において生成AI機能を活用すれば、業務効率化が図れるのは確かだ。今後は、ユーザーからの信頼獲得に向けて、正確性やセキュリティの強化が求められるだろう。
出典:【株式会社ベンチマークジャパン】
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