パソコン選びにおいて「高価格帯のノートPC」と言えば、MacBook Proや、DELLやHPのハイエンドモデルを思い浮かべる方も多いでしょう。
こうしたハイエンドモデルと並び、特にビジネスパーソンの間で愛され続けているのが国産PCである「レッツノート」。レッツノートは一部モデルでは約40万円の価格帯で販売されています。
国産PC「レッツノート」の数十万円という価格帯は、本当に「高すぎる」のでしょうか。今回はレッツノートが高価格帯でありながら、定番モデルとして定着している理由をご紹介します。
貴重な国産PCとしての「レッツノート」
まずパナソニックが手掛ける「レッツノート」には、貴重な国産PCという一面があります。
かつては少なくない日本企業がPCを生産していました。しかし、たとえばDynabookシリーズを手掛けるシャープはすでに台湾企業の傘下。LIFEBOOKシリーズを出していた富士通もPC事業を中国のLenovoとの合弁会社として再スタートさせています。
つまり「日本企業が手掛けるPC」は、従来と比較して非常に減っているのが現状です。
そういった状況で、希少性が際立つパソコンブランドがパナソニックの「レッツノート」。海外工場に委託することなく、神戸の工場で製造を行っており、貴重な国産PCのひとつと言えます。
レッツノートは高すぎる?
レッツノートはエントリーモデルでも20万円程度、上位モデルになると30万円を超えるものも珍しくありません。
さらにカスタマイズレッツノートの一つで、プレミアムモデルである「レッツノートSR4」は約40万円。並みのデスクトップPCよりも高価格となっています。
レッツノートの価格帯は、一般的なノートPCと比較すると確かに高価格。実際SNSにも「レッツノートなんでこんな高いんだ」「レッツノート高いんだよなぁ」といったぼやきが聞かれています。
レッツノートが「高価格ながら定番モデルで在り続ける」魅力
では、高価格であってもレッツノートが多くのビジネスユーザーや個人ユーザーから支持を集めている理由は何なのでしょうか?
その理由を、いくつかご紹介します。
貴重な純国産PCである
先述した通り、レッツノートの魅力の一つは「国産」という点です。設計から製造まで日本国内で行われており、日本ならではの高い品質管理が行われているデバイスです。また「日本でノートパソコンを使うユーザー」のニーズを深く理解した設計思想が随所に反映されており、日本のビジネスシーンに最適化された製品だと言えます。
バッテリーが着脱式
先に述べた「日本でノートパソコンを使うユーザーのニーズを理解した設計思想」が強く反映されている仕様には、まずバッテリーが着脱式であることが挙げられます。
レッツノートのバッテリーは工具無しで簡単に交換でき、バッテリー寿命が近づいてきた場合は交換すればさらに長く使うことができます。たとえば出張時などにもバッテリーパックを一個予備で持ち歩けば電源不要で長く使うことができるでしょう。また、バッテリーを交換しながら使えば5年~10年以上、一台の端末を使うのも決して不可能ではありません。
よってレッツノートが高価格帯なのは、バッテリーを交換しながら使うことを想定したうえで、5年~10年先でも一定の動作が見込める程度のメモリ性能やCPU性能があるためとも言えます。
軽いうえに堅牢性に優れる
加えてレッツノートの特筆すべき特徴として、軽量性と堅牢性の両立が挙げられます。多くのモデルが1kg前後という軽さを実現しながら、マグネシウム合金のボディや独自の設計により高い耐久性を備えています。
こうした堅牢性に関する特徴は、天板のボンネット構造にも表れています。天板に凹凸を設けることで、薄くて軽い天板でも高い強度を実現しています。
丸いタッチパッドの操作性が優れている
レッツノートの特徴的な外観の一つが「丸いタッチパッド(ホイールパッド)」で、その操作性の良さもユーザーの支持を集めています。レッツノートのホイールパッドは円を描くように指をスライドするだけで、スクロールできるのが最大の強みです。一般的なタッチパッドでは指を2本使う操作が、一本の指で円を描くだけで簡単にできます。
またホイールパッドの円の外周にわずかな高低差があるリングが設置されているのも魅力的です。このリングがあることでキーボード入力時に誤ってタッチパッドに触れてしまったり、他の操作をしているときに指がタッチパッドに触れてスクロールされてしまうということを防いでいます。
総じてレッツノートは確かに高価格帯ではありますが、バッテリー着脱式のため、バッテリーを交換しながら端末を使うことで、長期間の使用も十分可能です。
加えて軽量なうえに頑丈でもあり、故障リスクは比較的小さめ。またレッツノートならではの独特なタッチパッドの操作性は、一度体験すると「普通のタッチパッド」になかなか戻れない魅力があります。
仮にPCを2年~3年おきに買い替えたり、自作PCを組み、CPUやGPUを定期的に新調している方にとっては「着脱式バッテリーの強みを生かし、ハイエンドのノートパソコンを5年以上使う」という選択は魅力的に思えないかもしれません。
一方で一般的な用途であれば、一台のノートパソコンを長年使うのも決して悪くない選択です。ノートパソコンを新調する際は「レッツノートを長く使う」という選択肢も頭の片隅に置いてみてはいかがでしょうか。
※サムネイル画像は(Image:「パナソニック」公式サイトより引用)