LINEやチャットなどさまざまなコミュニケーションツールが誕生し、「連絡はスマホで」が当たり前の現代。家庭の固定電話は持っていないということも珍しくないが、果たしてその保有率はどのくらいだろうか。ナビットが実施した、固定電話に関するアンケート調査の結果を見てみよう。
固定電話を10年以上40年未満設置し続けている家庭は約半数

ナビット(データ活用なう)は、2025年3月に全国の20代~80代の主婦を中心とした男女1000人を対象に、固定電話に関するアンケート調査を実施した。
家庭での固定電話の所有率を調査すると、「自宅に固定電話がある」と回答した人は全体の68.5%。約7割の家庭に固定電話があることが判明した。

自宅の固定電話の1日の利用頻度を尋ねると、0件が42.6%と一番多く、2位は1件で14.6%、3位は2件以上5件未満が11.8%という結果に。多くの人が固定電話を所有するもほとんど利用しておらず、連絡ツールは携帯電話が主流になっていることが明らかに。

続いて自宅の固定電話の設置期間を尋ねると、20年以上30年未満が一番多く20.1%、2位は10年以上20年未満14.1%、3位は30年以上40年未満12.4%だった。固定電話を設置している期間のボリュームゾーンは、10年以上40年未満。利用頻度は少なくなっても、約半数の家庭が長年固定電話を設置し続けていることが分かった。
出番が減っても固定電話を設置するのは、信頼性や特別感から

引っ越しをした場合、固定電話の設置を続けるか?との質問に「続ける」と答えた人は41.4%。「続けない」の28%を上回ったが、あまり使わない固定電話の設置を続ける人は、固定電話に対して何か思い入れがあるのだろうか。
今回の調査では、「固定電話に関する思い出を教えてください」というアンケートもフリーで実施。回答には「一昔前は電話の権利を買わないと固定電話を使えない時代でした」という、固定電話の社会的信用性の高さを挙げる声が見られた。固定電話の市外局番付き番号は、事務所や自宅の所在地が伝わりやすいため、携帯番号よりも相手に安心感を与えることができそうだ。
また、「昔は友だちと長話して親に怒られたこと。今は個人が携帯で連絡など何でもできるので、本当に便利です」という回答も見られた。かつて固定電話は、家族全員で使う「共有の窓口」であり、親が先に出れば取り次ぎのやりとりが当たり前であり、家族間でのコミュニケーションの一つにもなっていた。友だちの家にかけたときに誰が出ても良いようにと、電話での話し方を厳しくしつけられた人も多いのではないだろうか。
スマホで話したい相手とすぐに話せたり、連絡や相談がすぐにできるのは便利だが、いつでもつながることが当たり前でなかったからこそ、固定電話による通話は一つひとつが特別なものであった。その特別感を経験した世代が、固定電話にこだわりを持ち保有し続けているのかもしれない。
他にも、固定電話は停電時でも通話が可能なため災害時の連絡手段として役立つ点、子どもの在宅を確認できる点、情報セキュリティ面で優れている点などのメリットがある。今一度、固定電話の魅力を見直してみてはどうだろうか。
出典:【株式会社ナビット(データ活用なう)】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)