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SMSはオワコン?連絡手段としても二要素認証の手段としても敬遠される『SMS』の今

SMSはオワコン?連絡手段としても二要素認証の手段としても敬遠される『SMS』のいま1
(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています
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LINE登場以前、「メールを日常的に使っていない人とはSMSで連絡する」という風潮がありました。SMS(Short Message Service)の技術は1990年代に登場。携帯電話の普及とともに日常的なメッセージングの基盤となりました。

しかし、LINEのようなより手軽なメッセージアプリが連絡手段の主流となったいま、SMSは二要素認証(2FA)のツールとしてしか使っていないという人もいるでしょう。一方、その二要素認証もセキュリティの懸念が広がり、減少傾向にあります。

ではSMSは、もはや役割を終えたのでしょうか?その現状を詳しく見ていきましょう。

SMSの歴史と進化

SMSの歴史と進化1
(画像は「photoAC」より引用)

SMSは1980年代に欧州で開発され、日本では1997年頃からNTTドコモ「ショートメール」などのサービス開始に伴って大きく普及しました。SMSは携帯電話の普及とともに世界的に広がり、2000年代に入るとグローバルな利用者数は急増し、ピーク時には年間数兆件のメッセージが交換されていました。

しかし、スマートフォンの登場とインターネットベースのメッセージングアプリ(例: WhatsApp、LINE)の台頭により、SMSの利用は徐々に減少しています。

総務省が発表した「令和7年版情報通信白書」によると、LINEの利用率は2014年時点では55.1%だったものの、2024年では94.9%まで増加。月間アクティブユーザー数は2025年3月末時点で9,800万人に達しています。

SMSは追加料金が発生しやすい点や、LINEの無料性・多機能性が優れているため、日常利用は敬遠されがちです。総じてLINEの圧倒的なシェアから、SMSは家族間やビジネスでの簡易連絡、またはアプリが使えない状況に限られるケースが多いと考えられます。

2025年現在、SMSはコミュニケーション手段としては『レガシー』な存在です。とはいえキャリア網に紐づいた信頼性の高さは顕著であり、二要素認証の手段などとして、活発な利用も続いています。

二要素認証としてのSMSの役割

二要素認証としてのSMSの役割1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

SMSの主な用途の一つが、二要素認証です。オンラインサービスへのログイン時に、パスワードに加えてSMSで送られるワンタイムコードを入力する仕組みは、広く採用されています。この方法は、手軽でデバイスに依存しない点がメリットです。しかし、2025年現在、この役割さえも疑問視されています。なぜなら、セキュリティの脆弱性が明らかになっているからです。

二要素認証の詳細なリスクと事例

二要素認証の詳細なリスクと事例1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

SMS認証の主なリスクとして、SIMスワップ攻撃が挙げられます。これは、攻撃者が被害者の電話番号を乗っ取り、認証コードを傍受する手法で、アカウントの不正アクセスを招きます。

たとえば2022年7月には、神戸市の男性が自身の携帯電話契約を別の携帯キャリアへ乗っ取られ、インターネットバンキングから約1,000万円が不正送金される被害に遭った事例があります。

また、SMSは暗号化が不十分で、フィッシングや中間者攻撃、配信の不安定さ(未着信)も問題視されています。

こうした流れを受け、米政府機関は2025年1月にSMS認証のリスクを注意喚起し、FBIとCISAがSMSベースのMFAを避けるよう勧告しています。

代替認証手段について

代替認証手段について1
(画像は「Google Play」より引用)

こうしたリスクから、代替手段への移行が進んでいます。代表的なものは、認証アプリ(例: Google Authenticator)によるタイムベースのコード生成や、FIDO2準拠のパスキーです。これらはデバイスに紐づき、SIMスワップの影響を受けにくく、フィッシング耐性が高いです。 また、ハードウェアトークンもセキュアな選択肢として残っています。

SMSは『オワコン』なのか?

SMSを日常の連絡手段として使っている人は少数でしょう。さらにご紹介してきたとおり、SMSがもっとも使われてきた二要素認証自体は「オワコン」になりつつあります。

では、SMSは完全に「オワコン」なのでしょうか?

緊急通信としての役割

SMSはキャリアに紐づく信頼性の高さや、特定のメッセージアプリの利用の有無を問わない汎用性の高さなどに強みがあります。そこでSMSの重要な役割として注目されているのが、緊急通知やアラート(例: 銀行取引の確認、災害情報)です。SMSは到達率と信頼性を兼ね備えているため、アラート用途として適しています。

SMSによる緊急通信の重要性はグローバルで顕著です。特に発展途上国では依然として主要な通信手段であり、緊急時の貴重なライフラインとなっています。

RCSへの移行と将来性

技術的には、SMSはRCSへの進化を遂げつつあります。RCSはSMSの基盤を活かしつつ、画像やグループチャット、暗号化を追加した次世代規格です。

RCSへの移行と将来性1
(画像は「au」公式サイトより引用)

たとえばauはRCSというメッセージサービスを提供。電話番号を使ってスマホの標準メッセージアプリから、写真や動画、スタンプ、長文のテキスト、添付ファイルなどを簡単に送受信できますが、SMSと違い、1通ごとの料金ではなく、データ通信やWi-Fiを利用するため、追加料金を気にせず利用できるという特徴があります。

SMSは連絡手段としてはアプリに取って代わられ、二要素認証としてもセキュリティの観点から選ばれにくくなっています。しかし緊急通信、RCSへの橋渡し役として、その価値は失われていないとも言えるでしょう。デジタルセキュリティの進化に伴い、SMSは緊急用途や限定的な認証など、特化した分野での利用にシフトしていくと予想されます。

※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

スマホライフPLUS編集部

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