ダイソーに行くとUSB接続のAC充電器(ACアダプタ)が330円~770円という低価格でたくさん売られています。最近はUSB-PD・20W対応の高性能な製品も登場していますが、本当に問題なく使用できるのでしょうか? そこで今回は、実際に筆者がダイソーで販売されている5機種を購入して、本当に問題ないか検証してみました。
そもそもAC充電器の性能はどこを見ればいいの?
最近、スマホやタブレット、ゲーム機などのポータブルデバイスの充電には、USBケーブルを使うものが増えてきました。
当然、コンセントで充電するには、別途AC充電器(アダプタ)も必要になるわけですが、会社と自宅用にそれぞれ欲しくなりますよね。
最近はダイソーでも、330〜770円という低価格でAC充電器がたくさん販売されていますが、スマホやタブレットなどの充電に使っても、本当に問題ないのでしょうか?
そこで今回は、筆者がダイソーで販売されている5種類のAC充電器を購入して、機種ごとのスペックを確認して充電速度などの性能を検証してみます。
その前に、分かりにくいAC充電器のどこをチェックすればいいのか解説しておきましょう。
そもそも、充電の出力(W・ワット)は電圧(V・ボルト)×電流(A・アンペア)で算出できます。
USB 2.0規格での給電は0.5A(5V/0.5A=2.5W)、USB 3.0規格では0.9A(5V/0.9A=4.5W)、USB BC(Battery Charging)では1.5A(5V/1.5A=7.5W)となっていました。
しかし、時代とともにもっとUSBでも大きな電力を必要とするデジタル機器が増えてきたため、USB規格でもっと大電源を供給できる規格として「USB PD(Power Delivery)」が策定されたのです。
これにより、USB PD対応AC充電器なら20W〜100Wといった大電源に対応できるようになっており、現在では最大240Wに対応できる「USB PD EPR」規格も存在します。
実際にAC充電器の性能を確認するときは、出力の数値を確認しましょう。たとえば、「3A対応」とあれば「5V/3A=15W」となりますので、「2A対応」製品よりは高速に充電できることになります。
また、なかには「5V/3A・9V/2.22A・12V/1.66A」といった複数の数値が表示されている場合がありますが、これは最大出力が「12V/1.66A=約20W」という意味になりますので、チェックしてみましょう。
ちなみに、通常のAndroidスマホの充電は一部の例外を除いて最大20W前後、iPhone 15シリーズでも最大27W程度です。
スマホ本体の充電の上限が20Wであれば、高価な100W対応AC充電器を使っても20W以上で充電されることはありませんので、パソコンなどを充電することがないのであれば、ムダに高性能なものを購入する必要はありません。
ダイソーではどんなAC充電器(ACアダプタ)が売られているの?
ダイソーではさまざまなAC充電器が売られていますが、最初にチェックしたいのはUSB端子の形状です。
汎用性の高いUSB Type-Aと最新のiPhone 15でも採用されたUSB Type-Cの2種類がありますし、2ポート以上でどちらの端子も備える製品もあります。
また、先ほど解説したとおり最大出力もチェックしましょう。「2A」よりは「3A」のほうが高速に充電できますし、最大出力のW数が大きいほうが、大電源を必要とするタブレットやパソコンなどにも対応できます。
それでは、今回実際に筆者がダイソーで購入したACアダプタ5機種の価格や性能などを確認しておきましょう。
ACアダプタ—(2ポート、3.4A)
550円の「ACアダプター(2ポート、3.4A)」は、汎用性の高いType-Aを2ポート備えたAC充電器。
1ポート出力はどちらも最大15W(3A)ですが、2ポート同時接続時は最大17W(3.4A)となっています。
AC充電器(自動判別機能付、USBポート2口、合計最大3.4)
「AC充電器(自動判別機能付、USBポート2口、合計最大3.4)」もType-Aを2ポート備えるAC充電器で、価格は550円です。
この機種はやや古く、上のポートが最大2.4A(12W)で、下のポートは最大1A(5W)となっていますが、2ポート同時出力時は最大17Wまで対応します。
超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W
同じ2ポート出力タイプでもType-AとType-Cの両方を備えるのが「超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W」です。
価格は770円とやや高めですが、こちらはType-CがUSB-PD対応で最大20W(12V/1.66A)、Type-AはQC対応で最大18W(12V/1.5A)の高性能機。ただし、2台同時充電時は最大3A(15W)になります。
ちなみに、QC(Quick Charge)は米国QUALCOMM社が開発した高速充電規格で、Quick Charge 3.0なら規格上は最大20Vまで対応可能となっています。
ACアダプタ—(Type-C、3.0A)
ダイソーではType-Cだけの1ポートタイプの製品もあります。
「ACアダプタ—(Type-C、3.0A)」はType-Cの1ポートのみで価格は550円。最大出力は5V/3A(15W)までとなっています。
なお、コンセントが折りたためない仕様なので持ち運びには向きません。
急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)
「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」もType-Cだけの1ポートタイプです。
しかし、USB-PD対応で最大出力は12V/1.67A(約20W)と高性能なので、その分、価格は先ほどの商品よりも220円高い770円となっています。
また、コンセントは折りたたみ式になっているので持ち歩いてもかさばりません。