スマホの普及が急速に進み「1人1台端末時代」といわれるようになった。それに伴いモバイルアクセサリーの需要も高く、その市場における成長は著しい。MM総研は「スマートフォンアクセサリー市場規模調査」を実施。早速、国内におけるモバイルアクセサリーの市場規模とその内訳を見てみよう。

国内スマートフォン向けアクセサリー市場規模は5,325億円に及ぶ(2024年度)

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2025年4月スマホ利用者1,626人を対象としたWebアンケート調査を実施。また独自の調査分析により、国内のスマホ向けアクセサリー市場の実態をまとめた。市場規模は製品ごとの販売台数及び平均単価を分析して金額を試算。その結果、2024年度の市場規模は5,325億円だと判明した。内訳は、主にBluetoothにより接続・連携する「接続デバイス」が2,528億円と最多で、続いてファッション性や端末の保護を目的とする「装飾品」1,648億円、充電やデータ転送に必要な「バッテリー関連」1,149億円という結果となった。
接続デバイスにはスマートウォッチとイヤホン・ヘッドホンも含まれている。スマートウォッチの販売台数は前年よりも減少傾向にあるが、単価が高いため、売上では全体の約半数を占めている。
また装飾品では、前年度よりスマホの出荷台数が増加傾向にあることから、本体に装着するスマホケースが大半を占めている。バッテリー関連としては、外出先でのバッテリー切れを回避するために重要なアイテムとしてモバイルバッテリーが堅調に増加しているようだ。
2028年度には6,692億円に市場拡大する見込み

スマホ向けアクセサリー市場の今後はどのような成長を見せるのか、分析結果を見てみよう。
スマホの普及はすでに飽和状態であるため、同カテゴリーの大幅な成長は見込みが薄いと推測される。それに伴い装飾品は2028年度に1,918億円(2024年比16.4%増)で年平均成長率は3.9%と予測。一方、バッテリー関連は2028年度に1,604億円(同39.6%増)で年平均成長率は8.7%、接続デバイスは2028年度に3,170億円(同25.4%増)で年平均成長率は5.8%と、バッテリー関連と接続デバイスは拡大の期待ができるカテゴリーと分析されている。
今後は、健康志向の高まりと睡眠管理などを目的としたスマートリング市場や、エンタメ需要によるXR(クロスリアリティー、仮想現実と現実世界の融合技術)デバイス市場が本格的に立ち上がる可能性も示唆されている。5Gネットワークの整備が進んでいくことで、端末やサービスに限らず周辺機器としてのアクセサリー市場もさらに盛り上がりを見せていくだろう。
出典:【MM総研】
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