
スマホで撮って、すぐ確認して、すぐ消す:その撮影体験、疲れていませんか?
「とりあえず撮っておこう」が当たり前になったスマホ時代。私たちはシャッターを切った0.5秒後にはもう画面をチェックし、「微妙だな」と消し、また撮り直す。便利なのは間違いありませんが、1枚1枚にドキドキしていたあの頃の感覚は、すっかり薄れてしまいました。
そんな”撮影の原体験”を取り戻そうとするカメラが登場しました。Flashback One35 V2──見た目はほぼ「写ルンです」、中身はデジカメ。しかも撮った写真は24時間見られないという、かなり攻めた仕様です。価格は1万6,800円。このユニークなカメラ、一体どんな人に刺さるのか、じっくり掘り下げていきます。
そもそも何ができるカメラなの? 基本スペックを整理

Flashback One35 V2の正体は、35mmフィルムカメラの外観をまとったコンパクトデジタルカメラです。主なスペックを整理すると以下のとおり。
・撮像センサー: 1,300万画素(センサーサイズ・レンズ仕様は非公開)
・保存形式: DNG(RAW現像対応)
・ディスプレイ: 非搭載
・フラッシュ: キセノンフラッシュ(前面スライダーで起動)
・データ転送: USB Type-C / Wi-Fi / Lightning対応
・充電: USB-C(フル充電で約3週間〜最大2ヶ月)
・カラー: 全8色(うち2色はスケルトンボディ)
・価格: 1万6,800円
注目すべきは「DNG形式で保存できる」という点です。DNGはAdobeが策定したRAW画像のオープン規格で、LightroomやPhotoshopで本格的な現像・色補正が可能になります。”おもちゃカメラ”に見えて、実はクリエイティブな使い方にもしっかり対応しているわけです。
24時間お預けの「フィルムカメラモード」が核心
このカメラの最大の特徴は、2つの撮影モードを切り替えられることです。
・デジカメモード: 撮ったらすぐアプリで確認できる、一般的な使い方。
・フィルムカメラモード: 1ロール27枚を撮り切り、さらに24時間経過しないと写真が見られない。
後者を選ぶと、まさにフィルムを現像に出したときのような「待つワクワク」が味わえます。背面にディスプレイがないため、撮影中は構図の確認もできません。ファインダーを覗き、シャッターを切り、フィルム巻き上げ風ダイヤルを回す──操作のすべてが”アナログごっこ”として完成しています。
「写ルンです」と何が違う? コスト面で圧倒的に有利
このカメラを語るうえで避けて通れないのが、富士フイルムの「写ルンです」との比較です。
写ルンですは1986年発売のレンズ付きフィルムで、現在も販売が続くロングセラー。Z世代を中心に「エモい写真が撮れる」と再び人気を集めていますが、コスト面では厳しい現実があります。本体が約2,000円、現像+データ化で1,000〜1,500円。つまり1回の撮影体験に3,000円以上かかり、しかも27枚しか撮れません。
一方のOne35 V2は1万6,800円の買い切り。ランニングコストはゼロで、充電すれば何度でも撮影できます。仮に写ルンですを6回使えば同程度の出費になりますから、繰り返し使うなら圧倒的にお得です。
「買い」か「待ち」か?
こんな人には「買い」
・フィルムカメラに興味はあるが、現像コストがネックだった人。まさにドンピシャの選択肢です。
・子どもやフィルム初心者に”撮る楽しさ”を体験させたい親御さん。スマホ禁止のキャンプや修学旅行にも持たせやすいサイズ感と価格帯です。
・SNS映えより”撮影体験”を重視する写真好き。RAW対応なので、現像工程まで含めて楽しめます。
こんな人は「待ち」
・画質に妥協したくない人。 センサーサイズやレンズ仕様が非公開なのは気になるところ。1,300万画素という数値自体は現行スマホと比べるとかなり控えめで、あくまで”味”を楽しむカメラと割り切る必要があります。
・富士フイルム本家の動きを見たい人。 富士フイルムは2024年にハーフサイズデジカメ「X half」を発表し、レトロ×デジタル市場への本格参入を示唆しています。本家が「デジタル写ルンです」を出す可能性もゼロではなく、そうなれば画質・ブランド力で強力なライバルになるでしょう。
“不便さ”を売る時代が来ている
Flashback One35 V2は、スペックで語るカメラではありません。むしろ「機能をあえて削ることで体験の価値を上げる」という、ここ数年のトレンドを象徴するプロダクトです。スマホの通知を切る”デジタルデトックス”が注目される今、「結果をすぐ見られない」ことが逆に豊かさになる──そんな逆説を1万6,800円で体験できるのは、なかなか魅力的ではないでしょうか。
気になった方は、まずFlashbackの公式サイトで8色のカラバリをチェックしてみてください。個人的には中身が透けて見えるスケルトンモデルが、90年代のゲームボーイを思い出してグッときます。次の週末の散歩が、ちょっとだけ特別になるかもしれません。
出典:【Flashback】
※サムネイル画像はFlashback公式サイトより引用しています。



