
「PS5 Proを買ったけど、正直そこまで変わった感じがしない……」。 そんなモヤモヤを抱えている方に、ちょっと嬉しいニュースが飛び込んできました。ソニーが、PS5 Proの目玉機能であるアップスケーリング技術「PSSR」の大幅アップグレード版を、2025年3月のソフトウェアアップデートで配信すると発表したのです。
しかも、このアップデートはAMDとの協業プロジェクト「Project Amethyst」の成果物。すでに『バイオハザード レクイエム(Resident Evil Requiem)』で採用済みとのこと。PS5 Pro本体の設計を手がけたマーク・サーニー氏自らがブログで詳細を明かしました。
今回は、この新PSSRが具体的に何をどう変えるのか、そしてPS5 Proユーザーにとってどんな意味があるのかを徹底解説します。
(ここに画像挿入:[PS5 Pro本体の外観写真、もしくは新旧PSSRの比較スクリーンショット])
そもそもPSSRって何?——「低い解像度でもキレイに見せる」魔法の技術
まず前提をおさらいしましょう。PSSRとは「PlayStation Spectral Super Resolution」の略で、PS5 Pro専用のAIアップスケーリング技術です。
ざっくり言えば、ゲームを低い解像度で軽く動かしつつ、AIの力で4K相当の高画質に引き上げるという仕組み。PC向けのNVIDIA DLSSやAMD FSRと同じ考え方ですが、PSSRはPS5 Proの専用ハードウェアに最適化されている点が強みです。
なぜこの技術が重要かというと、4Kネイティブでゲームをレンダリングするのは非常に負荷が高く、フレームレートが下がりがちだから。PSSRを使えば、見た目の美しさとヌルヌル動くフレームレートの”いいとこ取り”ができるわけです。
従来のPSSRの課題
ただ、発売当初のPSSRには弱点もありました。複雑なテクスチャや細かいオブジェクト――たとえば髪の毛や草木、遠景のディテールなどでちらつき(フリッカー)やぼやけが発生するケースが報告されていたのです。Digital Foundryなど海外テック系メディアでも、「ポテンシャルは感じるが、まだ荒削り」という評価が多い状況でした。
3月配信の”新PSSR”、何が違う?
マーク・サーニー氏によると、新バージョンのPSSRはニューラルネットワークの構造そのものを刷新し、アルゴリズム全体のアプローチを根本から変えたとのこと。つまり、微調整ではなく設計思想レベルのやり直しです。
この結果、新PSSRでは以下の改善が期待されます。
フレームレートと画質の”両立度”が大幅アップ
旧バージョンでは「画質を上げるとフレームが落ちる」「フレーム優先だとぼやける」というトレードオフが存在しました。新PSSRでは、フレームレートと画質の両方を高い水準で維持できるとサーニー氏は明言しています。
細かいディテールの再現力が飛躍的に向上
(ここに画像挿入:[『バイオハザード レクイエム』の主人公の髪の毛の描写比較画像])
ここが今回のアップデートの”目玉”と言えるポイントです。カプコンのエンジン開発担当・伊集院勝氏のコメントが非常に具体的で、『バイオハザード レクイエム』では主人公の髪の毛やヒゲの一本一本をポリゴンとして描画し、体の動きや風に合わせてリアルに揺らしているとのこと。さらに、髪の重なり方によって光の透過具合まで変化するという、映画的な表現を実現しています。
こうした繊細な描写は、従来のアップスケーリング技術では「苦手中の苦手」でした。細い線や半透明の表現はAIが情報を補完しにくく、アーティファクト(ノイズ)が出やすい領域です。新PSSRがここを克服できたのは、ゲーム開発の現場にとっても大きな前進でしょう。
AMDとの協業「Project Amethyst」が生んだ相乗効果
今回の新PSSRを語る上で外せないのが、ソニーとAMDの共同プロジェクト「Project Amethyst」の存在です。2024年に正式発表されたこのプロジェクトは、機械学習技術を活用してグラフィックスとゲームプレイを向上させることを目的としています。
注目すべきは、この協業が一方通行ではないという点。サーニー氏は、ソニーがAMDのFSR 4の開発にも貢献したと語っており、その技術的な知見がPS5 Pro側にもフィードバックされている構図です。つまり、PC向けGPUの最先端技術と、コンソール専用のノウハウが相互に磨き合っているわけです。
この関係性は将来の次世代機にも好影響を与える可能性が高く、PS5 Pro単体の話にとどまらない業界全体のトレンドとして注目に値します。
正直なところ、PS5 Proは「買い」なのか?
今PS5 Proを持っている人
朗報です。 3月のソフトウェアアップデートで自動的に恩恵を受けられます。設定画面からオン・オフの切り替えも可能なので、タイトルごとに効果を確認しながら使えます。700ドル(現在は750ドル、日本では約12万円)の投資が、買った後からさらに価値を増していく体験は、正直なかなか珍しいケースです。
これから購入を検討している人
現時点では「急いで買う必要はないが、検討リストには入れておくべき」というスタンスです。新PSSRの実力が『バイオハザード レクイエム』以外の多数のタイトルにも広がるかどうか、3月のアップデート後のレビューを見てからでも遅くありません。価格がネックなら、対応タイトルが出揃うタイミングを待つのも賢い選択です。
通常のPS5で十分な人
新PSSRはあくまでPS5 Pro専用の機能です。通常のPS5でも十分に楽しめるゲームがほとんどですし、サーニー氏自身も「改善はインクリメンタル(段階的)」と表現しています。画質の”最後の一押し”にこだわるかどうかは、完全に個人の価値観次第です。
まとめ:ソフトウェアで進化し続けるハードの新時代
今回のPSSRアップグレードが示しているのは、「ハードは買った時点で完成形ではない」という新しい常識です。ソニーがAMDとの協業を通じて、発売後もコンソールの性能を引き上げ続ける姿勢を見せたことは、PS5 Proの750ドルという価格に対する一つの回答とも言えます。
3月のアップデート配信後には、対応タイトルが順次拡大する見込みです。まずは『バイオハザード レクイエム』の新PSSRがどれほどのインパクトを持つか、実際のプレイ映像や比較レビューに注目しておきましょう。
気になる方は、PS5 Proの設定メニューを3月以降チェックしてみてください。ソフトウェアアップデートは自動配信されるので、特別な操作は必要ありません。
出典:【Engadget】
※サムネイル画像はスマホライフPLUS編集部撮影



