長年使っているスマホはバッテリーの持ちが悪くなってくるので、モバイルバッテリーが欠かせないという人も多いでしょう。しかし、モバイルバッテリーを購入するときは、いくつか注意すべきポイントがあります。そこで、今回はモバイルバッテリーを購入するときのポイントを7つ紹介していきます。
モバイルバッテリーにはどんなものがある?
「モバイルバッテリー」は、言うまでもなくスマホなどのデジタルデバイスを充電できる“携帯型充電器”のこと。
最近、モバイルバッテリーはダイソーやコンビニなどでも発売されており気軽に購入できますが、さざまなな種類があって、いったい何を基準に買えばいいのか分からない人も多いでしょう。
一般的なモバイルバッテリーはUSBケーブルでスマホなどに接続して充電しますが、最近ではUSBケーブルを使わず直接スマホに直挿しできるタイプもあります。
出張や旅行でスマホ以外のデバイスも同時に充電する機会が多いなら、大容量で複数ポートを持つタイプがいいでしょうし、通勤電車などで日常的にスマホだけ充電できればいいということなら、スマホに直挿しできる小型軽量のものがオススメになります。
【1】自分のスマホの充電端子形状を確認する
まず確認したいのが、自分のスマホの充電端子の形状です。
最近のAndroidスマホやiPhone 15以降では、充電端子がUSB Type-C(USB-C)になっていますが、古いAndroidスマホはmicroUSB(Type-B)の場合もありますし、古いiPhoneはLightningという独自端子になっています。
また、モバイルバッテリー側の端子も最近はUSB Type-Cになっていることが多いようですが、古いものはUSB Type-Aだったりします。
付属ケーブルが自分のスマホと同じ端子になっているか必ず確認しましょう。
iPhoneの充電端子はどうなっている?
Androidスマホの充電端子はどうなっている?
【2】モバイルバッテリーの容量が足りているか確認
最近のスマホは、4,000mAh以上の大容量バッテリーを搭載するモデルも少なくありません。
「mAh(ミリ・アンペア・アワー)」とは、1時間に流せる電流のことを示しますが、たとえば5,000mAhなら、5,000mAの電流を1時間流せる容量があるという意味になります。
ここでは詳しい説明は割愛しますが、ザックリ言って「〇〇〇mAh」の数値が大きいほうがバッテリー容量が大きく、持ちがよいと考えていいでしょう。
基本的に、本体が大きいスマホのほうが大型のバッテリーを搭載できるので、iPhoneなら「mini」のバッテリー容量が少なく、「Plus」や「Pro Max」のほうがバッテリー容量が大きくなっています。
当然、5,000mAhのスマホをフル充電するには、モバイルバッテリーもそれ以上の容量が必要になります。
たとえば、20,000mAhのモバイルバッテリーなら、理論上は5,000mAhのスマホを4回フル充電できる計算になりますので(実際には4回までは充電できませんが……)、購入時はバッテリー容量に注意してください。
もちろん、できるだけ大容量のモバイルバッテリーを購入したいところですが、容量に比例して値段が高くなりますし本体重量がかなり重くなります。毎日持ち歩くなら、ちょうどいい容量のものを選びましょう。
【3】自分のスマホに必要な電力を確認する
スマホを充電するときはモバイルバッテリーの容量だけでなく、スマホ側で必要な電力を供給できるか調べておきましょう。
モバイルバッテリーの出力はワット(W)で表されていますが、たとえばiPhone 12~16を急速充電するためには20W以上の出力が必要になります。
もし、モバイルバッテリー側の出力が20W以下であった場合は急速充電ができず、フル充電まで時間がかかってしまうのです。
自分のスマホを急速充電するには何ワット必要なのか、公式サイトなどでチェックしておきましょう。
たとえば、iPhone 8以降のiPhoneを約30分でバッテリーの50%を充電するには18W以上、iPhone 12以降の場合には20W以上が必要です。
●Apple公式「iPhoneを高速充電する」は→こちら
Androidスマホは機種によって異なりますが、やはり15~20W程度である場合が多いようです。
最近は、最大120Wの超急速充電に対応する「Xiaomi 14T Pro」や、最大80Wの急速充電に対応する「OPPO Reno10 Pro 5G」といった機種も登場していますが、それは専用ACアダプタを使用したときの話。一般的なモバイルバッテリーを使っても、そのような急速充電はできません。
【4】モバイルバッテリーのアンペア(A)をチェックする
スマホを急速充電したい場合は、モバイルバッテリーの「アンペア(A)」も重要になります。
アンペアとは「電流」のことで、流れる電気の大きさを表しており、基本的にはアンペア数が大きいほど充電速度も速くなるのです。モバイルバッテリーを購入するときは、何アンペアまで対応するのか必ず確認しておきましょう。
通常、モバイルバッテリーのパッケージには「2.1A」や「3A」という数値で表示されていますので、急速充電したいならやはり3A以上に対応する製品を選んでおいたほうがいいでしょう。
ちなみに、ワット数(W)は、「ボルト(V)」×「アンペア(A)」で計算することが可能です。たとえば、5V/3Aなら「5×3=15W」で出力できますので覚えておきましょう。
【5】スマホとモバイルバッテリーの急速充電の規格を確認する
デジタルデバイスを急速充電するための規格は複数あり、なかにはメーカー独自のものもあってちょっと複雑です。
そのなかでも、とりあえず覚えておきたいのが「USB PD(USB Power Delivery・以下PD)」と「QC(Quick Charge・以下QC)」のふたつ。
「PD」は基本的にUSB Type-C(USB-C)が対応する高速給電規格。規格上はPD 3.0で最大100W、最新版のPD 3.1では最大240Wの電力を供給可能となっており、今ではほとんどのAndroidスマホとiPhone(8以降)が対応しています。
「QC」はQualcomm社が開発した規格で、Quick Charge 2.0では5V/9V/12V/20Vの4段階の電圧を使用可能。Quick Charge 3.0では3.6V~20Vまで電圧値を調整できます。ただし、Qualcomm社のチップセットが搭載されているスマホでないと対応できません。
また、モバイル関連メーカーのAnkerは独自に「Power IQ」規格を搭載しています。これは、PDやQCの規格と互換性がある高速充電規格であり、Power IQ 3.0は最大100W、Power IQ4.0はそれ以上の高出力に対応します。
自分のスマホの急速充電規格がPD対応なら、やはりモバイルバッテリーもPD対応製品を選ぶことで高速充電できますので、購入時はチェックしたほうがいいでしょう。
【6】USBケーブルが急速充電に対応しているか確認する
いくらスマホとモバイルバッテリーが急速充電に対応していても、肝心なUSBケーブルが急速充電規格に対応していないと、そこがボトルネックになって急速充電できません。
通常は、モバイルバッテリーに付属するケーブルを使えば問題ないのですが、自宅にある古いUSBケーブルを使ってしまうと、低速充電になってしまうこともあるので、あまり古いUSBケーブルは使わないほうがいいでしょう。
最近は、ダイソーで販売されているUSBケーブルでも「PD/100W」に対応するものが330円で販売されていますので、新しいものに買い替えたほうが無難です。
【7】複数のUSBポートがあるモデルは注意が必要
モバイルバッテリーのなかには、USB出力ポートを複数備えるモデルもあります。
ポート数が多ければ同時に充電できるデバイスが増えるので、多いほうが使い勝手がいいのですが、急いでスマホを充電したいときは要注意!
実は、モバイルバッテリーで2つのデバイスを同時に充電していると、出力が低下して急速充電されず、充電時間が遅くなることが多いのです。
もし、スマホを速く充電したい場合は複数のポートがあっても、ほかのポートでは充電せず、スマホだけを接続して充電したほうがいいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか? 今回はスマホ用のモバイルバッテリーを購入するとき、どこに注意すればいいのかを解説しました。
スマホでの利用であれば、基本的に2.4A~3A対応で15~20W程度の出力に対応し、容量は5,000~10,000mAh程度あれば十分でしょう。
なかには20,000mAh以上の大容量モデルもありますが、本体が重くなり値段も高くなりますので、目的に合わせて選んでみてください。