「あなたのアカウントは不正アクセスにより制限されている」「口座に異常な動きが見られる」などのメール文言に見覚えはないだろうか。これらの文言からサイトへ誘導し、ログイン情報を詐取するフィッシングサイトが増加しているようだが、いったいどのブランドのサイトが多いのだろうか。また、注意すべきブランドや対策などはあるのだろうか。今回は、インターネット詐欺サイトに関する調査結果を紹介しよう。
楽天カード、りそな銀行のフィッシングサイトが急増

BBSSが調査したフィッシングサイトブランドランキングによると、2025年3月は「Amazon」が20.02%で、前月に引き続き1位となった。2位には「楽天カード」が6.09%でランクイン。前月は10位以内に入っていなかったが、大きく順位を上げたことがうかがえる。3位は「SAISON CARD」で5.45%。前月の6.24%からはやや減少した。4位の「JCB」は5.42%で、前月の3.66%から上昇。8位には「りそな銀行」が3.26%でランクインしており、こちらも前月は10位以内にはランクインしていなかったが、急増が見られた。フィッシングメールが頻繁に届く人にとっては、見慣れたブランドの一覧かもしれない。
フィッシングサイト、カテゴリ別で急増しているのは?

フィッシングサイトブランドにおいては、楽天カードとりそな銀行が急増していることが分かったが、いったいどのカテゴリでフィッシングサイトが多いのだろうか。
フィッシングサイトのカテゴリ別構成比を見てみると、2月から3月にかけて大きく変動したのは「クレジットカード」で5.27ポイント減だった。一方で、最も多く上昇を見せたのは「携帯キャリア」で2.37ポイント。「株/証券」で2.19ポイント、「ECサイト」で2ポイント、「銀行」で1.54ポイントと続いた。「株/証券」は2.19ポイントの増加だったが、実数では9倍以上に増加しているという。以前は不正アクセスした口座での送金や出金といった被害が見られたが、最近では不正アクセスした口座で株の購入や売却を行って株価を吊り上げ、自分が所有する他のアカウントで売り抜けて利益を得ているようだ。
では、フィッシングサイト詐欺被害を防ぐために、どのようなことに気を付けると良いのだろうか。BBSSによると、対策方法は4つある。
1つは、メールやSMSで案内されたURLが正規のURLか確認することだ。2つ目は、個人情報やクレジットカード番号の入力を促すメール・SMSに注意すること。3つ目は、ログインID・パスワードの使いまわしを控えること。そして、4つ目は、セキュリティソフトやネット詐欺対策専用ソフトを導入することだ。
「アカウント確認のお願い」「フィッシングにご注意」とセキュリティの注意喚起を促すタイトルのメールが、実はフィッシングの場合が多い。誘導されたサイトも見た目では真偽を判断できない場合が多いからこそ、安易にクリックしないことが重要だろう。
出典:【BBSS株式会社】
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