SNSが普及し、コロナ禍を経験した今、人々のコミュニケーション手段はいったいどのように変化しているのだろうか。モバイル社会研究所は2025年1月、全国約6,000人の老若男女を対象に、スマホ・ケータイ所有者のコミュニケーション状況に関する調査を実施。現在、最もよく使われているコミュニケーション手段や、その内容について紹介していこう。

コミュニケーションにテキストを一番使う割合は年々増加

モバイル社会研究所の調査結果によると、全体的に一番よく使われている友人とのコミュニケーション手段は76.5%で「テキスト」であることが明らかになった。年代別の結果を見ても、やはりテキストの割合が圧倒的だ。中でも顕著なのは20代~50代は8割以上がコミュニケーションにテキストを一番よく使うと回答。一方、60代・70代、10代のテキスト利用は6~7割程度に落ち着いている。10代は学校や塾で友人と対面する機会が多いからか、「直接会って伝える」という割合が27.5%と、他を大幅に上回る結果に。70代は音声通話でのコミュニケーションが30%を超えており、スマホの操作性や画面サイズの小ささが起因しているのではないかと推測される。

年別の割合を見ると、テキストを一番使う人の割合が年々増加していることが判明。2014年に比べ、2025年ではテキストを一番使う人の割合が18.5%増となっており、音声通話は19.3%減となった。直接会って伝える割合はあまり変動していないが、2021年以降少しずつ増加傾向にあり、コロナ禍の収束が関係していると考えられる。
テキストを使ったコミュニケーションの増加はLINEの普及が起因

最も使用されるコミュニケーション手段として一番多いのはテキストであったが、それぞれの項目がどんなツールによるものかを年代別・年別で見ていこう。年代別で見ると、どの年代でもLINEを使ったメッセージの割合がトップとなっていた。メールの割合はどの年代でも10%を下回っているため、もはやLINEは、幅広い年代で連絡手段のインフラを担っているのかもしれない。60代~70代は携帯電話での通話の割合が他より高く、声を通したやり取りを大切にする傾向が見られた。特にこの世代は、電話が主要な連絡手段だった時代を過ごしてきた背景が大きく影響を与えているようだ。

年別で見ると、2014年から2025年にかけてLINE割合は4倍以上成長しており、メールや携帯・固定電話通話の割合が大きく減少している。LINEはテキストだけでなく通話機能も備えており、どのコミュニケーション手段もまかなっているため、今後も使用率が高まることが予想される。
テキストの利便性が高まる一方で、世代の違いはあるものの「直接会って伝える」「声で伝える」ことの価値も失われてはいない。デジタルに慣れ親しんだ世代であっても、シーンや相手によってコミュニケーション手段を使い分ける柔軟性が必要なのかもしれない。
出典:【モバイル社会研究所】
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