リモートワーク勤務・ハイブリッド勤務・フル出社と働き方が多様化した昨今だが、先々どのような働き方が求められているのだろうか。LASSICでは、「リモートワークと将来の働き方」というテーマでアンケート調査を実施したところ、年代によって希望する働き方に差が見られた。働く人々がどのような働き方を望んでいるのか、その分析結果を紹介しよう。

ハイブリッド勤務の希望54.5%、フルリモート勤務17.1%

株式会社LASSICが運営する「場所に依存しない働き方」を推進・支援する情報を発信するWEBメディア「テレワーク・リモートワーク総合研究所」は、2025年4月8日~16日、20歳〜65歳のテレワーク・リモートワーク経験者の20〜65歳の男女1,003人を対象に、「将来どのような働き方を望んでいるのか」について意識調査を行い、その傾向を分析した。
その結果、フル出社を希望する人は全体の6.9%しかおらず、フルリモート勤務17.1%・ハイブリッド勤務54.5%とリモートワークの維持を希望する人が全体の7割以上を占める結果となった。新型コロナ禍前のフル出社が当たり前という状態に戻すことに抵抗感を覚える人が多いと読み取れる。
理由として、「ワークライフバランスを向上させたい」「通勤時間を削減したい」「ストレスを減らしたい」「自分のペースで働きたい」「家族やプライベートの時間を費やしたい」といった声が寄せられた。リモート勤務を希望する人は、自分や家族との時間、心身の健康など、仕事だけではなく生活全般に目を向けているようだ。
一方で、フル出社を希望する人からは「仕事の効率が上がる」「生産性が向上する」「チームとのコミュニケーションが取りやすい」といった意見が上がった。家族やプライベートの時間を増やしたいという回答はかなり下位になっており、傾向の違いが明らかとなった。
仕事に対するウエイトが希望する勤務形態に表れていると言えるかもしれない。
フル出社を希望する年代は、40代と60代が多い

フル出社を希望する年代を紐解いていくと、40代(14.3%)と60代(14.8%)が多い傾向に。その背景にあるものを分析すると、40代は、子どもが小学校高学年以上になり、手がかかる時間が減ってくる世代なため、結果としてオフィスで仕事に専念したいと考える人が多いのではないだろうか。また、団塊ジュニア世代の60代は、社会人の大部分を出社するのが当たり前という環境で過ごしており、「働く=職場に行く」という価値観が深く根付いているようだ。
間に挟まれた50代は、子どもが独立し自宅が集中できる環境になっている可能性や、氷河期世代として変化への柔軟性が高く、リモートワークを受け入れた状態なのかもしれない。
今回の調査でハイブリッド勤務を望む理由に「健康管理がしやすいから」という意見が多数あったことも浮き彫りになった。フルリモート勤務やフル出社を希望する人よりも10ポイントも高いスコアとなっている。完全在宅では不健康になるという意識も根強くあり、週に数回通勤時の移動や仕事帰りのジム通いなどで、ちょうどよい運動時間を確保しつつ、生活にもメリハリをつけていきたいといったバランスを重要視しているよう。
ハイブリッド勤務を希望する人が多いことから、リモートワークの良さを残しつつ出社によるメリットも取り戻すといった柔軟な働き方が求められていると言えるだろう。
出典:【株式会社LASSIC】
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