今、世間ではさまざまな手口の特殊詐欺・フィッシング詐欺が多発している。特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社は今回、2025年7月に同社の調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートと、直近の調査で確認された傾向について公開しました。調査期間の2025年7月1日〜31日における詐欺件数などはどのような結果となったのか、レポートを見ていきましょう。

劇場型のニセ警察詐欺が多発

トビラシステムズの所有する「迷惑電話番号データベース」において、2025年7月、新たに登録された番号の種別割合は、「国際電話番号」が前月比3%減の60.4%で、引き続き最多であることが判明しました。一方、その他電話番号の割合は横ばい傾向で推移していることが分かる。

国際電話着信件数ランキングを見ると、アメリカ合衆国やカナダなどの北米地域がトップで、中国、インマルサット、国際分担課金、国際プレミアムレートが続いています。ほとんどの国際電話において、主な手口に「ニセ警察詐欺」が入っており、警察官などをかたり、捜査名目で現金をだまし取る特殊詐欺が多発していることが分かりました。また、トビラシステムズの調査によると、詐欺の手口として、最初に通信事業者のオペレーター役や官公庁の職員役を挟み、その後ニセ警察官役に繋ぐ「劇場型」のニセ警察詐欺が多発していることも明らかになりました。
警察が電話で金銭のやりとりを要求することはまずありません。このような電話があった場合は、冷静に対応し、その電話自体を疑うことが重要です。
SMSと電話を組み合わせた新しい詐欺手口

トビラシステムズが行った「フィッシング詐欺SMSの種別割合」の調査によると、6月まで減少傾向にあった、「宅配事業者」をかたる詐欺が52.1%で再び増加していると判明。次いで「金融・決済サービス」をかたる詐欺が前月より減少し30.6%という結果になった。SMSでのフィッシング詐欺には実名のブランドや企業をかたる手口も多く、2025年7月では「佐川急便」や「三菱UFJニコス」をかたる手口が急増したことも明らかになりました。

今回の調査から、SMSと自動音声電話での架電を組み合わせた新たなフィッシング詐欺の手口が横行していると判明。金融機関をかたる者から架電があり、ニセの窓口の電話番号がSMSで送信され、記載の電話番号に架電すると自動音声が流れてニセサイトに誘導するURLがSMSで送信される仕組みです。iOS端末では、フィッシングサイトに繋がって個人情報の入力を求められるケースがあり、Android端末では不正アプリのインストールを誘導されるケースがある。とにかくSMSで送られてきたURLはクリックせず、記載の電話番号にもかけ直さないことが、有効な対策となります。不安な場合は、まず電話番号や事業所名を検索してみると、迷惑電話として情報が上がってくる場合もあります。
詐欺の手口はどんどん増えているため、被害に遭わないためにも、常に最新の詐欺手口を把握し、対策をアップデートしていく必要があります。
出典:【トビラシステムズ株式会社】
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