災害時には、公衆電話がつながりやすい通信手段となる可能性が高いです。しかし、公衆電話の数が減少していること、スマートフォンが普及していることを理由に、公衆電話の使い方を知らない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、「公衆電話の利用方法の認知について」の調査をご紹介します。
公衆電話の利用方法、若年層の3割が「知らない」
モバイル社会研究所では、全国の15~79歳男女10,355人を対象に「公衆電話の利用方法の認知について」の調査を実施。
まずはじめに「公衆電話の利用方法を知っているか」について調査すると、70%が「知っている」と回答しました。公衆電話の数が減少しているとはいえ、利用方法を知っている人は多いようです。
公衆電話の利用方法の認知度について、年代別に見てみると、10代と20代では「知らない」と回答したのが約3割で高い結果となりました。一方、年齢が上がるにつれて、公衆電話の利用方法を知っている人が多く、中でも50代以上では95%が利用方法を知っていると回答しています。
スマートフォンの普及と公衆電話の減少に伴い、若年層は公衆電話を利用したことがない人が多いのかもしれません。
家族構成や固定電話の所有によって利用方法を知っている割合が変化
次に、青年(15~24歳)、壮年(25~44歳)、中年(45~64歳)、高年(65~79歳)の4グループに分けて分析を行いました。
家族構成別に「公衆電話の利用方法を知っているか」について分析すると、青年のグループでのみ差が見られる結果に。3世代同居(主に祖父母と同居)の場合、利用方法を知っている割合は78%とやや高く、一方で一人暮らしの人たちは66%とやや低い結果になっています。
このことから、3世代同居の「青年」のグループにおいて、利用方法を知っている上の世代(家族)から使い方を教わっている可能性も考えられます。
最後に、年代別に家に固定電話を所有しているかどうかと、公衆電話の利用方法を知っているかを比較。その結果、どの年代でも家に固定電話がある人は公衆電話の利用方法を知っている割合が高くなっていました。特に青年と壮年のグループでは、その差が14ポイントと、大きな差が見られました。固定電話の所有の有無は、公衆電話の利用方法を知っているかどうかに大きく影響していることがわかります。
本調査から、公衆電話の利用方法を知らない人は特に若年層で多いことが明らかになりました。スマートフォンの普及で公衆電話を使う機会は減っているものの、災害時など万が一のときに役立つ可能性が高いため、使い方や設置場所を確認しておくことが大切だと言えるでしょう。
出典元:【モバイル社会研究所】
※サムネイル画像(Image:icosha / Shutterstock.com)