新NISAが始まって投資に興味を持ったという人は多そうだが、投資には株や債券、FX、暗号資産などさまざまな種類があり、あまりよくわかっていないという人も多いのではないだろうか。2025年1月、MMD研究所が実施した「2025年投資に関する利用動向調査」により、日本人の投資に対する興味や実態を明らかになった。さっそく見ていこう。
年代別の投資への興味と実態 30代・40代が積極的
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調査は20歳から69歳までの男女43,087人を対象に実施された。その結果によると、投資に興味を持っている人の割合は45.7%に達しており、そのうち22.8%がすでに投資を始めているという。
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投資に対する興味は年代によって異なる傾向が見られ、「興味を持っていて投資を始めている」割合は40代が24.7%と最も高く、次いで30代が23.8%、60代が23.6%となっている。また、「興味を持っていて情報収集している」「興味を持ち始めた」を含めた投資に興味がある割合は、40代が49.7%と最も高く、30代が48.3%、20代が45.9%と続いた。30代・40代の年齢層は、子育てなどの支出も多く、将来の老後資金も頭にちらつく年代。投資に対しても積極的になるのかもしれない。
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投資を始めている人々が取引している金融・投資商品については、「投資信託」が62.0%と最も多く、次いで「国内株式」が60.7%、「外国株式」が20.4%だった。日本の個人投資家は、比較的安全性の高い投資信託や国内株式を好む傾向にあると言えるだろう。
20代・30代が投資へ興味を持つきっかけは「SNSの情報」
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投資に興味を持ったきっかけについても、年代によって異なる傾向が見られた。全体では「テレビの情報」が13.6%と最も多く、次いで「副業による収入増加」が12.2%、「SNSの情報」が11.7%となっている。だが年代別に見ると、20代と30代では「SNSの情報」がトップとなり、40代と50代では「テレビの情報」、60代では「退職(定年退職も含む)」が最も多い結果となった。各年代のライフスタイルや情報収集手段の違いが、そのまま反映されているのかもしれない。
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世帯年収や世帯の貯蓄額と投資への興味の関係はあるのだろうか。調査結果では世帯年収が高い人ほど、また世帯の貯蓄額が多い人ほど、投資に興味を持つ傾向が強いことが示されており、具体的には、投資に興味がある人の世帯年収は「400万円~600万円未満」がトップとなり、世帯貯蓄は「2,000万円以上」が最も多かった。一方、投資に興味がない人では、世帯年収は「200万円~400万円未満」、世帯貯蓄は「200万円未満」がそれぞれ最も多い結果となった。
SNSでの情報収集は、エンタメに偏りがちと思いきや、投資への興味を引き出すツールになっていることが判明。今後の日本の投資市場の発展と個人の資産形成の促進に向けては、SNSも重要な情報収集手段と言えそうだ。
出典:【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)