キャンペーンなどで作ったサブのクレジットカードや、メインカードが使えなくなったときに備えて作ったカードを、結局使わず長年放置している方は意外と少なくないのでは?
年会費が無料である限りは、古いクレカを放置していても普段は気に留めることすらないでしょう。
しかし今回筆者が体験したのは、その「古いクレジットカード」の不正利用トラブル。今回は筆者が味わった「古すぎるクレカ」の不正利用の経緯と、その経験に基づく「使わないクレカは解約すべき理由」をご紹介します。
学生時代に作った『セディナJiyu!da!カード』が不正利用された?
筆者は普段『楽天経済圏』がメインであり、サブとしてはオリコカードなどを利用しています。そのため三井住友関連のクレジットカードはほぼ使用することがないのですが、2025年4月初旬に突如としてVpass(※三井住友系の会員サービス)からの認証通知が届きました。そのまま認証するとショッピングで決済されてしまう可能性があります。

恐ろしいのが、三井住友系のカードで「決済した覚え」がないことです。
この日、筆者は一日テレワーク。モザイクで隠しているご利用店名は、某高級和菓子店のものなのですが、6,600円も利用した覚えは一切ありません。
そのため不正利用であることは間違いないのですが、さらに困ったのはメールに記載されている下四桁の番号のクレジットカードにまったく覚えがないことです。三井住友系のクレジットカードなんて、果たして自分は持っているだろうか……?という疑問が頭をよぎります。つまり、不正利用されそうになっているにも関わらず、どこになにをどう問い合わせたらいいかわからないという状態になってしまいました。
とにかくまずは一生懸命過去のクレジットカードを漁り、やっと見つけたのが学生時代に発行した『セディナJiyu!da!カード』でした。

『セディナJiyu!da!カード』は、筆者の学生時代(2010年代前半)には「学生やフリーターでも発行しやすいクレジットカード」として有名でした。まだまだリーマンショックや東日本大震災の影響が色濃く、景気や就職市場が良いとは言えない時期に「発行できるクレジットカードはいまのうちに発行しておこう。複数枚所持しておいて、枠がたくさんあっても困ることはないだろう」と何枚か発行した中の一枚だったと思います。
要は「学生時代に、万が一困ったことがあったら使う(かも?)カード」という位置づけで所持していたもので、社会人になってから使った覚えがないカードです。
有効期限とその更新頻度は記憶にないのですが、おそらく5年程度だと思われ、大学卒業後に一回新しいカードが届いたのはうっすら記憶にあります。しかし引っ越しをした後は覚えがなく、手元にある古いカードの有効期限は2022年初頭でした。
Vpassから来た利用通知についてVpassに問い合わせたらサポート不可
このようにして「なんとなく持ち続けていた(※そして手元にあるカードは2022年で有効期限が切れている)」セディナカードに久々に触れ、利用停止手続きと解約手続きをする必要が生じました。
そして、最初に直面した壁は『Vpass』とセディナカードの関係がわかりにくいことです。
Vpassとセディナは、2024年4月1日に三井住友カードと旧SMBCファイナンスサービスが合併したことに伴い、サービスが統合。そして2024年12月23日より「セディナ」は「Vpass」となり、URL、デザインが変更となったようです。
そして筆者への「身に覚えがない利用通知」のメールは『Vpass』から届きました。つまり過去に登録したセディナでの会員情報はVpassIDに引き継がれており、窓口はVpassなのだろうと筆者は理解しました。
そこで「Vpassからメールの通知が来たため、問い合わせれば不正利用という緊急事態であればカードの停止くらいはすぐにできるのでは?」と考え、Vpassのチャットオペレーターにまずは問い合わせを行いました。

すると「Vpassのサポートではセディナは扱えないため、セディナに問い合わせてください」と一蹴されてしまいました。Vpassから届いた不正利用と思われる決済通知なのに、Vpassに問い合わせたら一蹴されるのは納得できない気持ちでしたが、仕方ないのでしょう。
Vpassへのリニューアル後の「セディナビID」がわかりにくい!
実際にはVpassでは「VpassID」と「セディナビID」が別途で存在しているようです。サービスが一本化されたのに「VpassID」と「セディナビID」が別個であり、問い合わせ窓口も別々だと見られます。

そしてセディナで手続きするとなった際に、続いて壁となったのは「セディナビID」。
先述した通り、筆者がセディナカードを発行したのは学生時代であり、当時とは住所も電話番号も変わっています。
そしてセディナビIDではID・パスワードを忘れている場合には再登録が必要なのですが、再登録には「セディナに届け出ている電話番号と一致する電話番号の入力」が必要でした。

正直、学生時代に利用していた古い電話番号は覚えていませんでした。「これだったような気がする」という番号を入力してもやはり間違っているようで、認証は不可でした。
つまり新規にセディナビIDを作り直して、そのIDでログイン後、利用停止手続きや解約手続きを行うことができませんでした。
セディナに電話で問い合わせて解約完了
そこで「IDを作ってウェブ手続き」を諦め、三井住友関連のコールセンターへの電話問い合わせを何度か行いました。

最終的にはセディナカードの裏面にあるセディナのコールセンターに個別に電話で問い合わせることで、利用停止手続きと解約が完了しました。
使わないクレジットカードは「解約」がおすすめ
今回、筆者が「セディナカードの利用停止」に手間取った最大の要因は「まったく使っていないクレジットカードの不正利用」だったことでしょう。
ちなみに手元のクレジットカードが2022年で期限切れなのに、不正利用された理由について尋ねるとコールセンターの方曰く「古い住所に向けて発送された新しいクレジットカードが受け取り拒否の後、郵便局に戻っている履歴がある」とのことでした。
つまり引っ越し時に、セディナカードの存在を完全に忘れていて住所を更新しなかったことも今回の事象の大きな要因です。そうして「手元にはないが有効期限内ではあるカード」が生まれ、悪意のある第三者がセキュリティ対策が弱い通販サイトを狙って総当たり的に番号を入力。その中の一つがたまたまセディナカードのものだったのでしょう。
こうしたトラブルを防ぐには、使わないクレジットカードは解約するのがベストです。もしもこの記事をお読みの方の中に、何枚もクレジットカードを保有しており、その大半は使っていない方がいたら「使わないクレカは解約する」のを検討してみてください。
近年はキャッシュレス決済の波が強まっており、Vpassに代表されるように金融関連のIDの再編も進んでいます。本当にトラブルが起きた際には、今回の筆者のようにログイン1つだけでもつまずき、手間と時間を要する電話手続きでないとにっちもさっちもいかない状況になり得ます。
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)