経済が低迷している今の時代、先々の生活のことを考えると漠然とした不安を覚える人もいるのではないだろうか。だからこそ、お金の知識や資産形成について一度は学んでおくべきだ。モバイル社会研究所では、10代~70代を対象にお金の知識や資産形成に関する学習経験について調査・分析を実施した。各世代がどの程度、学ぶ機会を持っているのか見てみよう。

お金の知識や資産形成に関して学んだ経験がある人は、どの世代も約6割

モバイル社会研究所は2025年2月、全国の15歳~79歳の男女7,371人を対象に、「お金に関する意識や行動とICT利用との関係を理解し、よりよい関係を実現するヒントを探る調査」を実施した。そこから、お金の知識や資産形成に関する学習経験について分析し、その結果を発表した。
お金や資産形成について学んだことがあるかを尋ねると、どの世代でも約6割の人が「学んだことがある」と回答した。ここでは10代という若い世代でも、約半数の人がお金や資産形成について関心を持っているということにも注目したい。では、どのような方法で知識を得ているのだろうか。
お金の知識や資産形成について、勉強方法は「インターネットで調べた」が各年代で上位

お金の知識や資産形成に関する情報収集と勉強方法について尋ねると、全体では「インターネットで調べた」が35%で最も多い結果に。次いで「テレビで見た」が23%、「動画を見た(YouTube等)」が20%となった。
年代別に見てみると、「動画を見た(YouTube等)」と回答したのは20代~40代が高く、「テレビで見た」は50代~70代が高かった。一方、10代では「学校で学んだ」が23%と最も高く、その他に、動画やSNS、家族や知人に聞いたという人もいた。本で学ぶ、セミナーに参加する、FPなどの専門家に相談するといった方法で勉強する人もいたが、さほど多くはない結果となった。

また性別で比較してみると、男性のほうが「インターネットで調べた」「動画を見た」「本を読んだ」と回答した割合が高く、「家族や友人・知人に聞いた」という人は女性のほうが若干高い結果となった。
調査結果を見ると、全体で約6割、その中でも10代の約半数がお金や資産形成に関心を持ち、能動的に学ぶ機会を設けていることがわかった。しかしながら「学校で学んだ」という割合が2割ほどにとどまり、授業等で学ぶ機会が少ないことが読み取れる。日本の金融教育は遅れているとも言われ、「お金儲けは良くないこと」といった誤った認識を持つケースも見受けられる。そのため、早いうちからお金に関する正しい知識を学ぶ機会を設けることが先々の生活に対する不安を軽減することにつながり、また新しいリーダーを生み出すことにもなるのではないかと期待される。
出典:【モバイル社会研究所】
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