個人の心理的な特性や金融リテラシーは投資行動とどのような関連があるだろうか。楽天証券は2025年1月15日~29日にインターネットを通じて、顧客アンケートを実施。23万人以上の回答をもとに「行動ファイナンス研究レポート2025年版」をまとめた。その結果から見えてきたこととは?

金融知識・金融態度・金融行動とパニック売りの関係性

2024年から始まった新NISA制度の開始を機に、多くの消費者が資産づくりを始め、生活の一部として定着しつつある。一方で、世界の各国で金利や物価、雇用、賃金を取り巻く経済環境が転換期を迎え、大幅な相場変動が繰り返され、株式市場では波乱が続いている。そんななか、資産運用に関する金融知識を身につけ、自身の投資行動の特徴を把握するとともに、家計の健全化や投資のあり方を考える重要性は今後ますます高まるだろう。
保有銘柄が急落した際に慌てて売却する「パニック売り」は、金融知識や投資行動と関係があるのだろうか。調査の結果では、金融知識の不足や日々の投資・家計行動における長期性・合理性の欠如、衝動的な性格などがパニック売りの割合を高めていることが判明した。
金融知識が最も高いのは60代

ところで、年代によって金融知識に違いはあるのだろうか。調査によると、10代から60代までは、年代が上がるにつれて金融知識が高くなる傾向が見られた。また、個別株に100万円を投資している場合、相場下落時にいくらまで損失が許容できるかを年代別に聞いたところ、18歳から29歳までは10万円が最多で34%、30代も同様に最多で29%、40代は10万円と20万円が最多で同率の27%、50代以降は20万円が最多となり、年代が上がるほど許容額も大きいことが確認された。
一方で、投資信託に100万円を投資している場合、どのぐらいの損失まで保有を継続するかを年代別に聞いたところ、30代以降は年代が上がるにつれて10万円と回答する割合が高まることが判明し、高齢層は株より投資信託のほうが許容額が低いことがわかった。
今回の結果を踏まえ、金融リテラシーを高めるとともに、株や投資信託においては衝動に流されず、落ち着いて判断する姿勢が求められる。
出典:【楽天証券 行動ファイナンス研究レポート2025年版】
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