ユネスコは、2025年にはVHSを再生できる環境が著しく減少し、貴重な映像が失われる可能性が高いと警告しています。もし、大量に貴重な映像を録画したVHSを保存しているなら、早めに手を打ったほうがいいでしょう。そこで今回は、あまりお金をかけずにパソコンでVHSをデジタル(MP4)化する方法を紹介します。
そもそもVHSの2025年問題って何?
2019年、ユネスコはVHSに録画した動画が2025年には再生できなくなるとして、「マグネティック・テープ・アラート」を発表しました。
VHSといえば、1976年に日本ビクターが開発・販売して一般家庭に広く普及しましたが、その後、デジタルのDVDやBDレコーダーに取って代わられ、2016年ごろにはVHSビデオデッキの生産が終了しています。
一般的に、VHSビデオテープの寿命は20~30年と言われていますが、現在ではVHSビデオデッキの入手が困難なうえ、修理を行える技術者も少なくなってきたため、そろそろ本当にVHSを再生できる環境が失われてしまう可能性が高いでしょう。
もし、VHSに録画した貴重な映像を保存しているなら、今のうちにデジタル化しておかないと手遅れになってしまいます。
もちろん、現在でもヤフオク!などで中古のVHSビデオデッキは入手できますし、有料でデジタル化してくれるショップもたくさんあります。
しかし、ショップに依頼すると費用がかなり高額になりますので、今回はあまりお金をかけずに自分のパソコンでデジタル化する方法を紹介しましょう。
パソコンでVHSをデジタル化するには何が必要なの?
VHSをパソコンでデジタル化するには、VHSビデオデッキとパソコンをコンポジットやSビデオケーブルなどで接続し、映像と音声をパソコンに送る必要があります。
そこで今回、筆者がAmazonで購入したのが、USB接続で簡単にビデオを録画(キャプチャー)できるデバイス「USB2.0 ビデオキャプチャー」です。
価格は2,209円でしたが、日本語マニュアルや録画用アプリが付属しているため、初心者でも比較的使いやすいでしょう。
Amazonでは1,000円くらいで似たような製品がたくさん売られていますが、音声がモノラルだったり、不具合も多いようなので、あまり安すぎるものは避けたいところです。
今回購入したUSB2.0 ビデオキャプチャーは、パソコンとUSB Type-Aで接続でき、付属アプリで録画できるので、初めてでも比較的簡単にVHSをデジタル化できるのが特徴。
もちろん、録画するには別途VHSビデオデッキと、黄・赤・白のコンポジットケーブルも必要になりますので、事前に準備しておいてください。
ちなみに、Amazonではパソコンを使わず、デバイス単体でVHSを録画できるビデオキャプチャBOXも販売されています。
こちらのほうが、今回紹介するUSB2.0 ビデオキャプチャーよりずっと簡単にVHSをMP4化できますが、価格は約1万円しますので予算がある人にオススメ。
付属アプリでVHSをデジタル化してみよう!
VHSビデオデッキとパソコンの接続方法は簡単です。まず、VHSビデオデッキの背面にある黄・赤・白の「出力」とある部分にコンポジットケーブルを挿し、その反対側をUSB2.0 ビデオキャプチャーのコンポジット(メス)に挿します。
もし、高品位なS-VHSだった場合は黄色の端子ではなく、S端子を利用すれば多少は画質がよくなります。
次に、パソコン側にUSB2.0 ビデオキャプチャーのUSB Type-A端子を挿せば準備完了です。
なお、今回はWindows 11のdynabookを利用して実験しています。
VHSビデオデッキとパソコンをデバイスで接続する手順
次に、付属CDに専用アプリ「Honestech VHS to DVD 3.0 SE」が入っていますので、パソコンにインストールしましょう。付属の日本語マニュアルを見ながらやれば難しくはありません。
ちなみに、筆者のノートパソコンにCDドライブはありませんので、別のデスクトップパソコンでアプリをコピーし、USBメモリで移動させてインストールしています。これでVHSを録画する準備が整いました。