2025年4月8日に始まったAmazonプライム・ビデオの広告表示。そもそも有料で見られる動画配信サービスに広告が挿入されることに対して会員からは大不評が集まっており、代替サービスを検討している人も少なくありません。
では実際、Amazonプライム・ビデオの広告は代替サービスを探すほどのものなのでしょうか。実際に確認してみました。
Amazonプライム・ビデオの「広告表示」が開始

2月末頃から予告され、4月8日に導入されたAmazonプライム・ビデオへの広告表示。月額390円の「広告なしオプション」をつけることで広告の表示を回避することはできますが、基本的には動画の冒頭に1分ほどの広告、再生中にも広告が入ります。
「二重課金」との批判の声も大きい
先述した通り、Amazonプライムの広告表示は月額390円のオプションで回避することはできます。
一方、現行のプライム会員費が年5,900円に対し、オプションは12カ月で4,680円。つまり、従来の広告なしでビデオを楽しむには従来比で約79%の増額を受け入れなければなりません。
すでにプライム会員費を支払っているにもかかわらず、従来通りの広告なし視聴を続けるためには追加費用が必要になるため、「二重課金」の指摘もあります。
Amazonプライム・ビデオの広告表示の頻度や内容を確認してみた

実際にAmazonプライム会員の筆者が、広告表示の頻度を確認してみました。
結論から述べると、広告の挿入頻度は作品によって異なるものの、冒頭に1分ほどの広告が入るのはどの作品でもほぼ同じでした。
なお、広告は通常のTVCMのような商品広告の映像でした。
広告が入るタイミングは?
広告は作品冒頭に必ず入ります。この広告は全体で約1分間、2本のCMが流れるイメージです。筆者が確認した限り、邦画(新作)、アニメ映画、ミュージシャンのライブ映像などはこの冒頭の広告のみでしたが、洋画やドラマは途中にもCMが入ります。

バー上にある点の箇所に広告が入ります。
なお、最初に広告の箇所までバーを動かして再生し、本編を巻き戻して再生した場合、すでに広告は再生済みという扱いになるため、途中広告は再生されません。また、アプリから動画をダウンロードした場合にも広告は表示されず、レンタル作品でも同様に広告は流れませんでした。
広告の長さや内容は?
映画の冒頭の広告は1分。2本のCMが入ります。途中に表示される広告は2分で、こちらは4本のCMが入りました。
なお、ドラマの場合は冒頭に15秒ほどの広告が1本入り、前半の途中に30秒ほどの広告が1本と、後半に30秒の広告が連続2本入りました。50分ほどのドラマに、合計1分45秒分のCMが4本入ると非常に鬱陶しく感じます。
ユーザーによって広告の内容は異なる可能性はありますが、人によってはかなりストレスに感じるのではないでしょうか。
Amazonプライム・ビデオの広告表示を有料でオフにする手順は?
広告なしオプションに入る方法は以下の通りです。



Amazonプライム・ビデオの「代替サービス」は存在しない?
Amazonプライム・ビデオの広告は「ストレスフル」だと感じる方も多い仕様ですが、Amazonプライム・ビデオは「広告なし」プランを含めても(※合計の月額は1,000円弱)、なおリーズナブルな水準にあるのも事実です。

上記はAmazonプライム・ビデオ以外の主な動画サブスクの月額料金やサービス内容の一覧です。たとえばHuluは月額1,000円強で広告表示なし、FODプレミアムは月額1,000円弱で同じく広告表示なし。U-NEXTはポイント分を実質的な割引と考えると1,000円弱で広告なしのサービスです。
つまり広告なしの動画サブスクの月額は「1,000円ほど」が相場になりつつあります。そしてAmazonプライム・ビデオは、送料無料などを含むAmazonプライムのサービスの一部です。つまりAmazonプライム全体のコストパフォーマンスの高さを考えると、月額1,000円弱という値段は高いとは必ずしも言えないでしょう。
「Amazonプライム自体を辞める」のも一案
もっとも「では配送無料などのAmazonプライムには月額相当の価値があるのか」「390円の広告なしにも追加で入る価値はあるのか」などをより細かく検討していくと、Amazonプライム・ビデオに見たい作品がなく、他のサブスクに目当てのものがあるならば「Amazonプライムそのものを辞めて、ほかのサービスに乗り換える」という選択肢も出てきます。

Amazonプライムは細かいものも含めてすべてカウントすると、特典が16個ありますが、そのすべてを利用している人は少ないでしょう。たとえばAmazon Photosは無制限のフォトストレージサービスですが、スマホで撮影した写真をそのまま保存してくれるGoogle DriveやiCloudの方が筆者には使い勝手がよく、このサービスを利用したことはありません。
また、Amazonプライム会員は年払いではなく月払いのプランもあるため、ほかの特典の恩恵をあまり受けていない場合には「会員限定のセール時にだけ会員になる」「見たい作品が追加されたときにだけ会員になる」という使い方でも十分と言えるでしょう。
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています