4Kテレビの普及が進むなか、まだプラズマテレビを使用している方も多いのではないでしょうか。一方、プラズマテレビは製造終了から年月が経ち、寿命の問題が目立ち始めました。そこでこの記事では、プラズマテレビの寿命の実態や4Kテレビとの違い、そして買い替えを検討する際のポイントについて詳しく解説します。
プラズマテレビの寿命について

プラズマテレビは、そのパネル自体の寿命が非常に長いことで知られています。一般的にパネルの寿命は6万~10万時間とも言われており、15年~30年ほどの寿命があると考えられます。
そのため、2000年代から2010年代前半に購入したプラズマテレビの寿命が徐々に近づいてきている方も、この記事をお読みの方のなかには多いのではないでしょうか。
そうしたなかで、現在のプラズマテレビの画質に満足していたり、「次に買うのは安価なチューナーレステレビで十分で、画質にはあまりこだわらない」という方にとっては、主要な買い替え候補とされる4Kテレビの購入が本当に必要かどうか、判断が難しいところかもしれません。次項では、プラズマテレビと4Kテレビの基本的な違いについて詳しく見ていきましょう。
「プラズマテレビ」「4Kテレビ」の基本的な違い
プラズマテレビは、ガスのプラズマを使って画像を生成する技術で、深い黒レベルと高いコントラスト比(最大5,000,000:1)を特徴とします。これに対し、4Kテレビは3840×2160の解像度を指し、LCD、LED、OLEDなどの技術で実現されます。
つまり「4K対応した現行の主なテレビが4Kテレビ」であり、「1080pが主な画質になるものの、コントラスト比が美しく、特に黒を綺麗に描画できるのがプラズマテレビ」です。
プラズマテレビと4Kテレビの基本的な違いは以下の通りです。

プラズマは黒の表現に優れるものの、消費電力が高く画面焼き付きのリスクがあるのに対し、4Kテレビは高精細かつ明るさにも強く、今後の技術発展も期待されています。
4Kテレビとプラズマテレビの画質の差は「大したことがない」?

4Kテレビは近距離で視聴する場合にその高解像度の効果を発揮しますが、一般的な視聴距離ではフルHDであるプラズマテレビとの差が感じにくく、十分な画質とされることが多いです。また、動きの処理能力においては、プラズマテレビが特に優れており、高速な動きを滑らかに表示できる点で、スポーツやアクション映像ではLCDの4Kテレビよりも優れたパフォーマンスを発揮する場合があります。
そのため、画質面での差は視聴環境や用途によっては「大したことがない」と言える状況もあります。
テレビの買い替え時に「従来のテレビよりも圧倒的に映像が美しくなった」と感じる方は多いものですが、そうした方は「一般的な人よりもテレビを近距離で視聴しており、画質の変化に気づきやすい方」でもあると言えるかもしれません。
またもともとの映像が4K品質である必要もあり、たとえば「普段からよくテレビを見るけれど、視聴しているコンテンツが実際にはYouTube」という場合、YouTubeでは1080p以下の画質が一般的であり、やはりプラズマテレビで十分です。
このほか、細かな点としては、動きの処理能力や描写能力において、プラズマテレビには一定の強みがあります。
総じて視聴するコンテンツや「テレビの配置場所や視聴する際の端末と人間の位置関係」によっては、高価である4Kテレビの必要性はかなり薄れると言えるでしょう。
プラズマテレビを「いまから入手する」のは困難?

プラズマテレビが生産終了しているため、現在では中古市場での入手が限られており、部品の入手やサポートが難しくなっています。具体的には2014年を境に、プラズマテレビの生産は終了し、段階的に中古市場での流通数も減ってきています。
先にも紹介した通り、プラズマテレビは用途によっては視聴体験として「4Kテレビと大差ない」のも事実です。とはいえ「わざわざプラズマテレビを中古で探して購入する」メリットも薄いでしょう。
つまり「いまもプラズマテレビを使っているならば、しばらく継続利用するメリットも一定程度あるものの、わざわざプラズマテレビを中古で探して購入するほどのメリットでもない」と言えます。
では「プラズマテレビが寿命を迎えたのち、その代替に購入する4K以外のテレビ」にはどのようなものがあるのでしょうか。
液晶テレビ [画素:フルHD]
解像度が1080p(1920×1080ピクセル)のフルHDテレビは、4Kテレビに比べて価格が安く、それでいて十分な画質を提供します。「テレビ自体は自宅に設置したいけれど、普段4Kコンテンツを視聴しない」というユーザーにとって、コストパフォーマンスが高いです。
視聴距離が遠かったり画面サイズが小さい場合、4Kとの差を感じにくいのも魅力です。
チューナーレステレビに買い替えるのも一案
最近では、地上波放送をあまり見ない方や、動画配信サービスを主に利用する方に向けて「チューナーレステレビ」という選択肢も注目されています。
チューナーレステレビは、地上波やBS/CS放送用のチューナーを省略し、インターネット動画視聴に特化したテレビのこと。価格が安く、NHK受信料の支払い義務が発生しない点もメリットです。Wi-Fi環境があれば設置場所を選ばないため、地上波をほとんど見ない場合や、コストを抑えて大画面を楽しみたい方におすすめ。
ただし、リアルタイムの地上波放送を視聴できない点や、インターネット環境が必須であることには注意が必要です。
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