パソコンの動作速度や快適さを大きく左右する「メモリ」。特に、4GBのメモリを搭載したパソコンをお使いの方の中には、「このままでWindows 11は使えるのだろうか?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は筆者も久しぶりに引っ張り出したPCをWindows 11にアップデートしたところ、非常に動作が重く、使いものにならなくなってしまいました。
この記事では、4GBメモリのPCが抱える限界や、実際にどのような作業が難しいのか、そして少しでも快適に使うためのコツについて詳しく解説します。
メモリ4GBの限界

Windows 10やWindows 11といった最新のオペレーティングシステム(OS)は、起動しているだけで一定量のメモリを消費します。Windows 11の最小システム要件は4GBですが、これはOSを動作させるための最低限の容量であり、実際にアプリケーションを使用するには不十分です。OSだけで3GB以上を消費することもあり、残りのメモリ容量でアプリケーションを動かすことになるため、動作が非常に遅くなる可能性が高いです。
なお余談ですが、オンラインで随時OSやソフトウェアの自動更新を行う場合(例:ChromeOSなど)、メモリの容量が不十分だとある時期からアップデートが全くできない状況に陥ることがあります。
この場合、
・OSの起動自体ができなくなる
・起動ができてもセキュリティ的に不十分(※重要なソフトウェア更新が反映できていない場合があるため)
といった事象が生じる可能性があり、使い続けることにリスクもあると言えるでしょう。
メモリ4GBでは対応が困難なタスクの例
前提としてメモリが4GBの場合、そもそも複数のアプリケーションを起動したり、ブラウザで多数のタブを開いたりすると、メモリ不足に陥りやすくなります。
加えてパソコンゲームや動画編集など高度な処理性能を要するタスクは、メモリ4GBでは対応が困難な場合が多いと言えるでしょう。
近年は『GeForce Now』などクラウドサービスが普及し、ブラウザを介して重い処理はサービス側で行うケースも増えました。つまり「従来よりは性能の低いPCでも重い処理が可能になってきた」のは事実です。
それでもブラウザそのものに求められる要件も高まっており、やはり4GBは「モダンではない」と言えるでしょう。

特に最新のAAAゲーム(例:サイバーパンク2077)などをプレイしたい場合や、Adobeのソフトウェアなどで高度な動画編集をするならば16GB以上のメモリは必要です。

メモリ4GBなど低スペックのPCでWindows 11を使うには
「メモリ4GB」のスペックは、メモリの要件という一点のみにおいてはWindows 11へのアップデート要件を満たしています。しかし実際にWindows 11をメモリ4GBのPCで使う場合、メモリ以外の要件がアップデート要件を満たしていない可能性があります。
また仮にアップデートを行ってもブラウザに加えてCopilotなどの機能が結果的にマルチタスク状態となり、フリーズが頻発するリスクがあります。
そのためメモリ4GBのPCでWindows 11を使うのはおすすめできません。なおChromeOSなどのOSも同様であり、実際に筆者の手元にはメモリ4GBのChromebookがありますが、ブラウザを立ち上げるのも困難なほど動作が重いです。
その上でどうしても低スペックのPCでWindows 11を使いたい場合、『Tiny11』というWindows 11をベースに軽量化したOSを使うのが一案です。ただし本稿では詳しく『Tiny11』とは何か、触れることはしません。もしも興味がある方は、自己責任でTiny11を使うのも一案です。
※サムネイル画像は(Image:「Amazon」より引用)