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ブルーレイはオワコン? 録画媒体としてDVDの代替になり切れなかった理由とは

高画質・大容量を誇る次世代メディアとして、DVDの後継的な立ち位置にあったブルーレイ。一方、HDDやSSDの台頭とともに、需要が減少し、「オワコン」と言われることも少なくありません。

この記事では、ブルーレイがなぜDVDの代替になり切れなかったのか、分かりやすく解説していきます。

ブルーレイはオワコン?

ブルーレイが「オワコン」と言われるようになった一番の原因は、単純に生産量が減っていることです。たとえば2025年2月にはソニーがブルーレイディスクの生産終了を発表しています。

さらに一般社団法人日本映像ソフト協会の調査結果によると、2024年のビデオソフトの売上本数はブルーレイが約1,023万本に対し、DVDは約1,139万と、若干ではあるもののDVDが上回っています。

つまり、そもそもブルーレイはDVDの後継という立ち位置だったにも関わらず、売上本数では2024年時点でDVDを下回る結果になっています。

ブルーレイとDVDの基本的な違い

ブルーレイとDVDの基本的な違い1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)
この記事の画像(5枚)

ブルーレイとDVDの違いは一言で言えば「容量」です。ブルーレイは容量が大きく、高画質・高音質に対応。ブルーレイは最大50GB(2層)まで記録可能で、DVDの8.5GB(2層)を大きく上回ります。これにより、ブルーレイは1080pや4Kの高解像度映像を保存できます。一方、DVDは480pの標準画質に限られます。

一方でDVDは安価で、たとえばレンタルなど「低コスト視聴」に適しています。DVDは読み取りスポットが大きく、軽微なスクラッチに耐性があり、適切な保管で10年以上持つことも大きなポイントです。ブルーレイはスクラッチの耐性などにおいてDVDよりも難があり、こうした「安価かつ耐性がある」点はDVDが「廃れそうで廃れず、ブルーレイが普及した今でもかなりの存在感がある」要因でもあるでしょう。

中途半端な媒体としての「ブルーレイ」

ブルーレイはDVDの上位互換として登場しましたが、結果的に「中途半端な媒体」と評価されることも少なくありません。

ブルーレイの容量は2層の場合で50GB。DVDは片面2層で最大8.5GBのため比較すると非常に大きいものの、ブルーレイが本格的に流通し始めた2006年はHDDの容量が増加している時期でもあり、100GB以上のHDDは当然ながら、200GBのモデルも登場していました。

振り返ると、ブルーレイの立ち位置は「DVDより高価なものの、HDDよりは容量が少ない」というもの。そのため、HDD、SSDなどが低価格化していく中でブルーレイは需要を失っていったと言えます。

ブルーレイが「DVDの代替」になり切れなかった理由とは

ブルーレイがDVDの代替としていまいち成功できなかった理由は、やはりHDDやSSDが登場したこと、耐久性の低さ、4Kに対応していないことなどが挙げられます。

録画用途が「HDDやSSD」に代替された

先述した通り、ブルーレイは、テレビ番組や映像の録画・保存媒体として期待されていましたが、実際にはHDDやSSDといった大容量・高速アクセスが可能な記録媒体が急速に普及し、役割が限定的に。HDDやSSDは繰り返し書き換えができ、操作も簡単で、ディスクの入れ替えや保管の手間もないことから普及していきました。

操作性や耐久性がDVDと大きくは変わらない

操作性や耐久性が「DVDと大差ない」1
(画像は「photoAC」より引用)

VHSやベータマックスからDVDへの移行時には、画質や耐久性、操作性の面で劇的な向上がありました。DVDからブルーレイへの品質向上は、一部のユーザーにとってはそれほど決定的な差とは感じられなかった可能性があります。

事実としてDVDとブルーレイは操作性や耐久性が大差なく、むしろ「耐久性」の一点のみを見ればDVDの方がブルーレイより優れているという見方もあります。

ブルーレイとDVDの差は、一般ユーザーが体感しやすい点のみに絞るといわば「容量」とそれに紐づく画質のみと言っても過言ではないでしょう。

ブルーレイはフルHD以上の高画質・高音質を提供しますが、全ての消費者がその品質向上を必要としているわけではありません。特に、比較的小さな画面での視聴や、ドラマ、バラエティ番組の録画など、コンテンツの種類によっては、DVDの標準画質(SD)でも十分に満足できると考えるユーザーは少なくありません。

地上波放送と4K

ブルーレイはオワコン? 録画媒体としてDVDの代替になり切れなかった理由とはの画像1
(画像は「Shutterstock.com」より引用)

なおフルHDや4Kといった高画質を「多くのユーザーが必ずしも必要としていない」背景には、地上波が4Kに原則対応していないことも挙げられるでしょう。地上波放送(地デジ)では、現時点では4K放送は実施されていません。家庭で4K放送を楽しむには衛星放送(BS・CS)のみとなります。

「お茶の間のテレビ」の買い替え需要は、BS・CSよりは「地上波」の影響度が大きいことも否めません。地上波が4K対応しないならば4K/8K対応テレビを購入する動機が薄く、お茶の間のテレビが10年~15年ほど前に購入したテレビのままという家庭も多いのでは。

すると「そもそも4K対応していない地上波の録画」を「古い液晶で見る」のではブルーレイとDVDの差がそもそも感じづらく「キズにより強いDVDを優先する」方も多いと考えられます。

販売・レンタル用途としての「ブルーレイ」「DVD」

ブルーレイはオワコン? 録画媒体としてDVDの代替になり切れなかった理由とはの画像2
(画像は「Shutterstock.com」より引用)

なお、「コストが安価」「キズに強い」というDVDの特徴は、販売・レンタル需要においても「DVDがブルーレイに完全には代替されなかった」ことに強く影響している可能性があります。

この記事をお読みの方の中にも、レンタルビデオ店でブルーレイの作品を借りようとすると店員さんから「この作品はブルーレイですが、よろしいですか?」と確認をされた経験がある方は多いのでは?

ちなみにDVDの登場は1996年で、普及のきっかけとなったのは2000年のPS2の発売。一方でブルーレイは2003年に登場。DVDの次世代規格というイメージが強いブルーレイですが、実はDVD登場からわずか7年でブルーレイは世間に登場しています。「どちらも20年以上の歴史がある」という点で、両規格はどちらも定番であることに違いはありません。

それにもかかわらずDVDがブルーレイ以上に定番であり続けているのは、VHSのライブラリを操作性や耐久性の面からDVDが一新した歴史があり、なおかつDVDが極めて耐久性に優れ、20年以上の時間が経っても「販売・レンタル用途として現役であり続けているから」だと言えるのではないでしょうか。

たとえば筆者(30代半ば)は00年代初頭に『マトリックス リローデッド』のDVDを親戚から譲ってもらいました。譲ってもらった時点でディスクにはそれなりにキズがありましたが、同じディスクが2025年現在でも再生できます。

高精細なディスプレイで視聴すると画質の古めかしさは否めませんが、「同じディスクが20年以上経っても視聴できること」がそもそも驚異的な耐久性です。媒体としての現役感が今でもあります。

こうしたライブラリが家庭から中古販売店、レンタルビデオ店まで行き渡っていることを踏まえると、ブルーレイがDVDを置き換える上でのアピールポイントが「画質」に限られていたのは、力不足だったのかもしれません。

ブルーレイの今後について

ブルーレイの今後について1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

今後のブルーレイ市場は、主流メディアとしての地位を失いながらも、一部のコレクターやプロ用途、インターネット環境が整っていない地域などで細々と存続していくと考えられます。映画やアニメをコレクションしたい人、高画質・高音質にこだわる層、あるいは長期保存が必要な業務用途では、ブルーレイの需要が残るでしょう。しかしこれらの需要はストリーミングサービスやデジタル配信の利便性、HDDやSSDの進化に対しては「限定的でニッチなもの」とも言えます。

総じて今後は人気コンテンツのボックスセットなど高付加価値商品や、限定的なニッチ市場での活用が中心となるでしょう。

※サムネイル画像は(Image:​「Amazon」より引用)

スマホライフPLUS編集部

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