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その激安ノートPC、本当に大丈夫?「魔改造Windows 11」に要注意!

Windows 10のサポートがいよいよ10月に終了することもあり、中古パソコンの購入を考えている人も多いでしょう。最近、ネットでは2~3万円の激安ノートパソコンをよく見かけます。CPUはCore i5、メモリ8GB、SSD256GB、OSはWindows 11でこの値段ならお買い得ですよね。でも、なかには本来Windows 11がインストールできないはずの“魔改造パソコン”も含まれているので、少し注意が必要なんです!

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(Image:sdx15 / Shutterstock.com)
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ネットで見かける「魔改造パソコン」って何?

ネットショップで中古ノートパソコンを探してみると、CPUはCore i5、メモリ8GB、SSD256GB、OSはWindows 11をインストール、Officeまでついているものが2~3万円ほどで売られています。

しかし、なかにはどう見てもWindows 11に対応できないはずの、かなり古いパソコンに無理やりWindows 11がインストールされている製品も見受けられます。

そもそも、Windows 11のシステム最小要件はCPUが1GHz以上、メモリは4GB以上、ストレージは64GB以上となっていますので、10年くらい前のパソコンでも十分クリアできます。

しかし、UEFIセキュアブートやTPM2.0にも対応しないといけないので、実際には6年~7年くらい前のパソコンでもクリアできない場合もあるんです。

それなのに、ネットでは10年以上前の古いノートパソコンに平気でWindows 11をインストールして販売しているのですから、不思議な話ですよね。これって、いったいどういうことなのでしょうか?

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こちらは、Core i5でメモリ16GB、SSD512GB、OSはWindows 11というスペックなのに、3万999円と激安で売られていますが、実はこれ魔改造パソコンなんです!(画像はAmazon公式サイトより引用)

本来、2017年の第8世代Core i以上でないとWindows 11はインストールできないはず!

実は、Windows 11のシステム最小要件をクリアできるCPUは、Microsoftが「第8世代Core iシリーズ」以降だと公表しています(ごく一部で第7世代も対応)。

第8世代のCore iシリーズは2017年にリリースされているので、それ以前のモデルでは本来Windows 11はインストールできないんですね。

先ほど紹介したノートパソコンは、第6世代のCore i5を搭載したdynabookですからおそらく2016年頃のモデルであり、当然、Windows 11には非対応のはず。「じゃあ、違法にWindows 11をインストールして売っているのか!?」と思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。

実は、Microsoftは過去にシステム最小要件を回避してWindows 11をインストールできる方法を公開していました。そのため、専用ツールを使うと簡単にできてしまうので、これは違法とまでは言えないんですね。

さすがに、2025年10月にはWindows 10のサポートが切れるのに、今さらWindows 10のパソコンを買う人はいないので、中古パソコン業者もこのような魔改造を施しているのでしょう。

それでは、どうやって魔改造パソコンを見分ければいいのでしょうか? IntelのCPUの世代を見分けるのは意外と簡単です。たとえば、第7世代のCore i7は「Core i7-7700K」のように、Core i7の後ろの数字が“7”で始まります。第8世代なら「Core i7-8700K」、第12世代なら「Core i7-12700K」となっているのです。

●Microsoft「Windows 11でサポートされている Intel プロセッサ」は→こちら
●Microsoft「Windows 11でサポートされている AMD プロセッサ」は→こちら

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こちらがIntelのCPU「Core iシリーズ」の発売日と表示例です。基本的には第8世代以降がWindows 11のシステム最小要件をクリアできると覚えておきましょう(表はIntel公式サイトを基に筆者が独自に作成)

魔改造パソコンは絶対に避けたほうがいいのか?

ネットショップで大量に販売されている中古パソコンのなかには、本来はWindows 11に対応しないのに、無理やりWindows 11をインストールしている魔改造パソコンがあることをお分かりいただけたと思います。

実は、筆者も9年前の古いパソコンにシステム最小要件チェックを回避してWindows 11をインストールしてみましたが、まったく問題なく動いています。

おそらく、ネットでこのような魔改造パソコンを購入しても、当初は普通に使えるでしょう。しかし、今後のメジャーアップデートに対応できるとは限りません。実際、システム最小要件のチェックを回避したパソコンではWindows 11の「24H2」にアップデートできませんでした。

そのような事情を承知したうえで、とりあえず1~2年だけ2万円くらいでWindows 11の魔改造パソコンを使いたい。あるいは、文章を書いたり写真の加工だけでオンラインでは使わないといった用途であれば、まったく問題ないと思われます。もちろん、その場合でもメモリは8GB以上、SSDは256GB以上のモデルがオススメになります。

「いやいや、そんな魔改造パソコンなんてとんでもない!」と感じる人は、やはり正式にWindows 11のシステム最小要件をクリアできる第8世代以降のCore iシリーズにしておいたほうが、安心して長く使えるでしょう。

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こちらはCPUがCore i5-8250U(第8世代)のノートパソコン。Windows 11でサポートされたCPUなので、おそらく正式にWindows 11にアップグレードされたものだと思われます(画像はAmazon公式サイトより引用)
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念のためLenovoの公式サイトで調べてみたところ、この「ThinkPad L380」はWindows 11のアップグレード対応製品であることが確認できました(画像はLenovo公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 今回は中古パソコンを購入するときに気をつけたい魔改造パソコンについて解説しました。

システム最小要件を回避してWindows 11をインストールしたくらいで“魔改造”と呼ぶのは大袈裟な表現だと思う人もいるでしょうが、こうした事情を何も知らずに買って後悔する人もいるはずなので、今回は警告の意味も込めてあえてこのような表現にしています。

中古パソコン業者側も、せめて「この製品はシステム要件を回避してWindows 11をインストールしています」くらいの注意書きをすべきだと思うのですが、現状では野放しになっています。

Windows 10のサポート終了に向けて、今後、中古パソコンを購入するつもりの人は、このような製品も紛れていることは覚えておいたほうがいいでしょう。

※サムネイル画像(Image:sdx15 / Shutterstock.com)

すずきあきら

すずきあきら

編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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