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ChatGPTの略称『チャッピー』が流行語に?「ググる」はオワコンになったのか

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(Image:Ascannio / Shutterstock.com)
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ここ数年、インターネットにあまり詳しくない人からも大きな注目を集めているのが、OpenAIの提供する対話型AI「ChatGPT」です。ChatGPTは、通称「チャッピー」とも呼ばれ、第42回「新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、社会的な広がりを見せています。ChatGPTは単なるソフトウェアやITサービスの域を超え、幅広い人にとって身近な存在と化したと言えるのではないでしょうか。

加えて、かつて「インターネットで検索する」ことを「ググる」と表現したように、「ChatGPTをはじめとしたAIに相談する」という新しい行動様式を指して「ジピる」という言葉も広がりつつあります。

「ググる」から人々の行動が「チャッピーでジピる」へと移り変わると、社会にはどのような変化が起きるのでしょうか。

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(画像は「ChatGPT」より引用)

「ググる」と「ジピる」の違い

この記事をお読みの方のなかにも、日常的な疑問やハウツーはGoogle検索に頼らず「チャッピー」に尋ねるようになった方も多いのではないでしょうか。

「ググる」と「ジピる」の違い1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

従来の「ググる」という行為は、検索結果として提示される無数のウェブサイトやブログのなかから、自分で情報を取捨選択し、「正しい」答えや必要な情報を見つけ出す努力を必要としました。情報源には文責を持った人間が存在するものの、玉石混交の情報の渦から、真実を選び出すという過程そのものが、時に疲れる作業となり得ます。

一方、「ジピる」は、AIが取捨選択・要約した回答を即座に提示します。ユーザーの問いかけに対し、AIは「正解」に近い、整理された答えを返してくれるため、「正しい回答が返ってくる」という明確な成果をユーザーに提供します。

良い意味でも悪い意味でも、個別最適化された簡潔かつ正解に近い情報を求める人は多いと言えるでしょう。情報探索の深さやその過程そのものを日常的に求める場面は、それほど多くないとも言えるかもしれません。

エモーショナルな利用を後押しする「AI彼氏」と性的表現の解禁

「チャッピー」の真価は「ググるの代替」に留まらず、より情緒的な利用もできることにあります。たとえば「AI彼氏」を作り、そのAIと情緒的なコミュニケーションを取るケースも国内で広がり始めています。

このような情緒的な利用をさらに後押しする動きとして、ChatGPTを提供するOpenAIが、成人ユーザーを対象に性的表現や恋愛的対話を含む「大人向けモード」を年齢認証付きで導入する方針を打ち出しています。

「ググる」と「ジピる」の違い1
(画像は「X」日本公式アカウントより引用)

なお、AIの擬人化といえばすでにXのAIであるGrokがAIコンパニオン「Ani」や「Mika」などのキャラクターを打ち出しています。実際、キャラクターに露出度の高い衣装を着せるプロンプトが流行したり、「好感度パラメータ」が存在するなど、「AIと恋愛すること」に前向きな機能であるという見方もできます。

人間関係に疲弊し、共感を求めるユーザーにとって、カスタマイズ可能で、常に理想的な反応を返してくれる「チャッピー」は、今後ますます心のよりどころとなっていく可能性があります。

人間の仕事は「AIへのデータベース入力」に変わるのか

人間の仕事は「AIへのデータベース入力」に変わるのか1
(Image:Shutterstock.com)

AIが大量のデータ分析や計算、また情報の生成に長けていることは周知の事実です。さらに今後は性的表現や恋愛的対話も含む「情緒的なやり取り」にもAIが用いられることは、何を意味するのでしょうか。

たとえばジャーナリストの未来の仕事像について考えてみましょう。

AIはすでに大量のデータを瞬時に分析し、事実確認を強化したり、記事の骨子を自動生成したりする段階にあります。これにより、ジャーナリストの仕事は、AIでは代替し難い「深い洞察力や人間性を要する取材、論評、分析」に特化していくという見方が一般的です。

しかし2025年時点ですでに「AI彼氏」が誕生しており、今後、AIによる性的表現や恋愛的対話が一層進歩すると見られるなかで「人間性を要する取材や論評」だけはAIに置き替えられないというのはやや楽観的な見立てでもあります。恋愛的対話は「人間性」の最たるものの一つです。

そのため急進的な見立ても、水面下では広がりつつあります。それは、ジャーナリストや知識人の仕事が、AIという巨大なデータベースに「情報」を入力し、選別するだけの作業に変わるのではないか、というものです。記事やレポートという「アウトプット」を生み出すのはAIであり、人間はそのAIを賢くするための「インプット(データ)」を提供する存在になるという役割分化です。

同様に、小説や音楽、映像といった創作物の分野でも、人間が提供した膨大なデータ(データベース)をAIが学習し、ユーザーの過去の嗜好や現在の感情に完璧に個別最適化された「好きなもの」を生成・提供する流れが加速していくと予想されます。

ウェブ(網)からコクーン(繭)へ

今後は、情報との接し方が「ググる」という広大な「網(ウェブ)」のなかから自分で答えを探す行為から、「ジピる」という個別最適化された「正解」を求める行為に変わっていくでしょう。

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、このAIの進化によって、社会がグローバル化し開いてきた世界から、文化的に閉じ込められた状態になる可能性を指摘しています。世界中の情報が混じり合う「網(ウェブ)」という比喩に代わり、未来は、人々が自分に最適化された情報だけに囲まれた「繭(コクーン、Cocoon)」のなかにあるのかもしれないと述べています。

「ググる」のオワコン化と「チャッピー」「ジピる」の台頭は、良くも悪くも、オープンで多様で、そして人間が文責を持っていた「ウェブ」の世界の終わりを意味するのかもしれません。

※サムネイル画像は(Image:Ascannio / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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