近年、大学生のレポートで生成AIが活用されていることが話題になっているが、社会人は実際にどの程度、業務で生成AIを活用しているのだろうか。また、生成AIを使用した際その事実を上司に報告しているのかも気になるところだ。今回は、仕事における生成AIの活用状況に関する調査結果を紹介しよう。

約4割が生成AIを日常的に活用、最多は定型的なメール・文書作成

インターグは2025年11月11日~14日にかけて、日本国内で企業に勤める20代〜30代の男女535人を対象に、仕事における生成AIの利用実態と意識に関する調査を実施した。
「あなたは現在、仕事で生成AIをどの程度の頻度で利用していますか?」と尋ねたところ、最も多かった回答は「利用しない」で59%だった。一方で、「ほぼ毎日」が12%、「週に2~3日」が16%、「週に1回」が13%と続き、これらを合わせると約4割が仕事で日常的に生成AIを活用していることがわかった。

続いて、「生成AIを利用している業務はどれですか?」と尋ねると、「定型的なメール・文書の作成」が20.4%で最多に。作業頻度が高く、生成AIの活用効果を実感しやすいことが、利用拡大の背景にあると考えられる。次いで、「専門的な知識が必要な問題解決」が18.5%、「データ入力・集計」が17.0%、「会議の議事録作成・要約」が15.7%と続いた。全体的に数値が伸び悩んでいることから、扱う情報の内容や機密性を理由に、生成AIの活用を慎重に判断している企業も多いと考えられる。
生成AIの活用について約7割は上司に報告せず

約4割が日常的に生成AIを活用していることが明らかになったが、実際に使用したことをどの程度伝えているのだろうか。「生成AIを活用して作成した成果物を、上司や同僚に提出・報告する際、AIを使ったことを伝えますか」と尋ねたところ、「必ず伝える」が10%、「状況に応じて伝える」が31%となり、約4割が何らかの形で報告していることがわかった。一方で、「全く伝えない」「ほとんど伝えない」を合わせると約6割にのぼり、上司に伝えていない人が多数派であることもわかった。

また、「AIを使ったことを上司に伝えることに抵抗を感じますか?」という質問に対しては、「全く感じない」「あまり感じない」を合わせて約7割が「抵抗を感じない」と回答した。生成AIの活用が一般化していることを背景に、報告に対する心理的なハードルは以前より低くなっているといえそうだ。
社会人の約4割が日常的に生成AIを活用している一方で、その利用を上司に報告していない人が多数派であることがわかった。生成AIの利用によって、業務効率の向上や定型作業の負担軽減が進む一方で、業務内容によっては機密情報の漏洩や、創造性が求められる業務での類似情報の提示など、リスクを伴う場合もある。生成AIを上手に活用するためには、活用ルールの明確化と社内での共有が不可欠だろう。
出典:【インターグ株式会社】
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