新しいSDカードを買ったからといって、古いSDカードをそのまま捨ててはいけません。データをゴミ箱に入れたりパソコンでフォーマットしただけでは、意外と簡単に復元することが可能なんです。もし、プライベート写真や重要な機密データなどが流出したら取り返しがつかなくなる可能性があります。そこで今回は、不要になったSDカードのデータを安全に消去する3つの方法を紹介します。

SDカードをフォーマットしてもデータは意外と簡単に復元できる!
不要になったSDカードを廃棄するときに気になるのが、データの流出です。
たとえば、パソコン上からSDカードのデータを消去しても(ゴミ箱に入れる)、パソコンからファイルが見えなくなるだけで、データ自体は残っているため、無料のソフトでも簡単に復元できてしまいます。
また、パソコンでフォーマットした場合でも専用ソフトを使えば、ある程度はデータを復元できてしまうので、この状態でSDカードを廃棄するのは非常に危険だと言えるでしょう。
実際、誰でも利用できるソフト「Recuva(無料版)」を実行してみたところ、ただデータを削除しただけの状態では、アッという間にすべてのデータを復元できてしまいました。
このように、専用機材や知識がない人でも、SDカードのデータは無料の復元ソフトでも簡単に復元できるので、やはりそれなりに対策してから廃棄しないと、データが流出する可能性が高いと考えておくべきでしょう。
●CCleaner.com「Recuva」は→こちら



【1】Windows標準機能「diskpart」で消去
まず紹介するのは、Windowsのコマンドプロンプトで実行できる「diskpart」を使って、SDカードのデータをほぼ復元できないようにする方法です。
そもそもdiskpartは、fdiskに代わるディスクパーティションツールですが、「list disk」コマンドでパソコンに接続されたすべてのディスクを表示でき、「clean all」コマンドを実行すると、ディスク全体にゼロデータを書き込むため、SDカードの全セクタをほぼ完全に消去できます。
その方法は、まず、キーボードで「Windows」+「R」キーを同時に押すと「ファイル名を指定して実行」が表示されるので、「diskpart」と入力し「OK」をクリック。
これで、英字が表示された黒い「コマンドプロンプト」が表示されるので「list disk」と入力して「Enter」キーを押しましょう。
すると、パソコンに接続された全ディスクが表示されますので、削除したいSDカード(容量で確認)のディスク番号を確認し、「select disk 〇〇(SDカードの番号)」と入力したら「Enter」キーを押します(番号を絶対に間違えないよう注意してください)。
「ディスク○○が選択されました」というメッセージが表示されたら、最後に「clean all」と入力して「Enter」キーを押せば、SDカードのデータがほぼ完全に削除されます。
もし、SDカードの番号を間違えてしまうと大変なことになりますので、関係ないUSB HDDなどはすべて外してから、必ず自己責任で実行してください。
「diskpart」を使ってSDカードのデータを削除する手順




【2】SDカード対応の完全削除ソフトを利用する
パソコンにあまり詳しくない人は、何となく“黒い画面のコマンドプロンプトに抵抗がある”かもしれませんね。そのような場合は、SDカードにも対応したGUIで簡単操作できるソフトを使うのがおすすめ。
今回は、基本機能なら無料で使えるうえ、初心者でも直感的に使えるシェアウェア「EaseUS Partition Master Free」を紹介しましょう。
本来は、簡単にパーティションの作成、サイズ変更、削除ができる便利なツールですが、「ワイプ」機能を使うと0や1でデータを上書きしてからパーティションを消去しますので、復元はほぼ不可能になります。
まずは、EaseUS Partition Masterの公式サイトで「無料ダウンロード」でソフトを入手。次に、ソフトをパソコンにインストールして起動しましょう。
続いて、表示されたドライブのなかからSDカードを選択して「ワイプ」を押します(確実にSDカードを選んでください!)。
すると「データを削除」という項目が表示されるので、回数を1~10のなかから選び、「OK」をクリックします。データ除去の回数は、基本的には「1回」で問題ありません。
続いて、「1個のタスクを実行」というボタンをクリックした後、「保留中の操作」という画面が表示されたら「適用」をクリックすれば処理が開始されます。
「操作は正常に終了されました」という画面が表示されたら、SDカードのデータはほぼ完全に削除されています。
EaseUS Partition Masterは分かりやすいGUIで簡単操作できるので、パソコンに詳しくない人でも使いやすいと思いますが、やはり、ソフトの利用は自己責任でお願いします。
●【公式】EaseUS Partition Masterは→こちら
「EaseUS Partition Master」でSDカードのデータを消去する手順



【3】SDカードを物理的に破壊する
ここまで紹介した方法は、SDカードを売却したり譲渡して再利用するときに有効な方法ですが、そもそもWindowsパソコンがないとできません。
もし、そのSDカードを二度と使うことがないなら、物理的に破壊して廃棄するのがもっとも確実な方法になります。
SDカードの内部にはチップが入っていますので、ペンチやハサミでケースを解体して、チップをハンマーなどで物理的に破壊してしまえば、専門業者でもデータ復元はほぼ不可能になります。
ただし、SDカードはプラスチック製で、破壊すると破片が鋭利になるため、ゴーグルや手袋を着用してケガをしないように作業してください。


まとめ
今回は、不要になったSDカードのデータを安全に消去するための3つの方法を紹介しました。
もし古いSDカードを再利用しないのであれば、物理的に破壊する方法が最も確実でしょう。



