昨今のデジタル社会において、仕事に欠かせない存在となっているパソコン。メーカーにはMicrosoftのWindowsやAppleのMacなどがあるが、WindowsでもMacでもない独自OS「Chrome OS」を搭載した「Chromebook」は、ビジネスシーンでどのような立ち位置にあるのだろうか。
そこで今回MM総研は、WindowsパソコンとChromebookを利用する組織ユーザー(企業・自治体などの公共機関)を対象に、パソコン端末の調達・運用におけるコスパや、端末に起因する業務停止時間の比較、さらにタイパに関する調査を実施した。

Chromebookはコスパに優れている?

ChromebookはWindowsと機能面で異なるため、Windowsで作成したファイルの修正やプリントなどをうまく活用できないといった意見もあったが、近年はChromebookの利用でクラウド活用が進み、組織の活動が効率化・高度化されたというポジティブな評価も増えている。
今回の調査結果から、パソコンの導入や運用に関するコスト比較結果を見てみると、なんとChromebook1,000台を5年間運用する想定で試算した結果、Windowsと比較し約2.5億円の費用を削減できることが明らかになった。主に端末費用やMDM費用、SASE費用などがコスト削減に大きく貢献していることが分かる。Chromebookではクラウドプロキシへのセキュリティ対策に集中できる点も、コスト削減に寄与しているとみられる。
情報システム部門の作業時間は驚異の98%削減

今回の調査で、パソコンの導入や運用コストを比較したところ、Windowsが3,153時間であるのに対し、Chromebookは驚異の65時間という数字を叩き出した。年間で3,000時間以上の作業時間を短縮でき、その削減率は98%となるという。

関連し、組織内パソコンユーザーの業務停止時間についても比較を見てみると、ハード故障を除いたパソコン起因の業務停止時間は、Windowsが625時間に対し、Chromebookは10時間で615時間削減できることが判明。起動から実働開始まで時間がほぼなくなり、基本ソフト(OS)アップデートのダウンタイムも発生しないのが強みだという。
これらの結果から、ビジネスシーンにおけるコスパやタイパの観点からでも、Chromebookの利用を検討する価値は十分にあると言えるだろう。
出典:【MM総研】
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