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「5万円台ノートPC」が買えなくなる? Gartnerが2028年までに”格安PC消滅”を予測

ノートPCの価格タグが上昇する様子を表すイメージ画像
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

「安くて普通に使えるPC」が、もう手に入らなくなるかもしれません

「動画を見て、WordとExcelが使えれば十分。だからPCは5万円くらいので……」——そんなふうに考えている方、いらっしゃいませんか? 実はいま、その”当たり前の選択肢”が消えようとしています。

世界的な調査会社Gartner(ガートナー)が、2026年春に衝撃的な予測を発表しました。その内容はずばり、「500ドル(約7.5万円)以下のエントリーモデルPCは、2028年までに市場から姿を消す」というもの。しかもこれは一時的な品薄の話ではなく、PCのコスト構造そのものが壊れ始めているという、かなり根本的な問題です。

この記事では「なぜ安いPCが作れなくなるのか」「私たちの買い物にどう影響するのか」を、できるだけ噛み砕いてお伝えします。

“犯人”はメモリ(RAM)の価格高騰

BOM(部品原価)を圧迫するRAMコスト

安いPCがなくなる原因は、ずばりRAM(メモリ)の価格が急騰していることにあります。

PCを1台作るには、CPU、GPU、メモリ、SSD、マザーボード、電源、ファン、ケースなど多くのパーツが必要です。この部品代の合計を業界用語で「BOM(Bill of Materials=部品表)」と呼びます。いわばPCの”原価表”です。

Gartnerによれば、BOMに占めるRAMのコスト比率が2025年の16%から、2026年には23%にまで急上昇する見込みとのこと。たった1年で7ポイントもの増加は異常事態です。

(ここに画像挿入:BOMに占めるRAMコスト比率の変化を示す棒グラフ(2025年16% → 2026年23%予測))

なぜRAMがこんなに高くなったのか

背景にあるのは、AIブームによるメモリ需要の爆発的な増加です。ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の学習・推論には、大量の高速メモリが必要です。データセンター向けにDRAMやHBM(高帯域幅メモリ)の需要が急増した結果、PC向けのメモリにもしわ寄せが来ています。半導体メーカーは利益率の高いAI向け製品の生産を優先するため、一般消費者向けPC用メモリの供給が細くなり、価格が押し上げられているのです。

実際にHP(ヒューレット・パッカード)は「わずか四半期(3か月)でBOMに占めるメモリコストの比率が2倍になった」と証言しています。これはメーカー自身が悲鳴を上げているということです。

具体的に何が起きるのか——数字で見るインパクト

Gartnerが提示している数字を整理すると、状況の深刻さがよくわかります。

PC市場を直撃する3つの数字

2026年のPC出荷台数:前年比10.4%減。 これは過去10年以上で最大の落ち込みです。スマートフォンも8.4%減と予測されており、デバイス市場全体が冷え込む見通しです。
RAMとSSDのコスト:2026年末までに130%上昇。 年末にかけてさらにコストが積み上がります。
PC販売価格:2025年比で約17%アップ。 メーカーがコストを吸収しきれず、値上げ分がそのまま消費者に転嫁される構図です。
(ここに画像挿入:上記3つの数字をインフォグラフィック風にまとめた図)

打撃が最も大きいのは「エントリーモデル」
ここがポイントです。10万円、15万円のPCであれば、部品代が上がっても利益の余裕(マージン)で多少は吸収できます。しかし5万〜7万円台の格安モデルは、もともとのマージンが極めて薄い。RAMコストが23%にまで膨らむと、メーカーは赤字覚悟で売るか、そもそも製品ラインから外すかの二択を迫られます。

Gartnerのシニアディレクターアナリスト、ランジット・アトワル氏はこう断言しています。「コストの急激な上昇により、メーカーがコストを吸収する余地がなくなり、薄利のエントリーモデルは成立しなくなる」と。つまり”格安PC”は慈善事業でもやらない限り作れない、ということです。

「AI PC」の普及にもブレーキ

もう一つ見逃せないのが、AI PC(Copilot+ PC)への影響です。

MicrosoftとQualcomm、Intel、AMDが推し進めてきた「NPU搭載のAI対応PC」は、2025年〜2026年にかけて市場の半分を占めると期待されていました。しかしGartnerは、メモリ高騰によりAI PCの価格も上がるため、50%の市場浸透は2028年までずれ込むと予測しています。

AI PCはそもそも通常モデルより高いスペック(=高いRAM容量)を求められるため、メモリ価格の影響をモロに受けます。「AIで便利になるからPCを買い替えよう」というシナリオが、コスト面から先送りされる形です。

今すぐ買うか、”塩漬け”か

選択肢A:今すぐ買う(特に格安PC狙いなら)

もしあなたが「5万〜8万円くらいのノートPCを探している」なら、正直に言って、今が最後のチャンスに近いです。2026年後半〜2027年にかけて価格はさらに上がり、選べるモデルも確実に減ります。在庫があるうちに手を打つのが合理的な判断です。

選択肢B:今のPCを限界まで使い倒す

Gartnerは、PC価格の高騰によって消費者のデバイス保有期間が2026年末までに約20%延びると見ています。つまり「高いから買い替えない」人が大量に発生するということです。

ただしここには落とし穴があります。Windows 10の延長サポートは2026年10月に終了予定。サポート切れのOSを使い続けることは、セキュリティ上の大きなリスクを抱えることを意味します。「買い替えない」選択にも、別のコストがかかるのです。

PCの”当たり前”が変わる転換点

今回のGartnerの予測は、単なる一アナリストの見立てではなく、HPの実データやメモリ市場の需給動向と一致する、説得力のあるシナリオです。

「安いPCはいつでも買える」という時代は、静かに終わりを迎えようとしています。

PCの買い替えを考えている方は、まず以下の2点をチェックしてみてください。

・今使っているPCのOSとサポート期限を確認する(Windows 10なら2026年10月が期限)
・予算5〜8万円で狙えるモデルを今のうちにリストアップしておく(価格比較サイトのお気に入り登録が便利です)

「もう少し安くなったら……」と待っていると、選択肢そのものがなくなるかもしれません。動くなら、早いほうがいい——それが、今回のデータが示しているメッセージです。

出典:【Techrader

※サムネイル画像はスマホライフPLUS編集部が作成したものです。

スマホライフPLUS編集部

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