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Copilotキーを押すと”おなら”が鳴る?脱力系アプリが映すMicrosoftへの不満

Copilotキーを押すと\
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

Windows PCのキーボードに、いつの間にか見慣れないキーが増えていることに気づいた方も多いのではないでしょうか。2024年1月、Microsoftが「約30年ぶりとなるWindowsキーボードの重要な変更」と銘打って発表したCopilotキー。AI機能を一発で呼び出せる専用キーですが、ユーザーの評判は必ずしも芳しくありません。

そんな中、このCopilotキーを押すたびに”おなら”の音が鳴るという、なんとも脱力系のWindowsアプリが海外のRedditで話題になっています。ふざけているようで、その裏にはMicrosoftのAI戦略に対するユーザーの複雑な感情が透けて見えます。

話題の珍アプリ「TypeFart」とは何か

そのアプリの名前はTypeFart(タイプファート)。名前の通り、キーボードのキーを押すたびに”おなら”の効果音が鳴るという、シンプルかつ強烈なコンセプトのWindows向けアプリです。キーボードだけでなく、タッチパッドを操作した際にも奇妙なサウンドが再生されます。

サウンドのバリエーションは4種類。「fart(おなら)」「funny(おもしろ)」「keyboard(キーボード風)」「sexy(セクシー)」の中から好みに合わせて組み合わせることができます。Windows 11のシステムトレイに常駐するタイプなので、タスクバーが散らかる心配もありません。

気になる料金と動作負荷

無料ではなく、年額2.99ドル(約450円)のサブスクリプション、または4.99ドル(約750円)の買い切りという2つのプランが用意されています。年額プランには、コミュニティからの機能リクエストへの優先対応や、将来のサウンドパック追加といった特典が含まれます。

「キーを押すたびに音が鳴るなんて、バッテリーの消耗が心配」と思うかもしれません。この点について開発者は、「CPUとRAMの使用量は最小限。入力イベントをリッスンしているだけで、重い処理は一切ない」と説明しています。おなら音のためにパソコンが重くなる、という事態は避けられそうです。

ただし現時点では、特定のキーだけに固有のサウンドを割り当てることはできません。「Copilotキーだけおなら音にして、他は通常通り」という使い方はできないわけです。この点は今後のコミュニティリクエストで改善される可能性もあります。

そもそもなぜCopilotキーは不評なのか

TypeFartが話題になった背景には、Copilotキーそのものへの根深い不満があります。

Microsoftは2024年1月4日、AI PC推進の一環として、新しいWindows PCに専用のCopilotキーを搭載すると発表しました。従来キーボードの右側にあったメニューキー(機種によっては右Ctrlキー)の位置に、AI呼び出し専用のキーが鎮座することになったのです。

問題は、このキーのリマップ(別の機能への割り当て変更)がスムーズにいかなかったこと。Windows 11にはリマップ機能が一時的に用意されていたものの、バグを回避するためにMicrosoftがその選択肢を無効化。現時点でも復活には至っていません。つまり、Copilotを使わないユーザーにとっては「押しても意味のないキー」がキーボードの一等地を占拠している状態が続いているわけです。

こうした状況に対し、Dan Weiss氏をはじめとする有志の開発者たちは「NoCopilotKey」のようなユーティリティを公開。Copilotキーを元の右Ctrlキーとして機能させるツールが登場するなど、ユーザーコミュニティは独自に対処法を模索してきました。TypeFartもまた、そうした「不要なキーを何かに活用したい」という欲求から生まれたアプリと言えるでしょう。

追い打ちをかけた「エンタメ目的限定」騒動

Copilotキーへの不満がくすぶる中、さらにユーザーの眉をひそめさせる出来事がありました。2025年10月24日に更新されたMicrosoft Copilotの利用規約に、「Copilotはエンターテインメント目的限定です(Copilot is for entertainment purposes only.)」という記述があることが、2026年4月初旬にSNSで広まったのです。

規約の該当箇所にはこう書かれていました。

「Copilotはエンターテインメント目的限定です。間違いを犯す可能性があり、意図した通りに動作しない場合があります。重要なアドバイスをCopilotに頼らないでください。Copilotの利用は自己責任です」

Tom’s Hardware、TechCrunchなど複数のメディアがこの問題を報じ、SNSで急速に拡散。「約30年ぶりの大変革と言って専用キーまで作ったのに、エンタメ目的だったのか」という皮肉が飛び交いました。

ただし、MicrosoftはPCMagの取材に対し、すぐにスポークスパーソンを通じてコメントを出しています。

「この表現は、CopilotがBingの検索コンパニオンサービスとして当初ローンチされた際のレガシー(旧来の)表現です。製品が進化した現在、この表現はCopilotの現在の使われ方を反映しておらず、次回のアップデートで修正されます」

要するに「古い文言が残っていただけ」という説明ですが、こうした不用意な表記が残っていたこと自体、Copilotの製品管理体制に疑問を感じさせる一幕でした。なお、OpenAIやxAIなど他のAI企業も類似の免責文言を規約に含めていますが、「エンターテインメント目的限定」という表現はMicrosoft特有の強さがあり、批判が集中する一因となりました。

MicrosoftのAI戦略は「押し売り」から転換できるか

TypeFartの人気、NoCopilotKeyの存在、そして利用規約騒動。これらに共通するのは、ユーザーが「AI機能を押し付けられている」と感じているという事実です。

Microsoft自身もこの空気を感じ取っています。同社のWindows and Devices担当EVP、Pavan Davuluri氏は2026年3月20日、Windows Insiderブログにおいて、Windows 11全体のユーザー体験を改善する計画を発表しました。その一環として、ファンの間で待望されていた移動可能なタスクバーの復活が含まれています。さらに注目すべきは、Snipping Tool、フォト、ウィジェット、メモ帳といったアプリからCopilotの統合を削減する計画が明示された点です。

これは事実上、Microsoftが「AI機能の過剰な露出がユーザー体験を損ねている」と認めたに等しい動きです。

「おならアプリ」が突きつけるもの

TypeFartは確かにジョークアプリです。しかし、Redditで投稿者が「キーを打つたびにおならが鳴るようにしたら、笑いが止まらない(I made my keyboard fart every time I type and now I can’t stop laughing)」と書いたその投稿が大きな反響を呼んだのは、単なるおふざけ以上の共感があったからでしょう。

「使わない機能のために専用キーを割り当てられ、しかもリマップもさせてもらえない」──そんなフラストレーションを、おなら音で笑い飛ばすことで昇華する。TypeFartの人気は、AI時代におけるユーザーの静かな抵抗の表れとも言えます。

Microsoftが2026年のWindows 11改善でどこまでユーザーの声に応えられるか。その答えが出るまで、Copilotキーの「最適な使い道」を巡る議論はまだまだ続きそうです。編集部としては、Microsoftがまず取り組むべきは派手なAIキャンペーンよりも、Copilotキーのリマップ機能の安定した復活だと考えます。ユーザーに選択肢を与えること。それが信頼回復への最短ルートではないでしょうか。

出典:Windows Central

参考:Windows Experience BlogTechCrunchTom’s HardwareMicrosoft Copilot利用規約Wikipedia – Microsoft CopilotWindows Central(Copilot削減計画)TweakTown(NoCopilotKey)TypeFart公式サイト

スマホライフPLUS編集部

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