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意外と知らない、なぜWindows Meは全く人気がないOSだったのか?

2025年10月の「Windows 10サポート終了」が間近に迫りつつあります。Windows 10はWindowsの歴史に残る大成功を収めたOSであり、続くWindows 11はWindows 10ほどの人気を獲得できていない「不人気」感が否めません。

ではWindows 11はWindowsの歴史上「最も不人気である」と言えるのでしょうか?

Windowsの歴史上、最も不人気のOSがどれかという論争には諸説あります。しかし、数あるバージョンの中でも「不人気ぶり」で多くの人々に強烈なインパクトを残したのは「Windows Me」(2000年)でしょう。

今回は、Windows Meはなぜ、全く人気がないOSだったのか解説します。

Windows 95から続く「9x系」最後のOSとしての「Windows Me」

2000年に登場したWindows Meは、Windows 95から続く「9x系」の最後のOSとして開発されました。Windows 9x系はMS-DOSを基に拡張・発展したOSであり、その最後を飾ったのがWindows Meです。

なお冒頭で述べたWindows 10やWindows 11は「NT系」と呼ばれ、9x系のWindowsとは別物です。たとえばWindows 2000やWindows XPも「NT系」であり、9x系とNT系のOS系列の切り替えの挟間に登場したのが、Windows Meだったとも言えるでしょう。

Windows 95系の最後のOSとしての「Windows Me」1
(画像は筆者作成)
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9x系のWindowsの代表的なバージョンには、やはり一般家庭に広くパソコンが浸透するきっかけとなった「Windows 95」が挙げられます。このWindows 95が正当進化し、USBなどにも対応したのがWindows 98。ちなみにWindows 98はDVD-ROMドライブに標準対応しており、「Windows 98(1998年発売)」「PlayStation 2(2000年発売)」という一般家庭に広く普及したハード及びOSがいずれもDVD-ROMに対応したことが、DVDの普及に貢献した側面があります。

一方でWindows 95やWindows 98は今日の視点から改めて振り返ると、不安定なOSだったことは否めません。こうした9x系の設計をベースに、さらに機能を継ぎ足したWindows Meは露骨に不安定さが目立ったOSとなってしまいました。

システムリソースが極めて限られており、アプリケーションの起動個数にも制限があり、OS稼働中にフリーズが多発するという完成度の低さが際立ちました。

Windows Meが直面した「古い設計の限界」

Windows Meは9x系の「古い設計の限界」に直面したOSだったと言えるでしょう。先にも述べた通り、9x系のWindowsでは「Windows 98」でDVD-ROMドライブへの標準対応が実現。そしてWindows MeではWindows Media Playerが標準搭載されました。

つまり、Windows Meは総じて「マルチメディア」が強調されたOSでした。一方でマルチメディア関連の新機能を、9x系のWindowsに搭載したことでブルースクリーンやフリーズが多発する「完成度の低いOS」が仕上がってしまったと言えます。

業務用としてはWindows 2000より優先して使用する理由がない

WindowsはOSとして個人利用だけでなく、業務用としても利用される機会が多いです。

Windowsの法人利用が非常に大きく定着し始めたのは「Windows XP」以降のことですが、その1つ前のOSに当たる「Windows 2000」も法人需要が大きなOSでした。

9x系とNT系のWindowsの歴史をまとめると以下の通りです。Windows 2000はNT系のWindowsとしては、Windows NT 4.0の後継に当たり、ビジネスユーザー向けに開発されたOSに相当します。

業務用としてはWindows 2000より優先して使用する理由がない
(画像は筆者作成)

このように歴史を振り返ると、1998年~2001年までの間にWindows 98、Windows Me、Windows 2000、Windows XPと4つのOSが登場していることが分かります。

そして、Windows9x系の安定性が低かったことは前述の通りです。つまり安定性を重視するユーザーにとっては、不安定なOSである9x系のOSを使う必要はそもそもなかったはずです。Windows Meではなく、Windows 2000を選んだ方が多かったでしょう。

また1998年~2001年にかけては、極めてハイスピードでWindowsの開発が進んでいたことも事実です。OSを頻繁に買い替えるのではなく「Windows 98から直接XPに乗り換える」「Windows 2000からXPに乗り換える」という判断をした方も少なくなかったでしょう。

多数のOSが登場する中で、安定性で劣るWindows Meの存在感が極めて薄れた感もまた否めません。Windows Meは良くも悪くも、9x系の歴史の終わりに伴ってリリースされた「過渡期の産物」的な位置づけでしかなく、OSとして「あえて選ぶ理由」は2000年時点でもほぼなかったと言えるでしょう。

事実としてWindows Meはすでに過去の遺物である反面、翌年に登場したWindows XPは2014年まで延長サポートが提供されるほどの支持を獲得しました。

Windows XPの功績

先にも述べた通り、Windows Me(2000年発売)の翌年に登場したのが、Windowsの歴史に残る傑作OS「Windows XP」です。

Windows XPが「傑作」として誉れ高い最大の理由は、Windows Meに象徴される9x系の不安定さから脱却し、個人向けでありながらNT系の安定性を併せ持ったOSを広く普及することに成功したことです。

つまりWindows XPの登場によって、個人向けOSはようやく9x系の不安定さから解放され、同じ「Windows XP」というOSを個人向けにも業務向けにも利用できる環境が実現されたということです。

Windows XPは2001年の登場後、2014年まで延長サポートが提供されました。そして2024年現在でも、一部の自治体ではいまだにWindows XPを使用しているケースが見られるほか、古いWindows向けアプリケーションを動作させるための仮想環境構築の際にもXPが使用される例も見られます。

Windows MeはXPという傑作OSが登場する前夜において、9x系と別れを告げるための「メモリアル」としての役目は果たしたと言えるのかもしれません。

※サムネイル画像(Image:Susan Edmondson / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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