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ワンセグ付き携帯はなぜ廃れた? ワンセグ衰退とNHK受信料の関係性

かつては携帯電話の機能の一つとして身近だったワンセグ。電車の中や外出先で手軽にテレビ番組を視聴できる便利な機能でしたが、いつの間にか見かけなくなりました。ではワンセグ付き携帯はなぜ廃れてしまったのでしょうか?

ワンセグ付き携帯
(画像はphotoACより)
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その要因としてはテレビの視聴スタイルの変化とNHKとの関係性が考えられます。具体的に見ていきましょう。

スマホから消えた「ワンセグ」

「ワンセグ」は、地上波テレビ放送のデジタル化に伴い2006年にスタート。2010年代にかけて多くの携帯電話に搭載され、「携帯にワンセグがあるのが当たり前」の時代がありました。

しかし近年、その数は減少。たとえば、2021年に発売されたスマホはワンセグ搭載端末がゼロ。2022年には「らくらくスマートフォン F-52B」「かんたんスマホ2+」がワンセグ搭載端末として発売されたものの、いずれもシニア向けです。

つまり、若者向けのハイエンドスマホとしてはここ数年、ワンセグ搭載端末は発売されていないのが現状です。スマホからワンセグが「消えた」という印象をお持ちの方は、この記事をお読みの方にも多いでしょう。

視聴スタイルの変化

ワンセグが「消えた」1つの要因には、消費者側の視聴スタイルの変化が挙げられるでしょう。

たとえば2015年にTVerが登場し、チューナーを利用することなくテレビ番組(民放)を視聴することが可能に。テレビ番組をテレビ以外で視聴することのハードルが大きく下がったと言えます。

視聴スタイルの変化1
(画像は「TVer」公式サイトより引用)

4G回線及びデータ通信無制限の料金プランの普及も大きな要因です。3G回線では「高画質な動画を、配信で視聴する」のは快適さに欠けるのも事実です。4G回線に背中を押されるようにして、NetflixやHuluなどに代表される動画サブスクリプションサービスも同様に急速に普及していきました。

つまり、TV番組やドラマなどを見るためのインフラとして「ワンセグ」の必要性が薄れていったと考えられます。

スマホの薄型化要求とチューナー内蔵の両立に課題も?

スマホの薄型化や軽量化が進んだことも、ワンセグにとっては逆風と言えるでしょう。使用頻度の低い機能や部品は、スマホ本体から省かれる傾向が強まっています。イヤホンジャックやストラップホールが姿を消したのは、その典型例です。

同様にワンセグのチューナーも、薄型化の要求が強まっており、代替の視聴手段として配信サービスが定着しているならば省かれるべき対象と見なされるでしょう。そのため2025年現在では、スマホでワンセグ視聴を楽しみたい場合は、外付けのチューナーを利用するのが主流です。

ワンセグ衰退とNHK受信料の関係性

このほかには、ワンセグが衰退した要因としてNHK受信料との関係性も挙げられます。

ワンセグ衰退とNHK受信料の関係性1
(画像は筆者が作成)

2019年3月に「ワンセグ機能付きの携帯電話を所有している場合、NHKの受信料契約を結ぶ義務があるかどうか」という訴訟の最高裁判決が下され、「契約義務はないと訴えた原告側の上告をいずれも退ける」と判断されました。

つまり、放送法第64条では「NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した者はNHKと受信契約を締結しなければならない」と定めていますが、NHKを受信できるテレビを意図的に所有していない場合でも、ワンセグ付き携帯を所有していたら受信料の支払い義務が生じます。

なお、最高裁判決は2019年に出ています。TVerのサービス開始からすでに4年ほどが経過しており、チューナーを持たない端末でのテレビ番組視聴が「当たり前のこと」になりつつあったタイミングです。

つまり、メーカー側にとってチューナーを搭載すると「ユーザー側に受信料支払い義務」が生じるため、チューナーレスにして番組は「TVerなど配信サービスでの視聴を前提とする」方が良いという一面もあったでしょう。

そのため視聴スタイルの変化と最高裁判決の2つを大きな理由として、さらにワンセグが衰退した可能性があると考えるのが妥当ではないでしょうか。

「未契約で未払い」の場合は受信料が2倍請求される

なお、2022年6月に「電波法及び放送法の一部を改正する法律案」が可決・成立しました。これに伴い、2023年4月からNHKと「未契約で未払いの方」は割増金として受信料の2倍が請求されることに。テレビを設置していなくても、カーナビやワンセグ機能付きの携帯電話を所有している方も対象となるため注意が必要です。

なお、この法改正の対象者はあくまで「未契約者」です。契約をした上での不払いの場合は「2倍」は適用されません。

ワンセグサービスはいつまで継続される?

ワンセグサービスの継続期間は明確に定められていません。しかし、前述の通り、NHK受信料問題や動画配信サービスの普及などの理由から、ワンセグは「将来的に大きく成長するサービス」とは言い難いでしょう。

また、携帯電話やスマートフォン以外では、ワンセグが搭載されているカーナビの機種も存在しますが、すでに多くの機種がフルセグに置き換えられています。2025年1月現在、ワンセグは「廃止されるほどではない」ものの、新たな発展が見込まれるサービスとは言えません。

※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より引用)

スマホライフPLUS編集部

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