ベンチマーク比較(CPU・GPU)
今度はベンチマークの数値で性能を比較してみましょう。まずはCPUです。
これはグラフィックに関係ない計算処理になりますが、シングルでは15シリーズがだいたい同じ。16e/16/16Plusもほとんど同じ数値で、Proモデルも似たような結果になりました。
マルチコアは複雑な処理を行う場合です。ゲームや動画編集などを行うときの性能に関わりますが、やはり、画面左から順に数値が大きくなっていきます。とくにProモデルは8000台に乗せていますね。
ここで注目したいのは16e/16/16Plusの3台です。16eだけGPU性能が少し低いんですが、CPUに関してはほぼ同じ性能であることが分かりました。

次に、GPU処理のテスト結果を確認してみましょう。16と16 Plusが2万7,000台なのに対し16eは2万4,000台ですから、やはりGPUが1個少ない影響が出ています。
ちなみに、16シリーズはGPU性能が意外と高くて2万3,000台ですから、16eとさほど変わらない結果になりました。

Apple Intelligence
AppleのAI技術「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は、15シリーズの2台が対応しておらず、16シリーズはすべて対応しています。
いよいよ、2025年4月から日本語サービスも始まりますが、AIに興味がある人なら16シリーズを買うべきでしょう。
やはり、文章やメールの雛形とかを作成するのにApple Intelligenceがあると超簡単にできるのがいいですよね。また、Googleの消しゴムマジックのような写真修正機能もApple Intelligenceがあれば利用可能です。

カメラ機能(リア・フロント)
リアカメラについては16eだけがひとつしかありません。昔のiPhoneのようなシンプルな作りですね。次に、15/15 Plus/16/16 Plusはカメラが2つあり、Proモデルはカメラが3つあります。
まず、ひとつ目のメインカメラは全モデルに搭載されており、48MP(4,800万画素)での撮影が可能です。本当はモデルごとに微妙な色合いなどが違ったりしますが、これは並べて比較してようやく分かるレベル。どのiPhoneでも全部キレイに撮れますよ。
大きく違うのは2つ目と3つ目のカメラです。まず、2つ目のカメラは「超広角」で、標準カメラより広い範囲が撮影できます。たとえば、レストランで料理の写真撮るときに、体をもの凄く下げなくても、超広角カメラならその場で簡単に撮れますよ。
3つ目のレンズは「望遠」です。これはデジタルズームではなく光学5倍ズームなので、遠くにある被写体も画質を落とすことなくキレイに撮れるのです。

なお、フロントカメラ(自撮りカメラ)については全モデルが12MP(1,200万画素)。しかも、ナイトモードもすべて対応しているので暗い場所でもキレイな自撮りが撮れるんですね。

カメラコントロール/アクションボタン
16eを除いた16シリーズには「カメラコントロール」ボタンが搭載されています。
これは本体右横にカメラ用ボタンが付いており、ボタンを1回押すとカメラが起動し、ボタンをスワイプさせるとズームイン・アウトが可能。そのままシャッターを切ることができます。
シャッターチャンスだと思ったらこのボタンですぐに写真が撮れるメリットがありますが、間違って押してしまったりすることも多いようです。


そして、16eを含め16シリーズの左側面には「アクションボタン」があります。15シリーズは側面に昔ながらの上下にスライドする「消音スイッチ」がありますが、16シリーズでは完全なボタンになっています。
通常は長押しで消音/着信モードが切り替えられますが、ここにさまざまな機能を割り当てることもできます。とくに「ショートカット」が設定できるため、どんなアプリでも登録できるんですね。最近は電子マネーの「PayPay」を設定している人が多いようです。


バッテリー持続時間
重要なバッテリーの持ちについては、Appleが発表している最大ビデオ再生時間で言うと15が20時間、15Plusと16eが26時間、16は22時間で、16Plus/16Proは27時間、そして16 Pro Maxはなんと33時間となっています。
やはり、新しくて本体が大きいほうがバッテリーが持つわけですが、例外なのが16eです。これは標準の6.1インチなのに6.7インチの15 Plusと同じで26時間も持つんですね。
実際に私が検証したバッテリーテストでも16eは本当に持ちます。16 Pro Maxや16 Proには負けますが、その次くらいです。
ちなみに、バッテリーテストの結果では16 Proはここまで持たない印象です。使い方にもよりますが、私が使ってみた感じでは16よりは少し持つものの、16 Plusには負けてしまいます。

充電コネクタとデータ転送速度/MagSafe
充電端子は全モデルがUSB-Cになりました。ただし、データの転送速度に関してはProモデルだけが10Gbps対応で、それ以外は480Mbpsになります。
約20倍も速度差がありますので、iPhoneをパソコンに繋いで写真や動画をよく転送する人ならProモデルがオススメになります。

また、ワイヤレス充電の「MagSafe」に関しては16eだけが非対応。もちろん、ケースをMagSafe対応のものにすればスタンドなどをくっつけて使うことは可能。充電速度が上がるわけではありませんが、アクセサリ類はこういったケースで利用できるでしょう。

どのiPhoneを買うべきか?!

それでは、どのiPhoneを買うべきか、用途別に見ていきましょうまず、“迷ったら16で決まり”です。
これを買って不満だったという人はあまりいないと思いますね。値段も12万4,800円と安めですし、Proモデルと同じカメラコントロールも搭載しています。
この16を中心に考えると、バッテリーや大画面を優先したい人は16 Plusにすればいいですし、カメラ性能や高度な処理性能が欲しい人は16 Proか16 Pro Maxを選べばいいでしょう。
価格的には15と16eが安いんですが、正直言って今買うなら15はオススメしません。確かに15と16の価格差は1万2,000円ありますが、この2機種ではその価格差以上の性能差があるんです。
たとえば、16はカメラコントロールやApple Intelligenceなどに対応していますし、メモリを8GB搭載していて『バイオハザード』も動きます。決して15がダメというわけではないんですが、現状ではオススメしにくくなってしまいました。
「じゃあ、16eはどうなんだ?!」ということですが、これはカメラの性能、ダイナミックアイランド、MagSafeなどがいらないという人にオススメ。
バッテリーは16より持ちますし、Apple Intelligenceに対応していて最新ゲームも動く。それでいて価格は10万円以下なんですから、とんでもない化け物ですよね。
というわけで、とにかく迷ったら「16」。バッテリー優先なら「16 Plus」。カメラ性能優先なら「16 Pro」。安く済ませたい人は「15」か「16e」になりますが、私のオススメは「16e」です。
ただし、16eにはMagSafeやダイナミックアイランドがないので、そこが重要だという人は15にしておきましょう。
こちらのチャンネルでも解説しています。
※サムネイル画像は(Image:筆者YouTubeチャンネルより)